和菓子屋の洋菓子は良いが洋菓子屋の和菓子は不味い?
世の中、本来和菓子屋さんであるお菓子屋さんが、和菓子と並行して洋菓子のケーキなどを製造・販売していたり、その反対に本来洋菓子屋であるお菓子屋さんが洋菓子の製造を続けながら和菓子の団子やまんじゅうなどを製造・販売している事例がけっこうたくさんあるようです。
そういった、いわば”二刀流”のお店のお菓子を購入し食べたことが私には何度もあるのですが、どういうわけか、本態が和菓子製造である店の作る洋菓子はそこそこおいしく食べることができる(それどころかすこぶる美味しいことだってあります)のに対して、もともとが洋菓子製造である店が作っている和菓子の味は、ぱっとしないというか、いまいちおいしいとは感じられません。
もちろんいずれの業態でも例外はあります。全体的な傾向としての話です。
例を挙げれば、私の地元にはおいしいケーキ屋さん(つまり洋菓子屋さん)があります。全国の物産展にその店のケーキが出品されるような有名店であり、名前を挙げれば知っているかたもいるかもしれません。
その店は季節になると桜餅(道明寺系)や水ようかんなども作るのですが、なんと表現すべきか、ただ香りが付いていて甘いだけでコクが無いというか、そんな感じです。
その店では饅頭も作っているのですが、こちらはわりと美味しくいただけます。だからすべての和菓子が不味いわけではありません。もちろんケーキをはじめとする洋菓子は美味しいです。
いっぽう、もともと和菓子屋であったお店がケーキやシュークリームも作るようになって、実態が洋菓子屋になってしまったお店も私の地元にはあるのですが、このお店の作る和菓子はきちんと風味やコクがあっておいしいのです。そしてケーキやシュークリームといった洋菓子類もおいしく食べられます。
また、とある洋菓子店でいちどだけ和菓子を買ったことがあるのですが(その店は店名が和風だったので、きっともともと和菓子屋だったのだろうと判断しましたがそれが間違いだったようです)、ただ甘いだけの風味もコクもないあんこだったので、それ以来その店では二度と買っていません。
ここでは3店舗のみを引き合いに出しましたが、もちろんこれ以外にも私の行く菓子店で和菓子・洋菓子の両方を製造しているところはいくつもあり、それらのほぼすべてでタイトルに記したような傾向が成り立っています。ですから「たまたまその洋菓子店での和菓子がぱっとしないのだろう」という考えは、私には受け入れにくいものとなっています。
これは私の個人的な感じ方なのでしょうか。あるいは、たまたま私の訪れて買い物をする店がそういう店ばかりなのでしょうか。
あるいは日本全国の全体的な傾向として、「和菓子屋さんで洋菓子を作っているような店ではわりとおいしい洋菓子を作ってくれるが、洋菓子屋さんで和菓子を作っているところの和菓子はたいしておいしくない」という事象は成り立つのでしょうか。成り立つのであれば、その理由は何なんでしょうか。
なお、「店」と書きましたが、ここでは大手メーカーではなく、おもに個人経営のお店や、地域に数店舗を展開している程度の中小メーカーを想定しています。
ちなみに私自身は和菓子も洋菓子も中華菓子も大好きですし、簡単なケーキやおはぎを自前で作るくらいのことはしています。