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時間とエネルギーの不確定性関係

KENZOUの回答

  • KENZOU
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回答No.3

>それでは何故エネルギーと時間は不確定性関係の表式で表せるのか? このご質問してatomicmoleculeさんの詳細なご回答がありますので、以下は蛇足となりますが。。。 x軸方向に運動する質量mの粒子を考えます。x軸上の2点x、x+Δxを速度vで通過する際、同時にその粒子の運動量を測定したとします。運動量の(原理的)測定誤差Δpは不確定性原理によりΔp≒hbar/Δxとなります。また、粒子のエネルギーはE=p^2/2mと表されますから、エネルギー測定値も運動量測定値の不確定さが反映され、結局ΔE≒pΔp/mとなります。粒子が上の2点を通過する時間をΔtとしますと、Δt=Δx/v=Δx/(p/m)≒Δx・Δp/ΔEとなります。これからΔt・ΔE≒Δx・Δp≒hbarがでてきます。 2つのエネルギー準位E1、E2(E2>E1)間の輻射を考えますとν=(E2-E1)/hですね。ところでエネルギー準位(E2-E1)の測定誤差をΔEとしますとΔν=ΔE/h。ここで先ほどのΔt・ΔE≒hbarと一緒にするとΔν=1/(2πΔt)となります。つまり、観測時間を伸ばすほどスペクトルの周波数はシャープに出てくるということになります。 清水明著「新版量子論の基礎」(サイエンス社)にもエネルギーと時間の不確定性の話が載っていますので図書館等で一度参照してみられたらいかがでしょうか。 (余談) ボーアは相対論では時刻tも座標と同じ資格で扱うことができるから、△t・△E≒が原理的に成り立つはずと考え、アインシュタインとの論争を繰り返したという歴史的な話はここに(↓)詳しく載っていますのでご参考までに。 http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/kairo.htm 科学と技術の諸相の「アインシュタイン/ボーア論争の勝者」

snobbery
質問者

お礼

毎回ありがとうございます。偶然ながら、そのテキストも手元にありますので、質問を加えさせていただきます。 1.P99に「(ω2-ω1)t=2πmを満たす時刻以外では、|Ψ(t)>は大部分の時間は|Ψ(0)>では平行ではなくなる」と書いてありますが、(ω2-ω1)t=2πmを満たさないとき、つまりΨ(t)がΨ(0)に平行でないときに観測を行うのと、平行であるときに観測を行うのとでは何が異なるのでしょうか?現象として、Ψ(0)の状態ベクトルに平行になる瞬間に何か意味はあるのでしょうか? 2.P194の「hbar/(E2-E1)程度の時間が経たないと、状態の変化が顕著にはならない」という記述は、「hbar/(E2-E1)程度の時間が経たないと、測定値の期待値からのズレが、(量子論に本質的な)確率的なズレなのか、系の時間発展によるズレなのかの判断がつかない。」という解釈でよろしいのでしょうか? 3.スペクトルの自然幅の中身(?)は連続値としてとらえてよろしいのでしょうか? 分からないことだらけで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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