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受精卵が様々な細胞に分かれる仕組み

受精卵は、神経細胞や筋肉細胞、皮膚の細胞といったように様々な細胞に分かれますが、どういう仕組みでわかれていくのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

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  • ruehas
  • ベストアンサー率68% (816/1194)
回答No.5

こんにちは。 我々の身体は様々な機能や特徴を持つ無数の細胞から成り立っています。ですが、これも全て、最初は一個の受精卵から分化したものです。この受精卵のように、あらゆる機能を持つ細胞に分裂・分化できることを、細胞の「分化全能性(万能性)」といいます。そして、我々の身体の動物細胞は、分裂を繰り返す過程でこの「全能性」を失ってしまい、定められた機能を持つ特定の細胞以外に分化することができなくなります。 血管や骨、筋肉といった特定の臓器を作る細胞がその機能や性質を発揮するためには、DNA情報として遺伝子に書き込まれた様々な機能が正しく選択され、引き出されなければなりません。イメージ的には、DNAに書き込まれたあらゆる情報のうち、必要な機能のスイッチがON、不必要な機能はOFFに設定されるということです。これによって、細胞は定められた特定の機能を持つものに分化できるようになります。 受精卵のような「全能性細胞」の場合は、分裂を行う機能と、細胞自身が生きるめの機能を除くならば、特定の機能のスイッチは全てOFFの状態になっています。これに対しまして、必要な機能のスイッチをONにするためには、何らかのきっかけ、何らかの情報が与えられなければなりません。 細胞がスイッチをONにするための情報は段階的に、分裂後の環境から与えられる外的な「事後情報」と、分裂前から細胞内部に獲得されている内的な「事前情報」に分けられます。 環境から得られる外部情報といいますのは、自分がどのような場所に分裂したかですね。内側にいれば内臓の細胞になりますし、外側にいれば皮膚の細胞になる可能性が高くなります。そして、「事前の内部情報」といいますのは、このような環境から得られた外部情報が細胞内に記録されたものです。この情報を獲得した時点で、動物細胞は「全能性」を失ってしまい、特定の細胞にしか分裂できなくなります。 このプロセスを整理致しますと、以下の三つの段階に分けられます。 1. 全てのスイッチがOFFで、何にでも分化できる全能細胞の段階。 2. 分裂後に与えられた環境に従って必要な機能をONにする。 3. ONになったパターンを記憶し、次からはそれ以外の細胞には分化しなくなる。 全能細胞が特定の細胞に分化するために、どのようなスイッチがONにされなければならないのかということは、予めDNA情報として遺伝子内に書き込まれています。そして、細胞が分裂を繰り返す過程で、どのようなスイッチの組み合わせがONになるのかというのは、「どの段階で」、「どのような環境に曝されたのか」といった条件によって選択されるのではないかと思います。 以上、簡単にご説明致しましたが、このような細胞の「機能分化」の就きましては、まだ多くのことが謎に包まれており、そのメカニズムははっきりとは解明されていません。 例えば、このような細胞内情報伝達は、果たして内分泌ホルモンによって行われるのか、あるいは遺伝子自身が「自己制御機能」のようなものを持っているのか、はたまた、その両方であるのかといったことが、まだはっきりと分かっていません。 また、動物の細胞というのは二百数十種類あると考えられていますが、これが複数n個の遺伝機能の働きによるものであるとするならば、その組み合わせは「二百数十のn乗」ということになります。まして、一個の受精卵から始まり、人体60兆に及ぶ膨大な細胞間ネットワークが整然と形成されてゆくためには、たいへん複雑な情報処理を行うと共に、単に環境に従うというだけではなく、もっと別な、何か極めて巧妙な「段階的制御」みたいなものが必要であるはずです。このように考えますと、現時点では、まだほとんど分かっていないという状態ではないでしょうか。 但:「動物細胞」と表記致しましたのは、「植物細胞」に至っては動物細胞とは異なり、分化の過程で「全能性」を失わないという事実が突き止められているからです。ですから、詳しい説明は省きますが、この回答は「植物細胞」には一部当て嵌まらない部分があります。

keeps
質問者

お礼

みなさん、ご回答ありがとうございました。 まだ謎の部分が多いのですね。

その他の回答 (4)

  • Chicago243
  • ベストアンサー率38% (401/1043)
回答No.4

完全な説明ができていないとは思いますが、概念的にある程度説得力のある考え方があります。一つは受精卵が何回か分裂していくとやがて、自分の位置情報を把握するようになるということです。これは細胞が何かホルモンのようなもの、あるいは増殖因子などを分泌したり、うけっとったりすることで細胞同士がコミュニケーションをとることで、自分は皮膚になるべき位置にいるとか把握できるようになると考えられています。あと、細胞は非対称な分裂をすることがあります。分裂しでできた一方の細胞はAというたんぱく質を豊富にもつがもう一方はAは少なくBは多いといった感じです。このことにより両者は違う細胞になり、またそれが位置情報の印にもなります。 ちょっと概念的で分かりにくいかもしれません。コメントをいただければ補足致します。

  • bzxjpjp
  • ベストアンサー率36% (11/30)
回答No.3

細かい仕組みは現在研究中だと思いますが、遺伝子発現によって細胞の分化が決められていることが分かっていると思います。

noname#46899
noname#46899
回答No.2

現在研究中なんですから、誰も知らないのでは?

参考URL:
http://www.lifescience-mext.jp/trc/cont/00_www/basics/02_05.html
noname#46899
noname#46899
回答No.1

このあたり?

参考URL:
http://contest2.thinkquest.jp/tqj2003/60218/es.html
keeps
質問者

補足

ES細胞がさまざまな細胞にわかれることはわかりました。しかし、どのような仕組みで違う細胞に分かれるのかがわかりません。どなたか教えてください。

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