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多条ねじを切る際のヘールバイトの作り方について
- 【NC旋盤で台形4条ねじ・P152の切り方を教えて下さい。】を参照し、ヘールバイトの作り方について説明します。
- ヘールバイトの作り方は、直角三角形の底辺を76とし、斜面の角度より大きく15度の角度をつけて刃の下を削る方法です。
- 丸砥石を使用し、底部もしくは15度の面にもすくいをつけて刃を作ります。作業者は既にワークを降ろしてしまったが、お助けします。
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前回、回答した者です。 私、現在は全くの異業種です。 加工に携わっていたのはかなり昔です。 加工の感覚もちょっとあやふや。 それほどの経験もヘールバイトを使ったこともありません。 あんまり具体的な事は期待しないでくださいね。 「一周まわって152ミリ進むので直角三角形の底辺は76.でいいですよね」 ネジのリード角は76ではなく、つるまきを伸ばしたように考えてください。 「ねじ リード角」とかで検索して参考にしてください。 15°の切れ刃には、このリード角(最大14°くらい)プラス数度の逃げ角が必要になります。 “”最大“”といっているのは、ふつうはリード角はネジの山と谷の真ん中の有効径を基準にしますが、リード角は径が小さくなるときつくなるので切れ刃の逃げ角にはネジ谷の径で考えるからです。 これは、バイトの進行方向側というか左側の場合です。 バイトの右側の切れ刃の逃げ角はネジの最小リード角マイナス数度のマイナスの逃げ角が必要になります。 ちょっとよく分からない説明ですが、見た目には通常の加工ではあり得ない角度になります。 刃先強度をちょっと犠牲にするなら真っ直ぐの0°でも大丈夫です。 「すくいを底部もしくは15度の面にもすくいをつけて刃を作ればいいのではないか」 私の前回の回答の最後のくだりが上手く説明できず、誤って伝わってしまったかもしれません。 砲金や真鍮にすくい角付けた刃物は危険なのでダメです。 今回のように切削幅、切れ刃接触長が大きい場合はなおさら絶対にダメです。 あの説明の意味は、リード角14°のネジをすくい角0°の刃物で削るということは、ふつうの旋削ですくい角14°の刃物で削っているのと同じことになり、刃物の食い付きワークの飛び出しの恐れがありとても危険だということです。 なぜすくい角が同じになるかというのは、外形バイトをわざと芯高を高くすると直径方向の実質のすくい角が大きくなるのと同じ理屈です。 このような不都合を避ける方策としては、15°の切れ刃稜線にハンドラッパーで14°くらいのネガランドというかホーニングを幅1mmくらい設けて刃殺しをするか、前回書いたようにバイト傾けるか、すくい面全体をリード角に対して直角になるように傾けて研ぐか、などがあると思います。 なお、前回説明が不足していましたが、今書いた事はバイトの進行方向側というか左側の刃の場合です。 バイトのすくい角0°の時、右側の刃は逆に実質14°くらいのマイナスのすくい角で削ることになります。 こちらは食い込みの恐れはほぼありませんが、切れ味は落ちます。 どのようなバイトがベストなのか、私の経験程度ではちょっと。ごめんなさい。 いくつか気になった点や方案をお伝えできるくらいです。 質問に答えるかたちで台形バイトについて書きましたが、その使用を薦めているわけではありません。 もしも私が加工するとしたら。 先ず旋盤で砲金の端材に斜剣15°のバイトで切り込み20の感覚を手送りで味わってみて台形バイトの使用が選択肢として有りか無しか考えると思います。有りだったとしても、多分私だったら過去のワークの経験や寸法の出しやすさから台形バイトは使用せず溝バイト1本で加工する方法を選択すると思います。プログラムにはかなり難儀しそうですが。
お礼
koyayagiさん、詳しく説明して頂き本当に助かります。刃先のすくい、すくいと書きましたがしゃくりの間違いでした。砲金や真鍮の時はしゃくりはつけないほうがいいのですね。『もしも私が加工するとしたら・・・溝バイト一本で加工する』というところは話をさらに難しくするようなので、台形バイトを左右それぞれ作ってやると思いますが、次に同じような仕事が入った時のために、また次の世代のため…というと大袈裟ですが、きちんと記録に残しておきます。先回に続いて長きにわたってご回答頂き、誠にありがとうございました。