• ベストアンサー

李白の漢詩について

 日本語を勉強中の中国人です。李白の漢詩をお読みになったことがある方にお伺いします。  李白の漢詩はどう思われますか。奔放、雄大な詩風で思い切った誇張の表現を多用し、直接自分の喜怒哀楽、意見などを出すのが多いように思います。このような風格は日本の美意識、日本の方の好みとあまり合わないような気がしますが、李白の漢詩をお読みになったことがある方がいらっしゃいましたら、どうかご意見(一言でも、きつい意見でもかまいませんので)をお聞かせください。  また、質問文の中に不自然な表現がありましたら、それについてもご指摘いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • walk-hawk
  • ベストアンサー率43% (82/189)
回答No.4

こんばんは。いつもながら見事な日本語、感服します。 先の回答者の方もおっしゃっていますが、李白の詩は学校で教えられることが多いので、日本人の中でも知名度は高く、人気も(漢詩愛好者の中では)高い方です。 確かに、露骨な感情表現を嫌い、婉曲な言い回しをよいとすると言われる日本人に、直接的な李白の詩は合わないように一見思えます。しかし、李白の詩は、それだけに漢文の知識がそれほどない日本人にも、理解しやすい。李白は絶句に優れていて、学校でわれわれ日本人が学ぶものにも絶句が多いのですが、絶句はご存知のようにとても短いから、いっそうわかりやすい(その点、杜甫や白居易は不利です)。日本の伝統的観念はともかく、親しみやすく、共感しやすいという点では、李白の詩は非常に優秀です。しかも、李白は詩人としても中国文学史上第一の人物ですから、その詩が大いに読む者を感動させ、心を打つ力を持っているのは言うまでもない。わかりやすくて感動的であれば、大いに人気があるのも不思議ではありません。―私も大好きです。 また、日本人は露骨な感情表現を嫌うと言うのも場合によりけりで、文学・詩・演劇のような分野では、劇的で思い切った表現が喜ばれるということもよくあります。悲しい時に、ただ「愁う」と言うより、「白髪がこんなに伸びたよ」と言う方が、表現としてより深い、と感じるのです。こういう所は、日本の和歌や俳句などとも通じる所がありますが。 ですから、李白の詩は大げさすぎて好きではない、という日本人はあまりいるまいと思います。もっとも、日本人に好かれている李白の詩句と、中国人のそれとが同じでないということは、かなり有り得ると思いますが(ずいぶん前に、お酒のテレビCMで「一杯一杯復一杯」という李白の詩句が使われたことがありましたが、中国では、これはあまり有名な句でない由)。個人的には、わかりやすく、共感しやすく、芸術的である、ということが日本人にとっての李白の最大の魅力かと思われます。 また、李白が豪快な大酒飲みの風来坊だった、というのも、人気の秘密のひとつとして見逃せないところでしょう(笑)。 ついでに、日本では「詞」はまったく無名に等しいです。李白の「菩薩蛮」なんか、それこそ素晴らしいと思うんですが、残念。

awayuki_ch
質問者

お礼

 いつもお世話になっております。  ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。わかりやすく、共感しやすく、芸術的である、ということが日本人にとっての李白の最大の魅力なのですね。大変参考になりました。とても助かりました!  本当にありがとうございました。

その他の回答 (5)

noname#20467
noname#20467
回答No.6

>このような風格は日本の美意識、日本の方の好みとあまり合わないような気がしますが それは、そうかもしれません。 しかし、日本人は自らの美意識に照らして合うか合わないかという判断だけで、李白を詠んでいるわけではないと思います。 昔から日本人が、中国の様々な文物を求めて、命がけで中国へ留学生を派遣してきたということはご存じですよね。中国はあこがれの国でしたし、巨大な文化の国でした。今は遣唐使の時代とは事情が違いますが、中国文化に対する敬意は、日本文化の中に深く根付いています。 また、詩中にあるような雄大な風景も日本には、あまりありません。 日本の美意識に合うかどうか、と聞かれれば合わない部分もあるように思いますが、日本の美意識に合わせて選別するのではなく、異国への憧れをこめて李白の雄大な詩を受け入れていると思います。日本人も李白を知って、千数百年の伝統があります。違和感を感じるというこは、基本的にもうないです。 日本にはあまりない表現・異国の風景、(だからこそ)それをそのまま中国風の表現の一分野として、尊重し受け入れていると思います。 私自身は、習ったことだけは知ってはおりますが、まともに詩をたしなまないので、コメントはできませんが・・・。 外から文明や文化を入れて、それを消化吸収していくという傾向の強い(強かった)日本ならではの受け入れ方かもしれませんね。

awayuki_ch
質問者

お礼

 いつもお世話になっております。  ご丁寧に回答していただき誠にありがとうございます。異国への憧れをこめて李白の雄大な詩を受け入れているのですね。日本は中国の文化に対する熱心さにいつも感心しております。大変参考になりました。  また、先日の添削に感謝いたします。今後「ご自己紹介」を書かないように気をつけます。  本当にありがとうございました。

