浸炭焼入れの表層部と内部の相互作用とは何か?炭素傾斜の影響も解説

このQ&Aのポイント
  • 浸炭焼入れ中に生じる表層部と内部との相互作用による圧縮残留応力について解説します。
  • 表面からの炭素傾斜が圧縮残留応力に与える影響についても詳しく説明します。
  • 浸炭焼入れについての疑問をテーマに、表層部と内部の相互作用や炭素傾斜の効果について解説します。
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浸炭焼入れについて

お世話になります。 分かる方いらしたらご教授願います。 とある文献の浸炭焼入れの説明のところで、 「焼入れ中に表層部と内部との相互作用によって生ずる圧縮残留応力が相まって・・」とありました。 この「表層部と内部との相互作用」とは、具体的にはどういったことなんでしょうか? あわせて、表面からの炭素傾斜が圧縮残留応力に与える影響についても、ご教授ください。 以上、よろしくお願いします。

noname#230358
noname#230358

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noname#230359
noname#230359
回答No.3

浸炭焼入により表層部に圧縮応力が発生するのはなぜか。 同様に表層部に圧縮応力が発生する方法として、高周波焼入、窒化、ピーニングもある。これらもなぜ圧縮応力が発生するのか。 表層に圧縮応力があるという事は、内部には引張応力がある。単純化して表層と内部の2層構造として考えてみる。もし両者を分離すると応力は消滅する。その時表層部は寸法が大きくなり、内部は小さくなる。寸法の異なるものを無理やり一体にしているので、応力が発生している。硬さの高低そのものは応力発生とは無関係。但し硬さが高いことは変形により応力緩和を阻止する効果がある。 鋼は組織を変えると体積が変化する。[オーステナイト]、[フェライト+セメンタイト]、[マルテンサイト]の順に大きくなる。 焼入により[フェライト+セメンタイト]から[マルテンサイト]に変化するのだから、体積は膨張する。さらに炭素量が多いほど膨張率が大きい。 参考文献「鋼の熱処理変形」の表1、表2。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/denkiseiko1925/40/4/40_4_328/_pdf 浸炭焼入後には全体がマルテンサイトになっているが、表面に近いほど炭素量が多いだから、体積は表面に近いほど大きい。 高周波焼入では表層のみがマルテンサイト、内部はフェライト+セメンタイトだから、表層の体積が大きい。 窒化では全体が焼戻マルテンサイトになっているが、窒化部は窒素の強制固溶により体積が大きくなっており、表面に近いほど体積が大きい。 ピーニングでは表層は潰され伸ばされているので、内部に比べて寸法が大きくなっている。 表層から内部にかけての体積変化が急峻なほど、発生する応力は大きくなる。浸炭では、炭素量の傾斜が急峻なほど応力は大きくなる。逆に、例えば窒化で、窒素の濃度分布が表面から内部にダラダラと変化しているような場合、発生応力は小さくなる。 訂正。 「変形により応力緩和を阻止する」は「変形による応力緩和を阻止する」。

noname#230359
noname#230359
回答No.2

一般に焼入れすると丸鋼であれば熱処理により、組織が変態して直径が幾分か 大きくなることから内部がそのままとすれば、恐らく表面層に残留圧縮応力が 発生するだろうということは想像は出来ますが、そういうことではないのかな

noname#230359
noname#230359
回答No.1

文献文面の前後が此方には不明なので、推測ですが、 表面からの炭素傾斜が、焼き入れ硬度傾斜となり、極端には結晶構造が表面 と内部では異なるとか異なるポイントがあるでの意味ではないでしょうか。 また、表面からの炭素傾斜が圧縮残留応力に与える影響も、推測ですが、 硬度と引張又は圧縮応力は比例しますので、表面の硬度が高い事は圧縮応力 も高く、その力が圧縮なので内部へ向かい、内部の弱い組織が高い圧力に さらされ、変形の逃げ場がない状態である(通常の状態でも表面に応力が 働いていて、その力の考慮が必要な状態、等々)の意味ではないでしょうか。 推測で御免なさい。

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