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社会で働く事は悪い生き方をするという事じゃないでし

tyr134の回答

  • tyr134
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回答No.1

労働の善悪ですか… なかなかに面白いテーマだと思います。 現代の日本人の労働観は,欧米の資本主義を採用している以上,西欧の思想に裏打ちされてると考えて良いでしょう。 という事で,西洋の労働観の変遷を ・ギリシア時代は労働とは奴隷がするもの アリストテレスは労働は思惟する時間を奪うので,市民を堕落させると考えていた。 彼の師匠であるソクラテスやプラトンもやはり労働は価値が低いものと考えてました。 もっとも,ヘシオドスのように「働かないことこそ恥」と考える人もいましたが,まぁ少数派かな? ・中世の労働観 中世に入るとキリスト教の価値観が支配的になります。(但し,カトリック系が支配的) キリスト教では禁欲主義を旨とします。 「働かない・労働は奴隷がするもの」という価値観を批判し,禁欲と共に勤労も推奨された時代です。 働くことは神の意志にも合う事なので,一生懸命に働くのは善い生き方ですね。 ところが,働くことが善いことでありお金を稼ぐことは善いことだとなると,そのお金で豪奢に生きる人々が生まれてきた。 しまいには,金で天国行きの切符まで買えるようになりました。 当然,そうした風潮に反発する層も産まれるわけでそれが宗教改革に繋がります。 ・宗教改革の時代 時代が下って近世に入ると,プロテスタンティズムが興隆してきます。 プロテスタントでは労働を善きものとしつつも,豪奢に生きることは悪いこと考えた。 また,人には『天職Beruf』がありそれを全うするのが善い人生と主張しました。 よって,不労者や乞食などは最も卑しいものと批判されます。 ・近現代の労働観 産業革命により,労働の機械化と都市人口の増加(=労働者層の増加)により『天職Beruf』的な観念は薄れていきます。 また,経済学の発展により,労働は社会システムとして組み込まれていくことになります。 当然,システムの一部なので働くことは善い事との観念は残ってます。 ・マルクス主義における労働 マルクスは資本主義を批判して裕福層が労働者層を搾取していると説きましたが,同時に労働についても善いこととしています。 彼によると労働は確かに苦役だが,その労働によって日々の糧を得るのであって,糧が無ければ生きていけないのだから働かない者は人間を棄てたのと同等だとしています。 とまぁ,超完結に西洋での労働観を纏めてみました。 結論としては,キリスト教によって労働が奨励されていて,逆に働かない事は悪とされてきた西洋思想に乗っかった資本主義時代を生きているので,労働は善い事となりますね。 ※余談ですが「働かざるもの食うべからず」の原点は聖書にあるそうです。 新約聖書の『テサロニケの信徒への手紙二』3章10節には「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」 我々はキリスト教の軛から逃れられない様子…

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