  • luune21
  • ベストアンサー率45% (747/1633)
回答No.5

 大好きです。 「早發白帝城」 「黄鶴楼送孟浩然之広陵」 「静夜思」 「春夜洛城聞笛」  私にとって漢文は、学校で習うより前に、祖母(1900年生まれ)がいつも語り聞かせてくれたことに始まります。祖母は支那FANでした(祖母にとって「支那」ということばは、あこがれの地、ほめことばでしかありません。というか、祖母は他に中国の呼び名を知りませんでした。お気を悪くされたとしたら、大変申しわけありません。でも信実なのです)。  10歳にならない頃の私は、その祖母による漢文の話しが大好きでした。漢詩のほか、「垓下の戦い」や「鴻門の会」「四面楚歌」などの話しも、小学生のときには漢文訓読調ですっかり覚えていたほどです。  それらの中で「早發白帝城」と「黄鶴楼送孟浩然之広陵」は特別です。この奥行きの深さには本当に魅了されました。祖母も好きだったようで、何回も聞かされました。祖母も雄大さ、奥行きの深さに魅了されていたに違いない、と私は確信しています。日本の芸術には奥行きがある作品があまりありません。あるとすれば有名なのは水墨画くらいでしょうか。中国山水画の模倣なので当然といえば当然のことでしょうが。  先ほど、妻(現在、中国語勉強中)に「李白の詩、何か知っているか」とたずねたところ、「早發白帝城」を暗記していました。妻も好きみたいです。妻は先ごろ広東州・東莞に出張に行き、そこで中国のかたがたに「早發白帝城」を書いて見せたところ、大好評だったと言っていました。  こちら、二つの国宝(水墨画)をご覧ください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Pine_Trees.jpg http://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/meihin/kaiga/suibokuga/item01g.html  前者(長谷川等伯、16世紀)は日本情緒的、後者(雪舟、15世紀)は中国山水画的です。どちらも、日本人は好きなのだと思います。

awayuki_ch
質問者

お礼

 いつもお世話になっております。  国語のカテでも何度も漢詩の質問を回答してくださり、きっと漢文に詳しい方だろうと思いました。確かに私の思ったとおりです。「垓下の戦い」や「鴻門の会」「四面楚歌」などの漢文は小学生の時にすでに習得されましたね。恥ずかしいことに、私はたしか高校の時に学んだのです。中国の文化にあこがれてくださるお祖母さんのおかげですね。心より感謝いたします。奥さんのお話もお聞かせいただきとても嬉しいです。李白はやはり日本では人気がある詩人なのですね。大変参考になりました。残念ながら、二つの国宝のURLは見られませんでした。名前を覚えておきます。  本当にありがとうございました。

回答No.3

日本の中学生(義務教育)は、教科書で、必ず李白の詩を習います(下のどれか一つ。ほとんど1)。 1 黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る 2 静夜詩 つまり、日本人(一四,五歳以上)で、李白の詩を習っていない人は皆無に近いということです。それほど日本人にとって、李白は身近な存在なのです。 ただし、以上の二つの詩ともに、あなたがおっしゃるような奔放、雄大といった詩風からは、ほど遠い作品ですね。それには、中学生という読者対象を考慮した結果が反映していること、更に日本人全般の好みが影響していると考えられます。 私自身も、李白の中では上の二つが大好きで、ともに暗記しており、一杯入った折には、自然に口をついて出てくるほどです。 「故人 西のかた黄鶴楼を辞し/ 煙花三月 揚州に下る/ 孤帆の遠影 碧空に尽き/ 惟だ見る 長江の天際に流るるを」 う~ん、すばらしい。七言絶句(ですよね?) ところで逆に質問です。 今、記したように、私たちにとっての漢詩は、もう既に日本語化していて(元詩のいわゆる押韻などは認識しづらくなっています)、我々は中国語という感じを全くもっておりません。(とはいえいわゆる大和言葉ではないし、中国風の味わいを感じているには違いありませんが。) では、中国の方は、日本語に翻意、翻訳された上記のような漢詩を、どのように読み、どのように聞いていらっしゃるのでしょうか。実に興味があります。 漢詩については、言いたいこと、聞きたいことがいくらでもあってきりがないので、今日は、これで終わりにしたく思います。 雑文、雑内容(変な日本語)、おわびします。

