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「透明」とはどういうことか教えてください

 光について興味を持っているものです。固体や液体中の光の伝わり方などを2つ教えてください。 1 光の伝わり方   光は、ガラスや水中など、透明な液体や固体の中ではどのように伝わっていくのでしょうか。学校で習う「電磁界」の繰り返しでは伝わらないような気がします。   真空中と異なり、電磁波ではなく、光子が大きく作用しているのでしょうか。 2 固体や液体が透明である条件とは、固体や液体がどのような状態を言うのでしょうか。  1項と関係しますが、「電磁界」の繰り返しで光が伝わるのであれば、例えば水に青の絵の具を混ぜると、透明でなくなり、青くなってくるのは、どうしてでしょうか。絵の具の分子や粒子が電磁界の生成を妨げているのでしょうか。  また、8面体構造のダイヤモンドが透明で、六方晶系・六角板状結晶の黒鉛は、透明でないのは、なぜなのでしょうか。黒鉛は電気を通すため「電磁界」が生成できないからでしょうか。  でも、電気を通す(完全な導体ではありませんが)水溶液中も光は通過すると思っているのですが。  基本的なことなのか難しいことなのかも判らない、漠然とした質問ですが、よろしくお願いします。  

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  • gontarohk
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回答No.4

物質が光を吸収するのは、物質のなかの電子が光を吸収するときです。波長がλの光の光子はhc/λのエネルギーを持っています。(hはプランク定数、cは光速です。) 電子がこの光子のエネルギーをもらって、低いエネルギーの状態(基底状態といいます)から高いエネルギーの状態(励起状態といいます)へジャンプするときに光の吸収が起こります。吸収が起こるかどうかは、このジャンプが可能かどうかによって決まります。 物質中の電子はどんなエネルギーでも持てるわけではなく、飛び飛びのエネルギーしか持てなかったり、ある範囲内のエネルギーしか持てなかったりします。(もう少し詳しく言うと、固体中の電子はバンドを作り、バンドとバンドの間のエネルギーをもつことができません。) したがって、hc/λのエネルギーの光子が入って来たとき、電子が基底状態よりもhc/λだけ高いエネルギーを持つことが許されていれば光の吸収が起こり、許されていなければ光の吸収は起こりません。光の吸収は起こらなければ、この物質は透明になります。 ダイヤモンドが透明なのは、電子が持つことが許されていないエネルギーの範囲が非常に広いためです。目に見える波長の光では光子のエネルギーでは小さすぎて、ダイヤモンドの中の電子が持つことができる励起状態のエネルギーまでジャンプさせることができないのです。一方、黒鉛では基底状態の電子のすぐ上にも、電子が持つことのできるエネルギーの状態がありますので、光を吸収します。同じ炭素からできた物質でも、原子の並び方によって、電子がもつことができるエネルギーが大きく変わっているのです。 マックスウエル方程式では、屈折率(または誘電率)を複素数にすることによって、吸収を表します。

space-alien
質問者

補足

 回答ありがとうございます。  『物質中の電子はどんなエネルギーでも持てるわけではなく、飛び飛びのエネルギーしか持てなかったり、ある範囲内のエネルギーしか持てなかったりします。(もう少し詳しく言うと、固体中の電子はバンドを作り、バンドとバンドの間のエネルギーをもつことができません。)』は、僕のレベルでは、原子内で電子の持つ軌道のエネルギー準位の違いのことを言っているぐらいしか僕の知識で判りません。  この理解でよいのでしょうか。もし妥当であれば、同じ炭素原子(電子の持つ軌道は同じ)なので違いが良く僕には判りません。  僕の知識を中心にして、大変失礼なことを言っているとは思いますが、この勘違いを是正してもらえないでしょか。  

その他の回答 (6)

