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私にとって「この世界が見える」ための条件は?
「私」にとって「この世界が見える」ための条件は何でしょうか? 単純に考えると、「私の肉体」があればこそ、「私」は「この世界が見える」わけですから、条件は「私の肉体がこの世界に(生きて)存在していること」だと思います。 しかし、「私の肉体」とは、何でしょうか? それは、純粋に物質である原子・分子の構成体ということでしょうか? もし、そう考えられるのなら、「私」が死んだ後、未来の科学が、私の肉体を再生することができたら、その時、「私」は再び「この世界が見える」のでしょうか? もし、そうだとすると、それは、私のクローンを作るのと同じことにならないでしょうか? でも、私のクローンは、「私」とどんなに似ていても、結局、他人に過ぎず、「私」は「この世界を見る」ことはできないのではないでしょうか? クローンとオリジナルはDNAが同じであるだけであり、厳密な意味ではオリジナルと異なるはずだから、他人になるのであって、もし、厳密な意味で同じクローンができたら、「この世界が見える」も再現できるでしょうか? でも、それは、明らかに不合理です。何故なら、「私」は2人の自分のどちらかの肉体からしか「この世界が見える」を体験することができないはずだからです(両方の肉体から見えるとすると、世界が2重に見えることになります)。 一方、「私」にとって「この世界が見える」ための条件として、「私の肉体の完全なるコピー」を必要としていないことは、明らかです。それは、子供のころの自分と大人になってからの自分は、肉体的、精神的、また、記憶の上でも、全く異なる存在です。それにもかかわらず、「私」にとってこの世界が見える」ということは一貫して可能だったわけです。 「私」にとって「この世界が見える」ための条件が、「私の肉体の完全なる再生」ではないとしたら、一体何なんでしょうか?
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