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財投不良債権化の原因

Ganymedeの回答

  • Ganymede
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回答No.1

「間違いがあったら指摘願います」とのことなので、私なりに挙げてみました。お時間があったらご一読くださると幸いです……。 (1)「財投不良債権化」には単一の原因しかないようなkirara18 さんの書き出しは、冒頭から文章の信用力を失わせていると思います。そもそも、財投の財源は郵貯だけではありません。もし、「短い文章でもあるし、郵貯関連だけ論じたい」というのであれば、「郵貯絡みの原因としては、次のようなものが考えられる」という風な書き出しにすべきでは? 金の入り口として郵貯しか出て来ず、締め括りも「以上が財投不良債権化のいきさつと記憶しています」と、独りよがりが過ぎるように感じます。まあ、作文教室ではありませんが、「以上が財投不良債権化の『一つの』いきさつ『でもある』と記憶しています」という具合に書くのが、大人の文章の書き方ではないでしょうか? 確認のためお聞きしますが、厚生年金・国民年金は財投の財源ではないのですか? 年金の所管は郵政省ですか? (2)「郵政省が限度額を引き上げたから、郵貯に金が集まりすぎ、その運用に困った大蔵省が『怪しげな特殊法人』に貸さざるを得ず、不良債権化した」という御説は、的を射たものとは思われません。 > 9.結果財投がどんどん膨れ上がり運用先も怪しげな特殊法人に > ならざるを得なくなった。 「怪しげな特殊法人」だったから不良債権化したというより、由緒正しい公的事業に注ぎ込んだお金も、軒並み不良債権化しているではありませんか。kirara18 さんは、今大騒ぎになっている道路公団をご存知ないわけではないと思います。財投のお金が兆単位で流れ込んでおり、経営破綻しています。金額的には、「怪しげな特殊法人」の不良債権より、もともとは怪しげではなかった老舗どころの不良債権の方が、はるかに大きくなっているのです。つまり、不良債権化の原因を次の2カ所のみに求める論法は、当を失しています。 ・金の入り口の一部である郵政省の郵貯 ・金の出口の一部である「怪しげな特殊法人」(kirara18 さんによれば、限度額一千万時代に膨れ上がった後の、新たな融資先) また、財政投融資計画を立てるには、予算編成に合わせて各省庁から(旧)大蔵省に要求が出されました。各省庁の縄張り争いによる、予算の分捕り合戦と同様であり、財投が「第二の予算」と呼ばれる所以の一つでもあります。大蔵省が、勝手にテキトーに融資先を決めたのではありません。また、財投計画は毎年度作成され、国会の議決を受けています。 確認のためお聞きしますが、財投資金を求めて毎年度要求を出した各省庁、そして(旧)大蔵省、国会に、財投不良債権化の責任はないのですか? (3)郵貯は、名寄せを進めています。従って、次は間違いです。 > 8. (中略) “名寄せ”を行わないので実質限度なしになっている。 これは、「実質限度なしと噂された時代もあった」、あるいは「実質限度なしになってい『た』」とでも書くべきでしょう。文末の処理が粗雑なために、事実に反する記述になっています。ただし、現在でも100%名寄せができているわけではありません。 なお、「郵便局には税務署の調査が入らない」と今でも信じている人がいるようですが、時代遅れの認識と思います。私は数年前、ある小さな郵便局で、調査に入った税務署員が、局員にあれこれ書類を出させてトッチメテいる修羅場を目撃しました。いくら局舎が狭いからって、客から見える所でするなよ……。名寄せは、課税のためにも推進されています。 (4)さて、kirara18 さんの批判をするだけでは建設的でないので、私も財投不良債権化の原因と感じるものを述べてみます。それは一言でいって、「どんぶり勘定」ということです。 ここでいう「どんぶり」は、食器のどんぶりというより、昔の遊び人が持ち歩いた大きな袋や、職人が(カンガルーみたいに)腹掛けに付けた物入れのことです。そこに金を入れて、無造作に出し入れして使ったことから来ている言葉だそうです。 これを財投に当てはめていうと、旧大蔵省資金運用部などが一括して取り仕切るという仕組みが、「どんぶり」だったと思います。すなわち、郵貯・簡保・年金その他で集められた金が、大蔵省資金運用部に預託され、同部があちこちの公的事業・公的機関などに投融資するという仕組みです。 改革の道筋は、これを解体し、公共事業・公的機関が個別に資金を集める仕組みにすることでしょう。すなわち、ダムや高速道路などを作るたびに、あるいは公的団体それぞれが、個別に公債を発行し資金を調達して事業を営むのです。大雑把にいうと、米国で行っている方式です。 米国には、日本の財政投融資のような一括型公的金融はなく、個別の公債が種類豊富にあり、(米国にとっての)諸外国からも巨額の資金を集めています。それらは公的な債券といっても、リスクの度合いもバラバラなので、信用度の格付けの必要があります。古くからそれを担って発展してきたのが、ムーディーズなどの格付け会社です(のちには私企業の格付けも)。 少し昔のニュースで、日本の国債が米国の格付け会社から格付けの等級を落とされて、日本政府高官などが反発したことがありました。「格付け会社といっても、米国の一民間企業に過ぎまい。それが我が国の国債を格付けするとは、僭越だ」とでも言いたそうでしたが、もともと米国の格付け会社は、多種多様な国債・公債を格付けしてきたのであり、その歴史に比べれば、むしろ日本の赤字国債の方が新入りなのです。 以上、問題の原因は旧大蔵省資金運用部による一括方式であり、解決の道筋は個別に公債を発行して資金を集める方式で、責任の所在を個々にガラス張りにすることだろうと思います。 参照・引用した本:『国語大辞典』(小学館)、『世界大百科事典』(平凡社)

kirara18
質問者

お礼

ありがとうございました。表題を「財投不良債権化の一原因」とでもすべきでしたね。 もともと財投不良債権化の原因に真正面から取り組むというより、あまり語られていない70年代(80年代?)の郵政省の野放図のやり方を紹介するのが意図でした。表題のミス、表現の稚劣等で伝わらなかったのが残念です。

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