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民法というか常識というか

gootarohの回答

  • gootaroh
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回答No.9

>4月1日(日曜)に生まれた太郎は、同年4月2日(月曜)に生まれた花子より一年早く小学校に入学する ・いわゆる「早生まれ」の話ですね。「早生まれ」とは、同じ年生まれの者の中で1年早い学年に組み込まれる者のことで、具体的には、1月1日から4月1日までの間に誕生日がある者をいいます。学年は4月1日から翌年3月31日までなのに、どうして4月1日生まれの者が早生まれに含まれるのか?というご質問ですよね。ごもっともな疑問だと思います。 理由は単に「学校教育法の規定がそうなっているから」です。「年を取るのは誕生日の前日」ということは直接関係ありません。ただ、理解するために必要な「予備知識」ではありますので、まずこの部分からご説明します。 年齢計算は「期間計算」の一種ですから、まずは「期間計算」の考え方をご説明します。期間計算には、①満了は起算日応当日の前日である、②初日ではなく翌日を起算日とする、という二つの原則があるのです。 ①について、「満了」の字義は「満ちて終了」です。つまり期間中の全時間、それこそ1年間の最後の日の全24時間まで経過して(満ちて)、初めて「満了」です。この「最後の日」とは、起算日応当日からみると「前日」ですよね。 ②について、「何かあった日」は、それが午前0時から始まるものでない限り、丸一日分を取れませんので、原則として初日は省いて翌日を起算日とするのです。 つまり、「翌日」起算の「前日」満了ということで、結果的に「何かあった日」と同月同日に1年間が満了するのです。結婚記念日も創立記念日も基本的にこうした考え方で、記念日当日にお祝いするわけです。 ところが、年齢計算に限っては、②について初日(つまり生まれたその日)を起算日としています(年齢計算ニ関スル法律)。これは、原則どおり翌日を起算日とした場合、生まれたその日は「人」として扱われないことになり、赤ちゃんの人権を守ることができないからです。そこで、生まれた時刻に関係なく、生まれたその日からカウントする(人として扱う)ことにしたわけです。 満了は、①により、起算日応当日の前日ですから、結果的に誕生日の前日に年を取ることになり、一般的な「同月同日にお祝い」という感覚とは異なることになってしまいますが、生まれたばかりの赤ちゃんを守るための、ある意味とても重要な規定なのです。 …ということで、「年を取るのは誕生日の前日」という理由はご理解いただけたと思います。よって、入学(4月1日)時点では新入生のうち4月2日生まれの者は満7歳に達していますので、お間違えのないようにしてください。 繰り返しますが、以上はあくまで「予備知識」にすぎず、4月1日生まれの者が早生まれに含まれる直接の理由ではありません。 さて、長い前置きになってしまいましたが、本論はここからです。「年を取るのは誕生日の前日」ということは、逆に言うと「年を取った日の翌日が誕生日」ということになります。これをよく覚えておいてください。 冒頭に述べたように、4月1日生まれの者が早生まれに含まれる理由は、単に「学校教育法の規定がそうなっているから」なのです。では、学校教育法の該当する規定を見てみましょう。 ~~~~~ 第17条 保護者は、子の【満6歳に達した日の翌日】【以後】における最初の【学年の初め】から、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。(後略) ~~~~~ 1.「満6歳に達した日の翌日」とは満6歳の誕生日のことです。 2.「以後」ですので、満6歳の誕生日を含みます。 3.「学年の初め」とは4月1日のことです。 つまり、学校教育法第17条は「保護者は、子の満6歳の誕生日以後における最初の4月1日から(中略)小学校(中略)に就学させる義務を負う。」と規定しているわけです。 「1」はいいですよね?先ほど説明した「予備知識」のとおりです。「満6歳に達した日」とは満6歳の誕生日の前日ですので、その翌日とはすなわち「満6歳の誕生日」ということです。なぜこんな回りくどい言い方をするのかというと、平年にあっては誕生日の存在しない2月29日生まれの者に配慮したからです。 一つ飛んで、「3」もいいですよね?学校教育法施行規則の第59条に「小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。」と規定されているわけですが、これを持ち出すまでもなく、常識の範囲ですよね。 問題は「2」です。これは法令用語なのですが、「以前」や「以後」は基準日時を含みますが、単なる「前」や「後」は基準日時を含みません。よって、「3月31日後」と「4月1日以後」とは同じ意味ということになります。 http://www.ek.tohmatsu.co.jp/word/c-word/01-10/09.shtml 以上をまとめると、4月1日生まれの者の場合、この部分の規定は「…4月1日【以後】における最初の4月1日から…」となり、満6歳の誕生日当日に入学することになる(=同学年の者の中で最後の誕生日となる)ので、早生まれになるのです。 要するにこの部分が「以後」となっているのが原因のすべてなのです。したがって、学校教育法第17条の規定のうち、「以後」の部分が仮に「後」となっていれば、基準日時は含みませんので、4月1日生まれの者は翌年の4月1日に入学することになり、早生まれには含まれません。 4月1日生まれの者が早生まれに含まれる理由については、学校教育法第17条の規定を「満6歳に達した日」でいったん区切って読む人が多いため、「年を取るのは誕生日の前日だ」という具合に話がそれてしまうのです。これだと4月1日生まれの者についてはそのとおりですが、逆に1月1日生まれの者が早生まれに含まれることは説明できません。 4月1日生まれの者が早生まれに含まれる本当の理由は、実は、学校教育法第17条にある「以後」という文言にあるのです。この「以」という一文字を削除しさえすれば、4月1日生まれの者は早生まれにはならないのです。

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