単語だけ覚えてもダメだと思います。例えば次のダイヤローグです。
Simon and Cathy can't find a free table anywhere,so they try a new wine bar near their house.
Cathy: This place is really terrible, darling. The food's dreadful and the portions are so small!
Simon: Hey,waiter, your thumb's on my steak!
Waiter:Oh don't worry,sir. It's not very hot.
おそらく、分からない単語があるとすれば、terrible、 dreadful 、portion、thumbくらいでしょう。ここでは terribleとdreadfulは似たような意味で元の意味はどちらも「怖い」ですが、むしろvery badの意味で使われています。This place(これも「この場所」というより「ここ」と訳したほうがいい)はポルターガイストが出てくるわけでも ギャングが出没するわけでもないのです。それから dreadfulがfoodを修飾すると「ひどく不味い」という意味になるし、foodもここでは「食べ物」とするよりも「料理」と具体的に指した方がいいでしょう。単語帳のようなものでそれらの単語を覚えると “terrible=恐ろしい、怖い”という図式に捕らわれすぎて こんな簡単な会話文さえも意味が取れなくなってしまいます。portionもここでは「部分」ではなくて、レストランなどで出される一人前の分量のことです。そうすると smallもここでは小さいではなく、「少ない」になりますよね。smallのような単語は基本的過ぎるため 単語帳では見逃されがちですが、そういう単語こそ意味が沢山あって難しいのです。つまり smallは 単にsizeが小さいことを表すのではなく、amount(量)が少ないことも表します。
それから 「your thumb's on my steak」の部分の意味が分かりますか? thumb'sは thumb(親指) isの短縮形になっていますが、ここでは onがカギです。この onは「~の上に」ではありません。どうしても日本語の訳語だと 上下の上(重力の反対方向)をイメージしますが、そうではないのです。表面に接触しているのが英語のイメージなのです。ですから onの反対はunderではありません。例えば The cat is on the table.と言ったら 猫はテーブルの表面に接触していますよね。でも underに置き換えたら 接触はしていないんです。
そうすると your thumb's on my steakの訳は
「あなたの指が私のステーキに当たっていますよ。」になるんです。