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振動の問題について
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まずは、基本から。 オイラーの公式 e^(jθ) = cosθ + j・sinθ θの符号を逆にすれば、cosθはそのまま、sinθは正負が変わります。 e^(-jθ) = cosθ - j・sinθ 2つを差を取れば e^(jθ) - e^(-jθ) = 2j・sinθ sinθ = -j/2・{e^(jθ) - e^(-jθ) } が得られます。 また、2つの和を取れば、 e^(jθ) - e^(-jθ) = 2cosθ cosθ = 1/2・{e^(jθ) - e^(-jθ) } 再度、 e^(jθ) = cosθ + j・sinθ について考えます。 e^(jθ) という複素数は、実部が cosθ、虚部(の大きさ)が sinθ です。 複素数は一般に、x+jyで、実部がx、虚部がyですよね? これをXY座標に表しましょう。 θを任意の値からスタートして、どんどん値を増やしていくと、そのときの軌跡は、原点(0,0)を中心とする、半径1の円になります。 つまり、どこまでも際限なく大きくなることなく、1つの軌道に縛られたまま、ぐるぐる回っているだけです。 では、以上を踏まえた上で、ご質問の件、 下記の、2つの意味を知っているとよいですよ。 【1つ目の意味】=数学的な意味 一般に、振動というものは、復元力・復元加速度が、変位xと比例し、その方向は逆向きなので、 xをtで2回微分したもの = d^2/dt^2 x = - α・x という微分方程式で表されます。 この微分方程式の数学的な解(一般解)は、 x = β・e^(jγt) という形、および、その形のもの同士の和になることが知られています。 最初に説明したとおり、sin と cos は、指数関数同士の和で表すことが出来ますから、sin と cos の形も、この微分方程式の解の1つです。 なお、α、β、γ は、定数で、私が勝手に選んだギリシャ文字です。 それぞれの物理的な意味は、αが復元加速度の定数、βは振幅、γは角振動数です。 【2つ目の意味】= 簡単さ、便利さ 振動は、 x = β・e^(jγt) と表してもよく、 x = δ・sin(γt) と表してもよいです。 sin(γt) を、時間tで何度も微分していくと、 0回目の微分 sin(γt) 1回目の微分 γ・cos(γt) 2回目の微分 -γ^2・sin(γt) 3回目の微分 -γ^3・cos(γt) ・・・というふうになり、マイナスを付ける・付けない、関数の形が、sin と cos の間で「変身」してしまい、煩わしいです。 一方、e^(jγt) をn回微分したものは、 (jγ)^n・e^(jγt) と、いとも簡単に、たった1つの書き方で表現できます。 つまり、 振動を必ずしも三角関数で表す必要はなく、jが中に入っている指数関数で表せることは理論的に知られていますから、簡単な方(=複素指数関数)を使うのが便利なのです! 上述した、実部と虚部のうち、実部だけが意味がある物で、虚部は計算を簡単にするために暫定的につけたもので、結果の式からは捨ててもよいものだと考えるような、複素指数関数の利用方法でも、いっこうに構いません。 私も周囲の人でも、大学~社会人になってから、振動や波を扱う仕事をするとき、三角関数よりも、むしろ、微積分その他の計算が簡便な複素指数関数を使う人は結構いますよ。 ちなみに、 高校の電気(工業高校の電気?)で習う「j」という係数は、交流回路の計算に使う記号なんですが、微積分を習うわけではありません。しかし、その「j」を使っている意味は、実は、指数関数の微分を表しているのです。 何も電気や振動に限ったことではなく、他にもいろいろあり、例えば、波(光、電波)の計算にも使います。 以下は、おまけです。 時間とともに減衰していく振動や波は、 e^(-at)・e^(jbt) = e^{j(b+aj)t} で表すことができます。 ここでもしも、e^(jbt) の部分を三角関数で書いちゃったら、その後の計算が複雑すぎて、全然やる気がしません。 複素指数関数を使っているから、簡単になるんです。 光は波の一種。 光には屈折という現象がありますが、 屈折率とは、真空から、その物体内に光が進入したとき、光の速さがどれだけ落ちるかを表す割合です。 さらに、その物体があまり透明でなく、光はその物体内で減衰しながら進むとします。 これは、減衰振動と全く同じことです。 ここで、さっきの式をもう一度眺めましょう。 e^(-at)・e^(jbt) = e^{j(b+aj)t} 上述したとおり、aは減衰の大きさ、bは周波数の大きさを表します。 光の周波数は一定ですから、単位距離あたりで考えれば、物体の透明度が悪いほどaは大きくなるので、減衰率に比例する定数。 また、物体で減速が大きいほどbは大きくなりますから、bは屈折率に比例する定数。 つまり、 「屈折率+j・減衰定数」 という1つの概念をつくってしまえば、あとの計算が非常に簡単になります。 屈折率+j・減衰定数 を「複素屈折率」と呼びます。 http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/arima/lecture/spectroscopy/refraction.html
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- ken_dosanko
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> これが何故振動を表していることになるのでしょ > うか?tが大きくなるとxも大きくなっていく気が > するのですが。虚数jが関係しているのでしょうか 元物理屋です. tが大きくなってもxは大きくなりません.それはあなたの勘違いです.複素数の表記を勉強し直してください.e^(jωdt)の大きさは1で,実数虚数空間の中のベクトルです.時間とともにそのベクトルが回転してゆくと考えるといいよ.実数軸,あるいは虚数軸に射影すると,その回転は振動になります.だから,振動を表しています.
お礼
ありがとうございました!オイラーの公式をど忘れしてました。ありがとうございました!
Ae^(jωdt)の絶対値はAです。 Ae^(jωdt)=A{cosωdt+jsinωdt}という 関係がオイラーの公式からでます。これは振動ですよね。
お礼
その通りです。完全に忘れていました。 ありがとうございました!
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丁寧にありがとうございました。オイラーの公式をど忘れしてしまってました。分かりやすい説明でした。