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目からウロコが落ちた話

Tosshie-Toshikoの回答

回答No.17

 masatoshi-mさん、こんにちは。  やっと、この御質問に回答致します。  ……実は、月曜日の朝に、日曜早朝に届けられていた“出だしの約30字集メール”で御質問の主を察して(笑)飛んできて、ブックマークに入れておりました。  しかし……  自分にとって一番の“目から鱗が落ちた”経験というのが、このような場で披瀝して皆様の素晴らしい体験と並べるのは何だか気恥ずかしいと申しますか、余りにもお馬鹿極まりない代物でした為、ずっと、横目で眺めていたのです。  でもまあ、このような場で自分を飾る必要もないかと、週末に至ってようやく参上仕った次第でございます。 ★★★★★  もう8年以上も前になりましょうか。  その頃私は、故郷広島をちょっと離れた隣県で、今の職とは似ても似つかぬゲーム開発などという仕事をしていたのですが、縁あって半年近く一緒に働いた女性Aさんと、非常に親しくなりました(勿論、今でも大切な友人です)。  よんどころない事情からAさんがお辞めになった直後、やはり親しい同僚で、Aさんの以前からの友人であるHさんが、  「これ、Aさんが描いた漫画も載ってるんだけど、読んでみる?」  と、1冊の冊子を私に貸してくださいました。  その冊子には、日本史上の一時代を駆け抜けた或る有名なグループの面々をモデルに描かれた、愛情溢れる滑稽漫画が満載されていました。  もンのすンごい私好みの滑稽がてんこ盛りで、笑い転げながらあっという間に読み終えたのですが……  何だか、悔しくなってきたのです。  確かに面白いのに、今ひとつよくわからない。此処に登場する人物達の“背景”がわかれば、もっと面白いんだろうに、と。  そう、当時の私は、そのグループに関する知識が殆ど皆無に等しい身でした。持っている知識といえば、せいぜい、グループの代表者とその周辺の何人かの名前、そして、そのグループが時代の趨勢に逆らった反動的な存在だった──という程度の、非常にお粗末なものだったのです。  より楽しく読む為に、最低限、この冊子に出てくる人達のことぐらいは調べておこうか……  そう考えた私は、機会を捉えては大きな書店へ赴き、そのグループに関する歴史資料本を探し、時間の許す範囲で、少しずつ、立ち読みし始めました。  そして、彼らに関する漠然とした知識が積み重なり始めたところへ──  ≪あれ≫が、現われたのです。    土方歳三の肖像写真。  調べてゆく中で手に取った『新選組写真集』という本に、その半身座像写真は収められていました。  今でも、はっきりと覚えています。  一瞥した瞬間、がんと頭を何かで殴られたような衝撃を覚え、脳裡が真っ白になりました。  優に三十秒は、その場に立ち尽くしていたでしょうか。  何という目をした人だろう。  何と穏やかなまなざしの人なのだろう。これが、あの“新選組の鬼副長”だなんて。読みかじってきた数々の文献から漠然と抱きかけていた“土方歳三”のイメージを一旦粉々に打ち砕いて白紙に戻してしまうほど、その衝撃は凄まじいものでした。  無論、今よくよく見れば、口許はきゅっと軽く引き結ばれ、決して穏やかなばかりではない、一本芯の通った表情なのですが、それでも、全体として気負ったところが少しも窺えない表情だなあ、という印象は、今でも変わりません。  そしてもうひとつ、心底意外だったのが、洋装断髪だったこと。  当時の私にはまだ、“新選組は時代の流れに背を向けていた組織”だというイメージがありました。ところが、その“反動組織”の指揮系統を一手に束ねていた筈の人間が、髷も落とし、時流の最先端を行っている証とも言える洋服を着こなして──そう、着て、ではなく、着こなして──ごく自然な姿勢で端座しているのです。他の幕末の人達の洋装写真にありがちな滑稽さもなく、まるで生まれた時から着慣れているかのように、しっくりと洋装が似合っている……これは本当に、驚きでした。  もしかしたら、この人は、時流に逆行したどころか、ある面では恐ろしく進取の精神に富んだ人だったのではあるまいか……?  あの時、あの写真──日野市の佐藤家に伝わる無修正版の半身座像写真(函館市立図書館所蔵の修正版写真に非ず)と出会わなかったら、通り一遍の歴史資料本をさっと眺めただけで、彼のことをわかったような気になって終わっていたかもしれません。あの写真が、私の目から“先入観”という鱗を叩き落とし、本気で彼と向き合うきっかけをくれたわけです。  もっとも、私の目、鱗──これが貼り付いていると相手の真実の姿が見えない──が落ちると同時に、恋のフィルター──用心していないとアバタもエクボに見えがち──が貼り付いてしまった、よーな気も、するのですが(笑)。 ★★★★★  参考URLに当のお写真の載っているページを貼ろうかなと思って探してみたのですが(心臓に悪い作業だった……)、意外に、それ“だけ”を載せている、此処で引用するに適当なサイトが見付からなかったので、断念しました(苦笑)。  修正版写真は、あんまり好きじゃないんだよなあ……不自然な気がして……。  現在とてもお忙しそうな御様子ですのに、長々とお馬鹿な話でmasatoshi-mさんのお目を汚してしまい、申し訳ございませんでした。  私如きのお馬鹿な回答へのコメントは連休明けになっても一向に構いませんので、お仕事を優先なさってくださいね。  それでは、また何処かで。 (……No.186872で?)

