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微分演算子の平方について

量子力学においては、演算子(作用素)はスカラーと同等と見なされ、また例えば運動量のx方向成分はPx=h/(2πi)(∂/∂x)で表され、エネルギーの次元にするためPxを2乗すると、{h/(2πi)(∂/∂x)}^2={h^2/(4π^2i^2)}{∂^2/(∂x^2)}=-h^2/(4π^2){∂^2/(∂x^2)}となるようですが、{∂/(∂x)}^2=∂^2/(∂x^2)の変形、つまり1階の微分演算子の2乗が2階の微分演算子になる数学的な根拠が分かる方、説明願えればと思います。または、このような変換に付いて分かりやすく説明された文献などをご存知の方、ご紹介ください。

質問者が選んだベストアンサー

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  • shkwta
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回答No.2

物理量を、波動関数に作用する演算子として表わします。 たとえば、ある物理量[A]を表わす演算子Aが、波動関数ψに作用すると Aψ になります。ここで、ご質問は、[A]の2乗に相当する物理量[B]が、 (Aψ)^2 ではなく、Aを2回作用させた A(Aψ) になるのはなぜか、ということだと思います。 物理量[A]の測定で得られる実際の値aは、 Aψ=aψ という固有値方程式を満たす値となります。ここで、「aの2乗」を値とする物理量[B]を考えますと、これも固有値方程式を満たさなければなりませんので、 Bψ=(a^2)ψ さて、Aψ=aψの両辺にもう一度Aを作用させると A(Aψ)=A(aψ) aは定数ですから、A(aψ)=a(Aψ)、よって A(Aψ)=A(aψ)=a(Aψ)=a(aψ)=(a^2)ψ つまり、B=AA(AAとはAを2回作用させること)とすると、(a^2)はBの固有値になります。

gage
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。今すぐに理解ができそうにないと思いますので、今から検討させてもらいたいと思います。計算技法ではなく、本質的に重要なことだと思っていたので、もし理解できればすごく嬉しいです。

gage
質問者

補足

実際、x方向の運動量を-i(hbar)∂/∂xと考えることに抵抗があったもののエーレンフェストの定理で運動量のx成分の期待値として∫Ψ*(-i(hbar)∂/∂x)Ψdrを考えることで∂/∂xが運動量という実体に結びつくこと、そして波動関数をexpの指数関数と考えることで微分した後も元の関数が残り、演算子から固有値が生じることが分かりました。また、考えていた問題がナブラの内積をラプラシアンとして受入れられるかだと気付き、結局この数学的証明は分からないのですが、KENZOUさんへの返答に書いたような理由で、上記が正しいのではないかと思えるようになりました。shkwtaさんの量子力学的な証明は、自分の知識からは思いつかないものであり、まだ十分には理解できないのですが、大変勉強になりました。有難うございました。

その他の回答 (2)

  • KENZOU
  • ベストアンサー率54% (241/444)
回答No.3

>運動量のx成分をa(∂/∂x)(aは係数)と考えた時に、エネルギーの次元(mv^2/2なので、運動量の次元を平方することになる)にする時に∂/∂xを通常の数(スカラー)のように2乗するのです(量子力学で)。つまり微分演算子を2回作用させるのではなく、あたかも通常の数のように2乗しているのです。これが2階の微分演算子と等価なのかが分からないのです。 外場のない1次元自由粒子の運動を考えます。まず古典力学で・・・この粒子の運動エネルギーを運動量の表記で示すと、質量m、運動量をPxとしてPx^2/(2m)となりますね(Px=mv)。次に量子力学に移ると・・・量子力学では運動量は演算子Px=h/(2πi)(∂/∂x)で表されることはご承知の通りです。粒子の運動エネルギー(エネルギー演算子ハミルトニアンH)は、古典力学の運動量を運動量演算子で置き換えればよいから  H=(1/2m)Px^2   =1/(2m)PxPx   =(1/2m){h/(2πi)(∂/∂x)}{h/(2πi)(∂/∂x)}   =(1/2m)(h/(2πi))^2(∂/∂x)(∂/∂x)   =-hbar^2/(2m)(∂/∂x)^2   =-hbar^2/(2m)(∂^2/∂x^2) でどうでしょうか。

gage
質問者

お礼

会社が休みだったため、返事が遅れてすみません。今仕事中なので、回答内容を検討することができません。とりあえず、お礼申し上げます。家に帰ってから、ハミルトニアン等もう一度考えて見ます(波動方程式と実体の感覚が良く理解できていないので)。それからご回答下さった3名の方、ありがとうございました。自分の力不足で、まだ回答内容をよく理解することができませんが、少し検討した後またご返事したいと思います。

gage
質問者

補足

返事が遅くなってすみません。古典的ハミルトニアンと波動方程式のハミルトニアンの形が全く同じになるように変形するために2階の演算子-(hbar)^2(∂^2Ψ/∂x^2)を(-i(hbar)∂/∂x)^2にせざるを得なかったのではないかと思われます。こうすると(-i(hbar)∇)^2=Px^2と置く事でPx^2/(2m)が古典的ハミルトニアン中の運動エネルギーと全く同じ形になり、-(hbar)^2(∂^2Ψ/∂x^2)=(-(hbar)∂/∂x)(-(hbar)∂/∂x)Ψ、つまり∂^2/(∂x^2)=(∂/∂x)^2と考えられるのではないでしょうか。波動方程式は水素原子の電子エネルギーの量子条件などを説明できるので上の等式は妥当と解釈できるような気がします。また、微分演算子はスカラーと同等と考えざるを得ないような気がします。有難うございました。

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.1

「演算子の 2乗」って, 単に同じ演算を 2回続けて行うって意味でしょ?

gage
質問者

お礼

ナブラの2乗をラプラシアンとして抵抗なく受入れていたのですが、ナブラの2乗の計算に際しては、通常、スカラーを成分に持つベクトル同士の内積と同じように抵抗なくナブラの内積(微分演算子を成分に持つベクトル同士の内積)を計算していたことと同等の問題だと気付きました。運動量というベクトルを2乗する、つまり内積を求めることで2階の微分演算子が生じ(演算子をスカラーと同等と考えて計算)、演算子の形式的2乗を2階の微分演算子として仮に置換えるとKENZOUさんへの返答に書いたような理由で自然現象と合致するということが分かりました。ただ、その数学的証明は今でも理解できていません。3名の方が回答してくれて、この問題をじっくり考えてみることができ、今かなり満足できるぐらいに納得できるようになりました。有難うございました。

gage
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。少し説明が足りなかったと思いますので、補足致します。 1階の微分演算子∂/∂xにもう1回、∂/∂xを作用させると2階の微分演算子(∂/∂x)(∂/∂x)=∂^2/∂x^2になることは分かっていますし、このライプニッツの微分記号にも矛盾点はないことも理解できます(つまり、形式的には何もおかしくはないように見えます)。従って、記号的にも(∂/∂x)^2=∂^2/∂x^2は納得いくのですが、運動量のx成分をa(∂/∂x)(aは係数)と考えた時に、エネルギーの次元(mv^2/2なので、運動量の次元を平方することになる)にする時に∂/∂xを通常の数(スカラー)のように2乗するのです(量子力学で)。つまり微分演算子を2回作用させるのではなく、あたかも通常の数のように2乗しているのです。これが2階の微分演算子と等価なのかが分からないのです。

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