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時間とエネルギーの不確定性関係

atomicmoleculeの回答

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回答No.2

snobberyさんが言っているように、エネルギーと時間に対する不確定性関係というのは、運動量と位置の不確定性関係とは概念的に全く無関係のものです。 そもそも量子力学には時間はパラメーターなので時間自体に不確定性はありません。一方エネルギーは、系に摂動を加えた場合には不確定性は議論することができます。 いろんな状況で似たような関係式が導出できるかもしれませんが、その意味は状況に応じて考える必要があると思います。よく見かける議論(たしかサクライの量子力学でもそうだったはず)は、フェルミの黄金則、つまり時間に依存する一次摂動の公式からエネルギーと時間の不確定性が導出されます。 δE×δt ≒ h という関係式ですが、その場合のδEの定義は δE=E_f-E_i  ですが、E_fは遷移後のエネルギー,E_iは摂動以前のエネルギーでこれはエネルギーの測定誤差ではありません。遷移が起こるエネルギー間の差です。そして時間 δtも時間の誤差ではなく、δt=t_f-t_iで摂動をかけ始める時刻t_iとその後観測時刻としてt_fまでまつと言う意味の時刻です。どちらも誤差ではありません。 私の理解では、この不確定性の意味は、系に揺すぶり(摂動)をかけると状態は乱されていろんなエネルギーの状態に遷移しますが、時間をかけてまってやれば次第に落ち着き、系は元のエネルギーと同じエネルギーをもった状態に集中してきますということです。 そもそもエネルギーと時間が演算子でないにしても共役な関係にある事からこのような関係式はいろんな状況ででてきます。例えば exp(iEt/h) は定常状態の波動関数の時間依存性。時間に依存する物理量をフーリエ展開で表すと f(t)=∫dw exp(iwt) F(w) となります。次元解析だけからwはエネルギーに関係した量になることは自明で、あとはどういう意味のエネルギーかという解釈だけです。そしてこの物理量が時刻t=0でだけ値を持つ、衝撃波のようなものなら f(t)=δ(t)ですが、そのときはF(w)=1となるので、ある意味不確定性関係 「δ関数的時間依存性をもつ波はいろんなwが混ざっていてエネルギーは不確定」 というような言い方になります。 つまり状況毎に意味は異なるにせよ、不確定性関係に似たものがでて来るということはよくあることです。

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。少しずつですが、分かってきた気がします。 不確定性関係とスペクトルの幅の問題も解決できました。 加えて、位相を絡めて説明されている記述についても上記を理解した上で再度読んでみたところ、大方解決できました。 本当にありがとうございました。

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