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電気代の総括原価方式と原価の計算

男子大学2年生。 電力会社の規制されている料金は総括原価方式で計算されているそうで、いろいろと批判が多いみたいです。 でも、普通商売をするときは、仕入れのために原価を計算したりするわけで、電気料金だとなぜ批判されるんでしょうか?

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回答No.2

簡単な例で考えてみましょう。電力産業の費用関数が C = F + cQ であらわされるとしましょう。Cは総費用、Fは固定費用、cは限界費用(なぜ?)、Qは生産量。平均費用ACは AC = C/Q = F/Q + c           (*) と、Q=0のときは無限大だが、Qが拡大するにつれ、低下し、どんどんcに近づいていく(自然独占産業)。規制当局(政府)にとって経済厚生上最適な価格政策は価格Pを限界費用cに設定する P=c とすることだが、そうすると電力会社の利潤Πは Π = (P-AC)Q=(c-F/Q-c)Q=-F とQをいくら生産しようと赤字になる。いま、消費者の需要曲線が P = a - bQ であらわされるとしよう。規制当局の次善の策として価格を平均費用に設定する総括原価方式 P=AC を採用したとすると、利潤はつねにゼロ(なぜ?)で、生産量は a-bQ=F/Q+c よって bQ^2 + (c-a)Q +F = 0 の2次方程式の解で与えられる。 Q={(a-c)+√[(a-c)^2-4bF]}/2b 総括原価方式のもとでは、たとえば、固定費用Fが上昇したとすると、ACは上昇する((*)を見よ)ので、電力価格は上昇する。 しかし、財を供給するのが競争企業だったらどうか?いま、代表的競争企業の費用関数が d+ q^2 で与えられるとしよう。dは固定費用、qは生産量。すると、この企業の供給関数は q = p/2 で与えられる(なぜ?)。固定費用dが上昇しても供給曲線は変化しない。つまり、市場協曲線と市場需要曲線で定まる市場価格は変わらない(市場取引量も変わらない)。もちろん、この財を生産している代表的企業の利潤は価格は変わらないのに、コストが上昇するので、減少する。 総括原価方式をのもとで価格が設定されている独占企業と競争企業ではこのように価格、生産量等への影響は異なるのです。

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回答No.1

電力産業というのは「自然独占」産業の典型的例とされるが、自然独占産業というのは、平均生産費用が生産量の拡大とともに低下していくような産業です。こうした産業では、ある先発企業がこの事業を始めて、生産を拡大していくと、どんどん平均生産費が下がって市場は独占される。平均生産費が高いところから出発する後発企業は参入しても、太刀打ちできないからだ。こうした産業は国営にするか、私企業に独占を認め、代わりに価格を規制するという方法がとられる。しかし、価格の規制も難しい。理想的なのは経済厚生を最大化するために限界費用に等しい価格設定することだが、そうすると独占企業に損失(赤字)が発生する。平均費用が生産拡大とともに低下していくということは限界費用はつねに平均費用より小さいということだからだ(なぜ?)したがって、赤字を補填するために補助金を与える必要があることになる。次善の策は平均費用に等しい価格設定をすること、これが総括原価方式だが、これにも問題があることはご存じでしょう! この自然独占と対照的なのが「完全競争」をしている企業(競争企業)の場合だ。競争企業は利潤最大化をするために価格を自由に設定することはできない。できる最善のことは自分の企業の限界費用を正確に計算して、それを市場価格に等しくするような生産量を決定することだけだ。自然独占企業のようにコストが上がったから価格へ転嫁すればよいという安易な選択が許されないのです。

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