ステンレス鋼の優れた耐食性の理由とは?

このQ&Aのポイント
  • ステンレス鋼の低炭素は、優れた耐食性を示す理由として注目されています。
  • 低炭素のステンレス鋼は、鉄とクロムの化合物の膜が形成され、それが酸素と反応して安定した酸化物膜を生成します。
  • この酸化物膜が、ステンレス鋼の表面を保護し、耐食性を高める役割を果たしています。
回答を見る
  • 締切済み

ステンレス鋼について

基本的な質問ですいません。ステンレス鋼が低炭素ほど、優れた耐食性を示すのはなぜですか。

noname#230358
noname#230358
  • 金属
  • 回答数3
  • ありがとう数0

みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.3

ステンレス鋼は基本的にはCrを含有することにより、耐食性を発現しています。Crは主元素であるFeよりも炭素と結合し易すく、炭素があると炭化物(通常はCr23C6)を生成します。炭化物になると、炭化物そのものは非金属無機材料ですから耐食性は良いのですが、炭化物を生成する過程で炭素の周囲のCrが集まってきますので、結果として炭化物の周囲のCr%が、平均成分のCr%よりも低くなってしまいます。するとその部分は耐食性が低下してしまいます。耐食性を保つためには、できるだけ炭化物が生成しないようにする必要があります。そのひとつの方法が、炭素量を減らすことになります。JIS鋼種には、例えばSUS304に対し、低炭素のSUS304Lがあり、耐食性はSUS304Lのほうが上になります。 使い分けとしては、炭化物は600~800℃程度で生成するので、その温度域に保持するされるような可能性がある場合は、低炭素材を選ぶことになります。溶接でも熱影響部がそのような温度になるので、溶接構造用ならば低炭素材を選んだ方がよいことになります。 オーステナイト系ステンレス鋼の場合、最終熱処理は固溶化熱処理になりますが、その場合冷却途中で前記の温度域を通過します。その温度域での炭化物生成をできるだけ防ぐために、冷却はJISでも「急冷」と規定されています。急冷しても、わずかに炭化物は生成しますので、溶接などをしない場合でも低炭素材の方が耐食性は高くなります。 フェライト系ステンレス鋼の場合、同様に炭化物が生成しますが、組織を所定のフェライト相にするために、最終熱処理である焼きなましでの冷却はJISでは「空冷または徐冷」になっています。但し25%以上Crの高Cr系の鋼種では組織が安定しているため(高温から常温までフェライト相)、冷却は「急冷」になっています。 マルテンサイト系ステンレス鋼の場合でも同様に炭化物が生成による耐食性低下がありますが、硬度を出すためにあえてある程度炭素を含有させています。 炭素量はオーステナイト系<フェライト系<マルテンサイト系の順であり、耐食性は逆の順序になります。

noname#230359
noname#230359
回答No.2

以下に示すサイトのステンレスの腐食や割れについてを、特に参照下さい。 http://www.hsk.ecnet.jp/sus-kaisetu.htm 以下に示すサイトのステンレス鋼の耐食性についてを、特に参照下さい。 http://www.nisshin-steel.co.jp/nisshin-steel/product/market/32stainless/idx.htm そして、粒界腐食内容も 何故、ステンレスは錆び難いかを確認すると判り易いと思います。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

簡単に説明しますと溶接により500~850度の過熱された部分はCr23C6が析出するためCr欠乏層を生じ粒界腐食感受性があがってしまい「鋭敏化」という状態になります。 その対処法としてCrと親和力の高いCを少なくするとCr23C6の析出も抑えられるため、Cr欠乏層は低炭素のほうが少なくなるので低炭素ほど耐食性がよいと言うことです。

関連するQ&A

  • オーステナイト系とフェライト系ステンレスの耐食性…

    オーステナイト系とフェライト系ステンレスの耐食性の違いの原因 オーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステンレス鋼では基本的にオーステナイト系のほうが耐食性が高いということですが、その理由はなんでしょうか?調べても、オーステナイト系のほうが耐食性が高いという事実ばかりで原因がわかりません。 Fcc構造による充填率の高さなどが関係しているのでしょうか? どなたかよろしくお願いします ある条件下において、オーステナイト系のほうが安定度が高い、とずっと思い込んでいましたが、基本的にはフェライト系もオーステナイト系も耐食性は大体同じなんでしょうかね? 色んなサイトで「オーステナイト系ステンレス鋼はフェライト系スレンテス鋼よりも耐食性に優れ・・・」とあったから、どの条件下でも基本的にオーステナイト系のほうが耐食性が高いと思っていましたが、実際はどうなんでしょうか

  • ステンレスについて

    耐食性においてステンレスを上回る材料ってあるんですか?現状304を使用することが多いのですが、それ以上の材料があれば教えて下さい。また、その用途やステンレスと比較した価格等教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