  • bandgap
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回答No.7

#6 の者です. ごめんなさい.間違えました.エネルギー差は大きくならずに小さくなります. 本当は縦に描きたいのですが,イメージはこんな感じです. 原子 1 個      |        |      s        p 原子 2 個  s 軌道も p 軌道も 2 個にスプリット     |  |      |  | 原子 3 個  s 軌道も p 軌道も 3 個にスプリット     | | |      | | | 原子 9 個    |||||||||    ||||||||| だんだん,s 軌道の最上位のエネルギー準位と,p 軌道の最下位のエネルギー準位との間隔が小さくなるのが分かりますか? しかし原子が無限個あったとしても,この間隔はゼロにはなりません.原子が無限個周期的に並んでいるときの,s 軌道 (価電子帯と呼んでいます) の最上位の準位と,p 軌道 (伝導帯,と呼んでいます) の最下位の準位とのエネルギー間隔は,ゼロにはなりません. この図も,参考になるかもしれません. http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k0dennsikotai/51d47gennri2.htm

space-alien
質問者

補足

 何度も回答ありがとうございます。  皆さんにたくさん教えていただいたので、調べる内容も具体化してきたので、自分で調べる努力をまた始めます。

  • bandgap
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回答No.6

マクスウェル方程式は原則として,どんな媒質でも成り立ちます.たまに例外がありますが,そんな場合は量子化したマクスウェル方程式を使います. さて,#5 に補足してみましょうか. http://www.frad.t.u-tokyo.ac.jp/~miyoshi/InCh2000/sect6.html の一番上にある図を見て下さい.φA,φB と書いてあるのが,水素原子一個が単独で存在している場合の,あるエネルギー準位です. ちなみに水素原子一個のエネルギー準位は,高校物理の教科書で習うはずだと思います. 水素原子 A と水素原子 B がくっついて水素分子になると,その図の中央にある ψ+ と ψ- のように,エネルギー準位の差が広がりますよね. 気体の水素分子の場合は,結合の手の都合上 2 個までが限度です.しかし炭素原子の場合は,個数に制限なくつながることができます. 原子単独のエネルギー準位は,原子 2 個だと,元のエネルギー準位が 2 準位に分裂してエネルギー差が大きくなります.原子 3 個だと元のエネルギー準位が 3 準位に分裂して,エネルギー差がもっと大きくなります. ただしエネルギー差が大きくなっていくのは,原則として原子が周期的に並んでいる場合だけです.このときにできるエネルギー差を,バンドギャップと呼んでいます. 分かりにくいかもしれませんね.少しでもイメージがつかめると良いのですが.

space-alien
質問者

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 親切な回答ありがとうございます。  このレベルになると、部分的には理解できますが「ウウーー」僕の知識では理解困難です。  でも、おかげで少しずつイメージできるようになってきました。

  • gontarohk
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回答No.5

#4です。 >僕のレベルでは、原子内で電子の持つ軌道のエネルギー準位の違いのことを言っているぐらいしか僕の知識で判りません。 固体による光吸収を考える際には、原子のエネルギー準位だけでは不十分です。原子のエネルギー準位は電子が1個の原子の中に閉じ込められている時に成り立つものです。固体中では、共有結合の言葉が示す通り、電子は多くの原子に共有されていて、固体全体に(または多くの原子にわたって)拡がっています。このようなとき、電子の状態は孤立した原子とは当然大きく異なっています。多くの原子にわたって拡がった電子は、原子の空間的な配列を反映した電子状態を作ります。 これらのことは、固体物理の基本的事項ですので、入門的な教科を読んでみることをお薦めします。

space-alien
質問者

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 良く理解もしていなくて書いた僕の補足に対しての回答ありがとうございます。  炭素原子にこだわっているわけではありませんが、共有結合の結果、ダイアは、自由電子が少なく(絶縁体)、黒鉛は自由電子が多い(導体)ことも、光の固体内の中の伝わり方(光エネルギー吸収の程度)に関係しているのでしょうか。