awayuki_ch
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございます。日本の中学生は、教科書で李白を習うのですね。感心させられます。お挙げになった詩は、中国では、どちらでも有名なのですが、「静夜思」のほうが圧倒的に有名だと思います。子どもはたぶん幼稚園ですでに「静夜思」を口ずさむことができます。    逆質問に関してですが、特に何も思わないで、自分の知っている漢詩の日本語版だと素直に受けるだけです。ただ、ご存知のように、漢字と平仮名と混ぜ込んで、原詩の平仄、押韻、対偶、リズムなどは壊されたので、中国語版と対照して考えると少し残念にも思います。本当は日本語で俳句を読む、中国語で漢詩を読むのは一番理想的な状態なのですが……    中国の文化に対する日本の熱心さに心より感謝いたします。私も日本語、日本の文化、日本という国などをもっと知りたい、理解したいと思います。これからもよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

回答No.2

awayuki_ch さん、こんにちは。 もう遠くなった高校生の頃を思い出しました。 杜甫(詩聖)に対しての李白(詩仙)として覚えました。 その頃、【望慮山瀑布】という詩を読んで、中国では有名な避暑地・慮山を想像したことを思い出しました。 紫色に煙る香炉峰、まるで銀河から落ちてくるような滝、雄大な景色が頭の中に鮮明に浮かび上がる詩でした。そして、その頃から「銀河」という言葉、単語があったことに驚かされたことも、いまフッと思い出しました。

awayuki_ch
質問者

お礼

 いつもお世話になっております。  早速のご回答ありがとうございます。李白の優れた表現というと、私の頭の中にすぐ浮かび上がるのもこの【望慮山瀑布】です。「銀河」(天の川)という比喩に本当に頭を下げます。  shigure136さん、どうもありがとうございました。

  • tatsumi01
  • ベストアンサー率30% (976/3185)
回答No.1

最近の若い人はわかりませんが、少し年配ですと高校で漢文が必修でしたから、李白、杜甫、白楽天などの詩はかなりの人が知っています。いずれも日本人に好まれています。 「白髪三千丈」、「桃花潭水深千尺」、「兩岸猿聲啼不住 輕舟已過萬重山」など、確かに誇張したと感じられる表現はありますが、雄大な詩風を愛する人は沢山います。

awayuki_ch
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございます。日本では昔高校で漢文が必修科目なのですね。雄大な詩風を愛する人も沢山いるのですね。お挙げになった三文は中国でも相当有名です。   本当にありがとうございました。

関連するQ&A

  • 李白の漢詩の意味を教えてください

    福島県猪苗代にある「天鏡閣」の名は、漢詩を好んだ大正天皇が皇太子時代にこの地に滞在した折、李白の詩句「明湖落天鏡」(明湖ハ天鏡ヲ落シテ)より命名されたと聞いています。それで「明湖落天鏡」を検索しても日本語のサイトは見つからす、たぶん台湾のサイト http://www.xysa.com/quantangshi/t-180.htm で以下を見つけましたが、まったく読めません。 中国古典に詳しい方にお願いです。この意味を教えてください。できれば書き下し文もあればうれしいです。 卷180_26 《登巴陵開元寺西閣,贈衡岳僧方外》李白 衡嶽有闡士,五峰秀真骨。見君萬里心,海水照秋月。 大臣南溟去,問道皆請謁。灑以甘露言,清涼潤肌發。 明湖落天鏡,香閣淩銀闕。登眺餐惠風,新花期啟發。

  • 怒ったときに自分の感情をそのまま相手にぶつけるのは悪い事ですか?