  • ステンレスの耐食性

    ステンレス(SUS316)の材質で作ったタンク(約3立方m)に5%の塩化亜鉛(ZnCl2)溶液を入れようとしております。 塩化亜鉛溶液にステンレスタンクから不純物が溶け込んでは、品質的に問題があります。 **質問**  1)ステンレス(SUS316)の耐食性はどうか?      使用条件は常温(10℃ー30℃)貯蔵期間は1サイクル約1週間  2)何方かSUS316の耐食性について学術的又は経験的な面からご教授願いたい  3)もし耐食性に問題があるようであれば、内面をプラスティックでコーティングすることを考えている。 以上 よろしくお願い致します

  • ステンレス溶接部のさびについて

    お世話になります。 ステンレス溶接部のさびについて、アドバイスをいただきたく思います。 水中(ぬるま湯程度)に出し入れするような条件で使用するのですが、溶接部にどうしてもさびが発生するとおもいます。 試作品はSUS304で製作しましたが当然のように溶接部(表面)がさびてしまいました。 耐食性のある材料に変更したとしても、溶接部のさびはおさえられないのでしょうか? ちなにみ過去の類似質問のなかの回答で、SUS304<SUS304L<SUS316<SUS316Lの順で耐食性がよいという記述がありました。 低炭素鋼が耐食性に優位ということであれば、炭素の含有量でいくとSUS304<SUS316<SUS304L<SUS316Lのような気もするのですがこの点についても教えていただきたいと思います。宜しくお願いします。

  • アルマイト処理材とステンレス材の耐食性について

    アルマイト処理材とステンレス材とではどちらが耐食性があるか教えてください。 特に塩素水に対してどちらが耐食性があるのかを知りたいです。 ステンレス材が塩素水で腐食した部分に、アルマイト処理材を使用できるか?

  • ステンレスの耐食処理

    ステンレスの耐食処理について質問いたします。 以前に同じような質問があったかも知れませんが、再度質問させていただきます。 sus304の表面に潮風や塩水にさらしても錆びない耐食処理をしたいのですが、どのような表面処理をすれば宜しいでしょうか? ネットで調べる限り、不動態化処理というものを見つけましたが、どれくらいもつのでしょうか? 鉄であれば、どぶづけという方法も考えられるのですが・・・ お勧めのSUSの表面処理を教えていただきたいです。

  • ステンレスのタフトライド処理について

    蝶番のはめあい部分の焼付き(かじり)防止(無潤滑)のため、ステンレスSUS304(蝶番の材料)の表面硬度をアップさせる目的で、タフトライドを検討しているのですが、タフトライドをすると、耐食性が悪くなると言われました。使用温度は、250℃300℃です。(半導体製造装置です。)  ステンレスの耐食性が劣化する理由がよくわかりません。S45Cに対しては、特に問題なしと言われましたが、できればクリーンチャンバーでの使用ですので、ステンレスを使いたいと考えています。  どなたか、ステンレスの耐食性が劣化する理由をご存知の方、教えてください。

  • ステンレス鋼は炭素鋼の合金ですか?

    合金鋼についてお伺いいたします。合金鋼は、炭素鋼にニッケルやクロム等を加えた合金だそうですが、合金鋼の1つであるステンレス鋼は、「炭素鋼にニッケルやクロム等を加えたもの」という記述のほかに「鉄にニッケルやクロム等を加えたもの」という記述の資料もあります。 炭素鋼の炭素含有量は、0.02%~2.14%、ステンレス鋼の炭素含有量は、1.2%以下となっています。 この場合、炭素含有量が0.02%未満のステンレス鋼が「鉄にニッケルやクロム等を加えたもの」となり、炭素含有量が0.02%以上のステンレス鋼が「炭素鋼にニッケルやクロム等を加えたもの」と表現しているのではないかと理解したのですが、いかがでしょうか? 金属材料に精通されている方のアドバイスをよろしくお願いいたします。

  • ステンレスの焼き入れ

    ステンレスの焼き入れについてですが、 1.マルテンサイト系以外のフェライト、オーステナイト系では、なぜ焼きが入らないのでしょうか。ステンレスは、他の炭素鋼のように、加熱して変態温度から急冷しても組成は変わらないのですか。 2.ステンレスの焼き入れの可否は、何に起因するのでしょうか。もしかしてしょうがない質問かもしれませんが、どなたか、ご回答頂けますでしょうか。

  • ステンレスの材質

    耐食性(硫酸)の配管材をさがしていましたら、20C,-30N1という材質がありました。ステンレス鋼であるようなのですが、具体的にどういった組成なのかが分かりません。 どなたか、ご存知もしくは使用経験があるかたいらっしゃいませんか。