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「神曲」は名作と言われますけど、日本にも?
「神曲」は名作と言われますけど、日本にも昔話のように伝わる天国と地獄の話と、大差ないんじゃないですかね?
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>「神曲」は名作と言われますけど、日本にも昔話のように伝わる天国と地獄の話と、大差ないんじゃないですかね? ⇒ある意味ではそう言えるかもしれません。しかし同時に、その筋の文献によれば、「名作と評されるそれなりの理由」が幾つかあるようです。以下に引用、箇条書きします。 ①『神曲』は、神学書であり哲学書であること、社会政治評論でもあり、人間賛歌の文学でもあるとされます。それゆえ、『神曲』は、世界文学を代表する作品として高評価が定着しており、ヨーロッパでは最大級の賛辞を集めています。「世界文学」が話題になる際には、ほぼ筆頭の位置に置かれ、古典文学の最高傑作、ルネサンスを先導した作品とも評されています。 ②『神曲』は、発刊当初から多様な評価が与えられました。ダンテとほぼ同時代に活躍した『デカメロン』で知られるボッカチョは、大いにダンテに傾倒し、最初の崇拝者となったようです。彼は『神曲註解』や『ダンテ礼賛』を著してダンテを賞賛し、自ら『神曲』をめぐる講演を行っています。他方、『神曲』を快く思わない人たちもいて、おもに作品中で不正や悪徳を指摘された人々の子孫や関係者たちは、そういう場合は悪評紛々であったようです。 ③『神曲』の中には様々な書物からの引用があります。中でも聖書が最も多く、次にアリストテレスやウェルギリウスなどの哲学や倫理学、詩が多用されています。また、当時の自然科学における天文学、測量学などの知見を素材として論理的・立体的に構成されていることから、中世における百科全書的書物であるとも評価されるとのことです。 ④さらに聖書の伝説、ギリシャ神話やローマ神話の神々や怪物も多数登場し、古典文学の流れを引く幻想文学の代表作とも言えます。実際、その幻想的な内容と豊かなイメージから、数々の文学や芸術作品に大きな影響を与えてきました。『神曲』の持つファンタスティックな描写は、現代のSFやファンタジーの源流の一つとみなされれらしいです。 ⑤ルネサンスが終わりかけに入る頃、ダンテも『神曲』もほとんど言及がなくなる。後輩格のペトラルカやボッカッチョがヨーロッパ文学に大きな影響与えたのに比べて寂しい。イタリア本国のみならず、フランスやドイツでもこのころ一時的に『神曲』はほとんど読まれなくなりました。 ただし、19世紀半ばからロマン主義運動やナショナリズムが沸き上がるにつれて、ダンテが再び注目され、読まれ研究されるようになりました。そして20世初めに複数の詩人や作家によって半ば神格化され、今日の評価につながってきました。以上の理由から、『神曲』は、世界的に認められた名作であると言えると思います。
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- EXIST2090
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大差無いと思います。過大評価ってどのジャンルでもよくある?んじゃないでしょうか
お礼