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寄付金の高価買入の仕訳と二重課税の原因について教えてください
- 寄付金の高価買入についての仕訳とその影響について教えてください。
- 資産の売却時の仕訳について、親会社が売却した時の金額ごとに教えてください。
- 二重課税の原因とその仕訳について教えてください。
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こんばんは。 (1)について(資産を仮に土地とします)。 会社の経理仕訳は取引金額どおり 土 地 10億 / 現 預 金 10億 とするでしょう。一方、法人税の取扱では高額で買い入れた資産の 取得価額は、その支払金額のうち贈与(寄付)と認められる部分の 金額を控除した額とされています。そのため、税務上はこの取引は 土 地 3億 / 現 預 金 10億 寄 付 金 7億 / として扱われますので、会社経理上と税務上の調整仕訳として 寄 付 金 7億 / 土 地 7億 という処理が税務上必要になります。これを別表に記載します。 この調整仕訳は土地の取得価額を減額するためのものですので、 別表四の減算欄に「寄付金認定損」のように書いて総額及び留保に 7億円、別表五(一)に「土地」と書いて増欄に△7億円をそれぞれ 記載します。また、この7億円は子会社に対する贈与ですから、 寄付金とされた7億円のうち別表十四で計算された損金不算入額を、 別表四の(23)「寄付金の損金不算入額」に記載することになります。 二重課税排除のための処理、という訳ではありません。 (2)について(時価は3億円のままとします)。 (A) (1)の土地を2億円で売却した場合 会社経理上は 現 預 金 2億 / 土 地 10億 土地売却損 8億 / と処理されます。しかし、この土地の税務上の帳簿価額は3億円 ですから、売却損は1億円ということになり、しかもこの1億円は 時価以下での売却(低額譲渡)により生じたものですから、売却先 に対する贈与として扱われます。従いまして、税務上は 現 預 金 2億 / 土 地 3億 寄 付 金 1億 / となりますので、会社経理上と税務上の調整仕訳として 土 地 7億 / 土地売却損 7億 寄 付 金 1億 / 土地売却損 1億 という仕訳が税務上必要になります。これを別表に記載します。 別表四には加算欄に「土地売却損否認」として総額及び留保に 7億円、別表五(一)の「土地」の減欄に△7億円をそれぞれ記載 します(これで(1)の処理で記載された別表五(一)の「土地」が 消えることになります)。残りの売却損1億円については寄付金と なりますので、1億円のうち別表十四で計算された損金不算入額が 別表四の(23)に記載されます。 (B) (1)の土地を5億円で売却した場合(考え方は上記と同じ) 会社経理上の仕訳 現 預 金 5億 / 土 地 10億 土地売却損 5億 税務上の仕訳 現 預 金 5億 / 土 地 3億 / 土地売却益 2億 調整仕訳 土 地 7億 / 土地売却損 5億 / 土地売却益 2億 別表四…加算欄に「土地売却損否認」、総額・留保に5億円 〃 …加算欄に「土地売却益計上漏れ」、総額・留保に2億円 別表五(一)…「土地」の減欄に△7億円 (C) (1)の土地を13億円で売却したとき 会社経理上の仕訳 現 預 金 13億 / 土 地 10億 / 土地売却益 3億 税務上の仕訳 現 預 金 13億 / 土 地 3億 / 土地売却益 10億 調整仕訳 土 地 7億 / 土地売却益 7億 別表四…加算欄に「土地売却益計上漏れ」、総額・留保に7億円 別表五(一)…「土地」の減欄に△7億円 なお、(B)と(C)の土地売却益は時価を超える金額での売却の結果 生じたものですからその実体は受贈益ということになります。
お礼
本当に本当にありがとうございます。すごくよくわかりました。親切にしていただいてありがとうございます。 なるほどとおもいました。 また何かあればご相談にのっていただけますでしょうか。ありがとうございました。