masatoshi-m
質問者

お礼

 こんばんは、Tosshie-Toshikoさん。お礼が遅くなり、申し訳ありません。仕事は・・・まだしばらくかかりそうです(ぉぃ)。 >“出だしの約30字集メール”で御質問の主を察して(笑)飛んできて~~  ウ~ン、ひょ、ひょっとして「俺は複雑な人間だなぁ」と思って(思い違いして?)いるのは、わ、私だけ?(汗)・・・。30字程度の文ごときで筆者が分かるなんて、や、やっぱり、私って「単細胞」?(汗汗)・・・ いや現実に私を知る人は「飾り気のない、それでいて深みのある方ですね」って言ってくれるんですが(「誰も知らないと思って、いい加減なこと言ってるでしょう?」って? い、いえ、ホ、ホントに・・・(汗汗汗))(←この汗は社内の暖房の効き過ぎで(汗)・・・) >でもまあ、このような場で自分を飾る必要もないかと~~  えっ!? ・・・ということは今まではいくらかでもご自分を飾っていらっしゃったと・・・。・・・そ、空耳(空目?(ぉぃ)ということで・・・。    新選組副長、土方歳三と若き日の(失礼!)Tosshie-Toshikoさんとの出会いが実に生き生きと、豊かな心理描写をもって描き出されてますねえ。特に次のくだり・・・ >一瞥した瞬間、がんと頭を何かで殴られたような衝撃を覚え、脳裡が真っ白になりました。  優に三十秒は、その場に立ち尽くしていたでしょうか。  何という目をした人だろう。 何と穏やかなまなざしの人なのだろう。これが、あの“新選組の鬼副長”だなんて。読みかじってきた数々の文献から漠然と抱きかけていた“土方歳三”のイメージを一旦粉々に打ち砕いて白紙に戻してしまうほど、その衝撃は凄まじいものでした。    いいですねえ、Tosshie-Toshikoさんの深い衝撃ぶりがよく伝わってきて、そのときのお姿が瞼の裏に浮かんでくるようです。    このような《魂を揺さぶられる》「邂逅」を持てる人ってこの世の中にどのくらいいるのでしょう? その意味では本当にTosshie-Toshikoさんって、幸せな方だと思います。  ときに、このときの写真って例の、土方歳三の写真として世間に流布しているヤツなのでしょうか?(下の方を読む限り、どうも違うような)・・・まぁ、それは取り敢えず置くとしても、私も実は最初に土方歳三の写真を見た時は、その意外な「優男」ぶりに驚いたものです。今手元にありませんので記憶で言うしかありませんが、一番驚いたのは彼の「眼」です。「これが新選組の鬼副長と恐れられた、あの男か」・・・と。あ、これはTosshie-Toshikoさんも書いていらっしゃいますね。でも、多くの人がその意外性に不意を衝かれたような思いになるのではないかと・・・。あまりにイメージが違い過ぎますからね。  その後司馬遼太郎にしばらくはまり込んで(も、もう20年以上昔の話ですが・・・(^_^;))私の新選組のイメージもだいぶ変わりました。勿論Tosshie-Toshikoさんのような専門家から言わせれば司馬遼太郎の描く新選組像、土方歳三像もご不満かもしれませんが、一般人としては充分に楽しめるものでした。 >通り一遍の歴史資料本をさっと眺めただけで、彼のことをわかったような気になって終わっていたかもしれません。あの写真が、私の目から“先入観”という鱗を叩き落とし、本気で彼と向き合うきっかけをくれたわけです。  まさにTosshie-Toshikoさんにとっては魂を根源から震撼させた、衝撃の一葉となったわけですねぇ。いや、それがよく伝わってくる、見事な文章です。 >恋のフィルター──用心していないとアバタもエクボに見えがち──が貼り付いてしまった、よーな気も、するのですが(笑)。  「どれどれ、私が診察して差し上げましょう。はい、よーく歳三さんの写真を見て、息を大きく吸い込んでください。はい、息をとめて。はい、そのまま・・・ ガシャッ。はい、5分ほどお待ち下さいね~。・・・・・・はい、分かりましたよ。結果をご報告致します。「完璧な恋煩い」・・・でした。」  え? 話にオチをつけろ? そ、それは、恋に「オチ」てる(さぶっ!)Tosshie-Toshikoさんの方でご自由におつけくださいませませ。(と、慌てふためいて、逃げ帰る)  え、え~っと、また戻ってきました(汗)。  いやー、実に「感動的な出会い」と「目からウロコ」の話を聞かせていただきました。有難うございました。「お目を汚してしまい」なんて滅相もない。それどころか、私の目の前を一陣の爽やかな風が舞ったような気さえ致しました。こういう「出会い」を持てる人というのは、やはりそう多くはないだろうと思います。そしてその「邂逅」を手にできた人はやはり幸せだろうと思います。と言うより、人はひょっとするとこの種の「巡り会い」を求めて生きているんじゃなかろうかという気さえ致します。  「土方歳三」副長はTosshie-Toshikoさんのライフワークとなるのでしょうか。それともこれから先、再びTosshie-Toshikoさんの胸を恋い焦がせる魅力的な人物が現れてくるのでしょうか。ま、それはともかく、素晴らしい作品の完成を期待しております。(な、何とか作品を私の手元に送り届けてくださらないでしょうか?(汗)・・・) 

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