  • bandgap
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回答No.3

ところで #2 で書き忘れたのですが 1. 光の伝播方法  水も空気もガラスも,伝播を支配する方程式はマクスウェル方程式であって,伝播方法も同じです.ただ媒質によって散乱の度合いが変わってくるので,そこで伝播に差が生じます. 2. 透明について  例えば青色の絵の具は,赤と緑の光を吸収します.つまり赤と緑の波長帯域の電磁界の消衰係数が大きいわけです.電磁界の生成が妨げられている,という表現が適切かどうかは分かりませんが,吸収が大きいということです.  またダイヤモンドは 3 次元方向に周期的に原子が配列されているため,バンドギャップという,光を吸収しない波長帯域を持っています.この波長帯域が,ダイヤモンドの場合は可視光で,C の一段下の Si の場合は近赤外に相当します.これについては半導体工学などを勉強して下さい.  一方黒鉛は,2 次元方向に周期的ですが残る 1 次元方向にはランダムなので,バンドギャップが存在せず,原則的に全波長帯域を良く吸収します.

space-alien
質問者

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 追加の回答本当にありがとうございます。    ただ、電気を通す物の中の光の伝播の考え方で「マクスウェル方程式」(この方程式を僕は理解できもしないで言っているのは失礼ですが)が成り立つのか。疑問に思っています。  No.4さんの回答と一緒に読ませてもらいました。この方との回答に共通していて、教えていただいた「ダイアはバンドギャップという,光を吸収しない波長帯域を持っています。」「黒鉛はバンドギャップが存在せず,原則的に全波長帯域を良く吸収します.」と書かれていましたので、自分なりに調べてみたいと思います。  今まで、何を調べたらいいかも判らなかったのですが、調べる対象が見つかったので本当に感謝しています。

  • bandgap
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回答No.2

#1 の方が詳しく説明なさっているので,補足程度にとどめますが,透明とはズバリ,光を吸収しないこと,です. どれほど透明かは物体の材質によって決まるので,消衰係数が小さくなる条件とはズバリ,媒質を変えること,です. ただし消衰係数が温度依存性なんかを持つような場合には,温度を変えるなんていうのも有効かと思いますが.

space-alien
質問者

補足

回答ありがとうございます。  疑問の趣旨は、固体や液体中の光の伝播方法です。  光を吸収するしないの違いが、結晶構造や分子、原子レベルで決まるのかどうかが、僕には判りません。  ダイヤモンドも黒鉛も炭素でできた結晶なのになぜ片方は透明で、片方は真っ黒なのか、どのような違いで決定するのかが僕にはよく判りません。  漠然としていますが、教えてください。

回答No.1

全ての物質の光学的性質は、n(屈折率)とk(消衰係数)で表現されます。で、nとkは波長依存性があり、物質によって異なります。で、一般に言う「透明である物体」というのは、たまたまkが可視光の波長領域で小さいということです。 どうしたら透明になるのか・・・それは難しい話で、その物質の原子の配列の関係からマクスウェルの電磁界方程式を解いたときに、たまたま可視波長領域でkが小さくなるような場合・・・くらいなものでしょう。 物質の数だけ無数に存在する方程式の中で、たまたまある領域がゼロに近いものを「透明」と呼んでいる・・・そんなイメージにすぎません。 また、nやkが可視光の波長領域で傾斜(依存性)を持つ場合に、人間の目には「色」として見えてくるわけですね。 黒鉛が不透明なのは、あくまで可視光の波長領域でkが大きいということであって、物体内部で全ての電磁界を遮断しているというわけではないです。 直感的な説明ですので正確さを欠いているかもしれませんが、興味があるようでしたら電磁気学関係の書物を読まれてみることをお勧めします。

space-alien
質問者

補足

 回答ありがとうございます。  「マクスウェルの電磁界方程式」は、偏微分方程式の組み合わせで、僕には歯が立ちませんでした。特に真空中でない場合の「解」の説明も一応は読んだこと(読もうと努力したこと といった方が正解かも)がありますが、「さっぱり?」でした。  今、何とか波動方程式を本を見ながら、かんがえ方を理解しようと努力しているところです。  こんな僕でも、もし説明を聞いて判るようであれば「k(消衰係数)」が小さくなる「マクスウェルの電磁界方程式」の条件を教えてください。

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