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マルクスの唯物論について入門書を探しています
ちょっときっかけがあって、むかしむかし学生時代の知識を総動員して、弁証法や唯物論をふまえた発想は意外に生活の役にも立つよ、と若い人に話をしたところ興味をもってくれて、なにかわかりやすい入門書を教えてほしいといわれました。 二昔前なら、直に古典にあたれとか、見田石介を読めとか、レキシコンの方法の巻をを読めとか言えばよかったのでしょうが、さすがにこの時期それは躊躇します。かといって、私のような世代のものが知っているわかりやすい入門書は政治色や労働運動色が強すぎて、これまたアレルギーをひきおこしそうです。 彼が関心をもっているのは、あるシステムの発展の原動力が、発展が進むに従って逆に発展をおしとどめるものになり、最後にはシステムそのものが破壊される、という考え方です。私が若い頃だと、社会発展の段階(原始共産制から資本主義、さらには社会主義に至る)が切り替わる本質的理由を説明するものとしてよく使われましたが、もっと一般的な法則として存在していたと思います。 新書版程度で、こうした考え方を含めたヘーゲルの弁証法やマルクスの唯物論についてアウトラインを説明しているものは、いまどきないでしょうか。ずばりでなくても、こんなものも参考になるのでは、というようなことでもけっこうです。ぜひよろしくお願いします。 なお、ヘーゲルやマルクスの理論そのものが正しいかどうか、あるいは「生活の役に立つ」かどうか自体が当然議論になりうると思いますが、それは今回はとりあえず脇におかせてください。
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実に「解説書」のたぐいこそ党派性が強くて私なら人に奨めるのは躊躇してしまうのですが・・・ とりあえずヘーゲルについては 「新しいヘーゲル」長谷川宏 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061493574/249-7932277-6597123 でしょうか。学者的なひとりよがりのない、大変よい入門書だと思います。 一方マルクスの方は先に書いたような事情で難しいと思います。例えば不破哲三氏が書いたもの、というだけで人によっては読まないかもしれませんね。最近のこの人の研究はなかなか刺激的で面白いのですが。一応挙げておくと、「『資本論』全三部を読む」という大部な、資本論の解説があります。お手軽じゃありませんがそういう「システムの発展に関する理論」という関心から読むなら、資本論そのまま、というのはいきなりは無理でしょうから、こういうものも結構意味があるかもしれません。 でもどうしてもマルクスも、というのならやはり古典、それもレーニンによるものぐらいじゃないでしょうか。「哲学ノート」あたり。 ほかに「マルクスだったらこう考える」とか「ソーホーのマルクス」といったいわゆるソ連崩壊後のマルクス再評価本みたいなのもありますが、哲学を中心とした見方の本じゃないのでご趣旨には合わないかと思います。
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少し古い本ですが、柄谷 行人氏のマルクスその可能性の中心はどうでしょか。マルクスと聞くとなんとなく政治色を感じて敬遠していたのですが、中国からの留学生に紹介されて読んだところこれが凄く面白く刺激的でした。
お礼
中国の留学生が柄谷行人を紹介するというのがおもしろいですね。時代も変わったというところでしょうか。この本自体はおもしろそうなので、私が読んでみようと思います。
補足
回答のお礼を申し上げるのを失念していました。ありがとうございました。
お礼
ありがとうございます。「新しいヘーゲル」は私自身いずれ読みたいと思っていた本なので、さっそく手に入れてみようと思います。 マルクスについての入門書がやはり難しいですね。不破氏のものでも内容がよければいっこうにかまわないのですが・・・ご教示いただいたものから、彼が関心をもちそうなところだけでも読んでもらいましょうか。