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ワイヤ放電加工機のメンテナンスについて
- ワイヤ放電加工機のメンテナンスについて注意点と頻度を解説
- ワイヤ放電加工機の日常点検の頻度と重要なポイントを紹介
- ワイヤ放電加工機のメンテナンスのポイントを解説
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質問者が選んだベストアンサー
失礼します。ワイヤ放電加工機3年経験者で、検定2級保持の者からの意見でよければですが、 ワイヤ放電加工機は、NC機のなかでは、比較的メンテナンスに時間を割く機械と考えています。 メンテナンスの精度と、データの蓄積によって加工精度の維持、長時間加工を期待できる機械です。 マシニング機のような大きなキリコが出ず、微細な加工カス(スラッジ)が出ることからも、小まめなメンテナンスが必要不可欠です。スラッジはスキマと言うスキマに入り込んでしまいます。スラッジを放置すると、機械にあらゆる影響を与え調子が悪くなったころには取り返しのつかない事態に陥ります。寸法精度、機械ピッチ精度、二次放電、電食等です。また機械の寿命を著しく縮めてしまう可能性があるので、スラッジの掃除は加工毎に行うくらいで良いと思います。 断線の原因は、ご質問の内容からでは特定できませんが、 ワイヤ経路の見直しが第一候補です。関係する全てを見直します。 ワイヤコイルの始まりから、ローラーを経由して樹脂ローラー、テーパー関係のガイド、ガイド、給電子、ガイドキャップ、加工ワーク、ワイヤ張力、加工液噴流、加工条件、下ガイド送りローラー、排出用の巻き取りローラー等です。 たいていは上記のいずれかで問題が起きており、結果:断線しています。(経験則で9割以上はどこかの箇所でした) 断線した箇所や状況にも注目してみましょう。 断線箇所はワーク付近ですか、それ以外でですか?毎回特定の場所ですか?ダイ形状ですか、パンチ形状ですか?鋭角な加工、複雑形状な加工ですか?コアレス加工(チップレス)中ですか?ワークに防錆処理は施しましたか?サビ易い材料ですか?1ST加工中ですか?2ND以降の仕上げ中ですか?加工箇所に高低差はありますか? 色々な原因で断線しますが、突き詰めていくと、ワイヤ経路のどこかに原因が見つかります。 特にワイヤの断線位置は重要で、断線付近に問題があることがほとんどです。 ワーク付近であれば、加工条件、給電子、噴流量、サビ、材料 あたりに原因がありそうです。 逆に、ワーク付近でないようであれば、断線箇所付近に原因があります。 断線箇所や状況が毎回同じであれば、特定は容易かと思います。 それ以外ですと、基盤の一部が損傷しており、加工条件が異常を起こしていたというのを1件経験しています。または、ローラーのモーターが寿命となり不具合を起こしたケースもありました。それ以外は上記のいずれかの異常でした。 長くなってしまいましたが、毎日のメンテナンスの要点ですと 質問者さんの行われている点検とほぼ変わりありません。 加工層内の掃除(諸所トラブル原因)、 比抵抗値(寸法精度に影響)、 フィルター圧(仕上げでの緊急停止予防、機械への負担考慮)、 給電子(断線と仕上げ精度)、 ガイドやキャップの確認(ゆるみは精度に影響)、 渡り線の接続確認(ゆるみは精度に影響)、 水量(ポンプへの負担軽減) また、当社では毎日の垂直確認は行っていません。実際の加工物にて垂直精度の確認を行っております。垂直出しは、精度加工の前または、1月に2回程の頻度で行っています。ワイヤ経路の確認は、ワイヤ交換時に行っています(外観チェック) 重要なポイントとしますと、 やはりワイヤ経路かと思います。ただそれも、毎日点検をおこなってはおらず、 一度全体を見直してからは、四半期に一度、定期点検を行っています。 チェック用紙を作成し、項目に沿って普段できない箇所を重点的に行っています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 回答を頂く前に、メーカーにメンテナンスを頼んで不良個所を洗い出してもらったのですが、 大きな原因ですと、 ・給電子退去部ネジ不良による二次放電。 ・スラッジによる下部ガイドの固着、劣化。 ・AT部各部品の劣化 といったようにかなり痛んでいることが分かりました。(修理費用が怖いです) 回答者様の言う通り、小まめなメンテナンスが機械精度を維持するためには不可欠だと実感いたしました。 頂いた回答内容ですが、勝手ながら加工者にアドバイスとして伝えさせていただきます。 はじめ得ての質問でしたが、とても丁寧にご教授下さり誠にありがとうございました。