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物質同士はどうして混ざらない? 他
starfloraの回答
物質は、一般的に、固体・液体・気体の三つの形態を取って存在しているとされます。他に、プラズマがあるという話もありますが、ここでは、固体・液体・気体だけを考えます。 これらは、種類の異なる(または単一種類の)原子から構成されており、原子が組み合わさって分子となり、分子が集まって、この物質の三つの形態を構成しています、そこで、固体、液体、気体とは、それぞれ、どういうものか、どう異なっているのかということです。 まず「固体」とは、固体物質を構成する原子が、電気の力(クーロン力)により、互いに引き合う力と斥力によって、立体的・三次元的に、ある配置構造を築いているものです。複数の原子が力によって互いを束縛し、位置固定して、立体的な配置構造が一定の形であるように維持しています。この立体配置構造の要素である原子は、基本的に配置構造の決まった位置から勝手に移動できません。このようにして、原子の立体構造が分子を構成し、分子が更に、立体配置構造を築いて、物体内の分子も原子も、決められた配置位置から勝手に動けないようになっています。これが「固体」です。 固体は、その構成原子・分子は、上で述べたように、決められた立体位置から動けないようになっていますが、二種類の運動は可能です。一つは、あくまで決められた位置にありつつも、「振動運動」を行うことで、この振動運動が激しいほど、固体の「温度」は高いということになります。もう一つの運動は、固体物体に対し、外力が加えられた時、クーロン力と、外力の作用力が均衡して、立体構造が、全体ととして「歪む」という運動です。外力とクーロン力が均衡しているあいだはよいのですが、外力が大きくなりすぎると、クーロン力は、固体の立体配置構造を維持できなくなり、この時、巨視的レベルでは、例えば、固体の棒が、外力よってたわみ、ぎりぎりの処で遂に、折れる・破断するという現象に対応します。 これが固体で、立体的構造によって、立体的に原子や分子が形を維持しています。それに対し、「液体」というのは、固体が持っていた立体構造が崩れ、原子や分子が、勝手に運動するようになった物質の状態ですが、液体の原子・分子のあいだには、まだクーロン力が強く働いており、立体構造は崩れていますが、近接する原子・分子は、互いにクーロン力で結合されています。これは互いに「引き合う力」としても現れ、表面張力とは、このクーロン力の牽引力の総合に他ありません。液体は、立体構造はないものの、構成する原子等は互いにくっついており、液体は、自由に形を変えることができるが、「粘性」が出てきます。粘性とは、原子などが互いに引き合っている力に他ありません。 最後に「気体」は、液体の立体構造の喪失に加えて、分子のあいだの結合もなくなった状態で、ばらならな原子・分子が、思い思いの勝手な方向に運動しているものです。普通、分子等は非常な高速で飛び回っており、弾性衝突を繰り返しています。この分子の運動速度が、「圧力」となり、また振動運動が「熱」として現象します。 さて以上に、物質の三つの状態を説明したのですが、問いの1)である、何故「固体」は、混ざらないのに、「液体」は混ざるのかの答えは、固体は、強固な立体構造を備えているので、固体同士では、その分子や原子を通り抜けて、相手のなかに入り込むことが、互いにできないということが混ざらない理由です。しかし、ある種の立体構造の固体や、特定の成分の固体は、少しづつ力を加えて、互いの立体構造を押しつけ合うと、互いの構成分子が、立体構造のなかに入り込み、新しい立体構造を造るということがあります。例えば、ろうなどは、非晶質と言い、結晶構造を持っていないので、ろう同士をくっつけあい、長い時間をかけると、互いの内部に入り込み合います(固体は、一般にすべて「結晶」で構成されています。生物の細胞も、「有機結晶」とも言えるものです。例外は、「非晶質」と呼ばれる物質で、これは、固体ですが結晶ではなく、結晶構造が、液体的に流れて崩れつつも、なお結晶の規則立体構造を保持している物質です。ガラスなどが、これに当たります。「結晶」とは、追記すれば、原子・分子の立体構造配置が、規則正しいもので、基本的な単位の分子の立体構造が、規則的に繰り返して、全体として固体となっているものです。自然界には、純粋な結晶は珍しく、不純物が、立体構造に、これも或る程度規則的に入り込んだ構造をしています)。 「液体」は、互いに引き合い結びついていますが、立体的に形態が決まっていないので、二つの液体を接触させると、構成分子の隙間に互いの分子が入り込み、新しいクーロン力の結合による混合液体となります。これが、液体が混ざり合うということです。 問いの2)は、本が液体に「濡れる」ということですが、これは、紙の本を構成しているのは、ぎっしりと立体構造を取った結晶ではなく、結晶と言える木の繊維の集合であり、繊維のあいだには、かなり隙間があります。液体=水は、この隙間に入り込むのです。これが、本などが「濡れる・浸潤する」という現象です。 3)のアイスクリームや絵の具などは、エマルジョンと呼ばれるもので、ゾルとかゲルとか、状態が変化しますが、エマルジョン状態の場合、これは、固体の微細な粒子=コロイドが、液体のなかに緊密に均等に含まれている状態で、微細粒子の原子と、液体の原子のあいだに、クーロン力がやはり働いています。液体の量を減らせば、クーロン力が大きくなり、粘性が非常に高くなり、溶けかけた非晶質に似た状態になりますが、液体の量が非常に多いと、粘性の少し高い液体というような状態になります。 以上が、おおまかな説明です。
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