    怒ったときに自分の感情をそのまま相手にぶつけるのは悪い事ですか? 今まで溜まっていたものを伝えるときには言い方が必要とは思いますが、 カチンときて怒ったときにも言い方って必要でしょうか。 友達に指摘されました。 直接本人に言いきらないのに影でコソコソ言っているよりも 私は本人に言った方が相手のためにもなるし、 いいと思います。 人間には喜怒哀楽があるし、 怒んないほうがおかしいですよね? 誰でも怒りますよね? 今まで相手に嫌な事されてて それを自分の感情のまま怒って伝えただけなのに、 その私が怒った人に言い方ってものがあるやろ、といわれました。 私の喜怒哀楽が激しいだけですか? やっぱりかちんときて怒るときでさえも言い方に気をつけて怒らないといけないのでしょうか? みなさんはどう思いますでしょうか。 みなさんの意見をお聞かせ下さい。

  • 漢詩について(李白)

    下記の李白の漢詩の和訳を 教えていただけないでしょうか? よろしく お願い致します。 望天門山 天門中断楚江開  碧水東流至此廻 両岸青山相対出 孤帆一片日辺来 

  • クラシック音楽の用に表現するドラマーになりたい

    クラシック音楽って物語やら、そのときの喜怒哀楽などを、音だけで表現するすごいおくぶかいものですよね。 僕はそういうドラマーになりたいのですが 誰かそのようなドラマーをさがしております 参考にさせていただきたいのですっ。 なにかご存じの方ヨロシクお願いしますっ。

  • 映画 上手な演技とは

    最近映画における演技力という言葉そのものに疑問を持ち始めてます。 一つの演技でもある人は大根といい、ある人は名演という。 思えば演技力ってすごい曖昧で不明瞭な「力」だと思いませんか。 演技力ではなしに「表現力」なら解ります。身振り手振り或いは表情で心情を現す力と定義出来ると思います。 例えばニコラス・ケイジ。 あまり好きな俳優ではないんですが、彼の表現力はものすごいと思うんですよ。 表情をスローにしたりストップして逐一観察してみたら、有り得ないくらい多面相でした。喜怒哀楽を惜し気もなく表現仕切ってました。 しかし、 もし演技力=表現力と考えたら、 彫りが深く、日常から喜怒哀楽をあらわにしてる欧米に比べて、ジャパニーズを始めとしたアジアンっていかにも演技力がないということになりますよね。。 まとめます。 あなたが思う演技力とは何ですか、また日本と欧米の演技力の評価の仕方はどのように差分すべだと考えますか? 親切な方の回答お待ちしています。

  • 仏陀の悟り後

    仏陀のことを調べています。 悟りを得た後、より人間らしくなった、喜怒哀楽を素直に表現するようになった…と言う事を、ある方から聞きました。 実際に悟りを得た後の仏陀は、どうだったのでしょうか?

  • 日本語独特の表現はどう表せば良いですか?

    お月見のエッセイを書きたいのですが、日本語独特の表現の言い回しがわかりません。とくに”言葉を紡ぐ”、”言葉の中に織り込んで写し取る”などニュアンスが似ている表現が英語にするとどんな言い方がありますか?宜しくお願いします。 「夜空に浮かぶ月を眺めていると、月の美しさを称えるための言葉を紡ぐにわか詩人になってしまうことがあります。 日本では、感動を詩で表す文化があります。季節の移り変わりや喜怒哀楽を短い言葉の中に織り込んで写し取るのです。」

  • 手をつなぎたい!

    近々、気になっている女性と紅葉を見に行きます。 その時に手をつなぎたいと思っているのですが早すぎますか? 今回で2人で出かけるのは2度目です。 その女性は自分で言っていたのですが、甘えたで冷めていて、喜怒哀楽の表現が下手な性格のようです。 またどのように手をつなぐべきでしょうか? 歩いてる時にさりげなくか、聞いてからか・・・ 嫌な反応をされたり断られるないかでびくびくしています・・・ ご意見よろしくお願いします。

  • なぜ日本語には?マークが生まれなかったのか?

    皆さんも普段クエスチョンマークは多用していると思います。 これほど便利で必須とすら思えるマークがなぜ日本語では生まれなかったのでしょうか。 あいまいな表現を良しとする日本の美意識の表れでしょうか? 普段、クエスチョンマークを使うたびに、日本人なのに表現に英語表記を織り交ぜてしまうことに対して、日本語の不備を指摘されているような気がして軽ーいコンプレックスを覚えます。

  • わかりません...

    先日ある男性に「面倒くさい女」と言われました。 確かに喜怒哀楽も強いほうですし、自分の意見などをしっかり言うタイプです。 そんなことを言われ、「嫌なら(親しい友人として)付き合わなければいいのに…」位に私は思っているのですが、そんなことを言う割にいじってきたり、傍から見るととても親しく見えるようです。 正直訳がわかりません。「面倒くさい女」と思っているのに、わざわざ付き合う必要がないのでは?と思ってしまっています。ご意見・アドバイス下さい。