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銀めっきの黄ばみなどについて
- 銀めっきが少々黄ばんでいるのはなぜですか?硫化しやすいというのは知っていますが、新品のものから黄ばんで納入されています。こうゆうものなのでしょうか
- クロムめっき(扉のノブ)から白さびのようなものが浮き出てきました。これはなんですか?
- オーディオの配線などに金めっきをしているのは、マイグレーション(移行)対策ですか?
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◆腐食生成物 金属が腐食した場合、一般に水酸化物か炭酸塩及び両者の化合物になります。 金属(固体)->イオン(溶液)->腐食生成物(固体)となりますが、腐食そのものは金属(固体)->イオン(溶液)の部分です。その後、金属イオンが中和されその不溶性塩が残ります。 この不溶性塩の色で、**サビと言っていますが、特にクロムの腐食についた名前は知りません。 ニッケルも緑色の腐食生成物を形成しますが、クロムより多少明るい色です。 ニッケルやクロムが錆びる環境としては、酸性雰囲気、特に塩素の存在する状況です。ただし、単体で存在することはほとんどないので、接触した相手が腐食することも多いでしょうし、イオン化したときに流れ去ってしまっていると、腐食生成物として見つけることができません。 緑青は銅の腐食生成物で、毒物とされていましたが、近頃無毒だと判明したようです。 亜鉛、銅の腐食生成物はかなりしっかりした構造を取るので、その後の腐食を緩和する効果があります。 あと一般的なのは、黄銅では合金化した亜鉛が優先的に腐食して白錆びを生じ、金属部分部分は赤っぽくなる脱亜鉛腐食ぐらいかな。 ◆6価クロムフリー クロメートに関しては、従来のクロメートは全て6価クロムを含んだ膜になっていますから、撤廃ということなら光沢,有色共に使用できません。 クロムめっきについては、めっきの膜を得るために6価クロムを使用しているが、出来上がったクロムの金属膜には6価クロムは含まれていません。ですから、クロメート処理した製品は規制対象ですが、クロムめっき製品は対象外です。 注:これは、エンドユーザーが使用する製品としての規制であり、加工業者が使用する材料としての規制ではありません。地球環境とした場合、後者も規制されるべきですが、排出規制の形で制限されています。 ◆犠牲防食 クロメート膜の6価クロムがなくなったら亜鉛が腐食し、亜鉛がなくなったら鉄が腐食する…これだとどちらも犠牲防食のように見えますね。 クロメートの膜は、完成品の状態で「ペンキ塗りたて」のような柔らかい膜(水分を持ったゲル状)になっています。そこで、 >傷がつくと6価が溶解し3価となり修復する… クロメート膜においてはこれを「自己修復作用」と言っています。 しっかり勉強されているようですね。月並みですが、がんばってください。
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■ブスバー 当社ブスバーの銀めっき加工を行っていますが、前処理で油がとりきれてないと黄色ぽい色になります。あと、光沢、無光沢にもよるのですが、無光沢はめっき後、1昼夜工場内に放置しているだけで黄色になります。(めっき業の工場は排気はしていますが、通常の工場と比べて多少ガスがでており、それが変色の原因になっていると思います。当社ではめっき後速やかに乾燥し、ラップをまいてガスとの接触を避けています。) ■クロメート クロメート皮膜中の6価クロムと3価クロムの比により光の干渉作用をうけます。6価クロムが多いいほど光の干渉作用を受け易く有色色になります。逆に6価が少ないと光沢色になります。 ■金属クロム クロメート処理膜は金属クロムではありません。水酸化物などを含んだゲル状の化合物になります。 ■電気めっき 電気めっきでいいと思います。 化成処理ですと、電気めっきされてないように勘違いしてしまいそうです。また、化成処理はいろんな種類があるので何を指しているのかわかりにくいです。有色クロメートは亜鉛めっきの化成処理のことですが、そのように呼ぶことはほとんどありません。有色の電気亜鉛めっき、もしくは電気亜鉛めっきの有色クロメートとよべば良いと思います。
お礼
回答ありがとうございました。 謎が謎をよび、質問を追加してお時間をおとりし申し訳ありませんでした。 大変勉強になりました。 今後ともよろしくお願いします。
1.銀めっきの黄ばみ 析出物の表面粗さによっても色調が変化して見えることもあります。 おそらく変色防止剤の色じゃないでしょうか。 2.クロムめっき(扉のノブ)からの白さび クロムが腐食したとすると、緑色の腐食生成物になるはずです。クロムめっきした素材の腐食生成物でしょう。これが白いのですから、素材は亜鉛ダイキャストまたはアルミニウムでしょう。白錆は水酸化亜鉛または水酸化アルミニウムです。 3.オーディオ配線の金めっき 金の特性として電気抵抗が22.14nΩ・mで、銅の16.78、銀の15.87よりも抵抗が大きいのは確かです。しかし、銅,銀は表面に酸化物や硫化物を形成するため、経時変化で接触抵抗が大きくなります。金はこのような酸化物・硫化物を形成しないので、端子に使用することで、接触抵抗を低いままに維持する事ができます。念のため、配線には使用しません。 4.6価クロム 6価クロムフリーが売り文句になっていなければ、全てのクロメートには6価クロムが含まれています。光沢クロメートも、アルミニウム用のクロメート(通称アロジン)もです。クロムめっきは、6価クロムを利用してめっき皮膜を形成しますが、出来上がった皮膜の中には6価クロムは含まれていません。全てが金属のクロムです。 クロメート処理とは言いませんが、同じ防食機構をもつダクロ処理も、6価クロムを含みます。 5.「まずい」レベル? 鉄ボルトと電気めっきボルトを区別できているのなら、ユーザーレベルでは十分だと思います。 設計者レベルだと、「亜鉛めっきが犠牲防食で、さらにその保護をクロメートが受け持っている」という事まで理解してほしいところです。 過剰品質を要求する品質管理部門や、膜厚半分でコスト半分を言い張る購買部門も多い中で、あなたのような向学心を持たれた方が増えることを、私も期待しています。
お礼
回答ありがとうございます。 もう少しお付き合いください。 >2.クロムが腐食したとすると、緑色の腐食生成物になるはずです。 これまで金属の腐食形態についても勉強してきましたが、クロムの腐食を話してくれた方に初めて出会いました。分かる範囲でよろしいです。教えてください。 ・クロムの緑色の腐食はなんという名前ですか? ・ニッケルの錆は緑錆(緑青ではない)であると文献に書いてます。それは字のごとく緑色ですか? さびのおはなし より クロムやニッケルがさびる環境とは、どのようなところですか。 また、他の金属(鉄・銅・アルミ・亜鉛・ステン以外)の腐食形態(赤さびや白さび、緑青など)にもお詳しいのであれば是非教えてください。 >4.6価クロム 確認です。クロムフリー化では、現在の光沢クロメートもクロムめっきもなくなるということですか。有色クロメートのみだと文献・資料から察していました。 専門家の方に直接教えていただけて、うれしいです。 >5.「亜鉛めっきが犠牲防食で、さらにその保護をクロメートが受け持っている」 クロメートにも犠牲防食はないのですか。これもうる覚えですが、傷がつくと6価が溶解し3価となり修復すると認識していました。 お忙しいところ申し訳ありません。 よろしくお願いします。
1.銀めっきはめっき後すぐに変色します。変色対策として変色防止剤などを塗布したり、精密洗浄をかけてガスや水分が付かないように保護しないとだめです。ブスバーですか?変色は後処理部不足と保管の方法が悪いためです。 2.おそらく素材はアルミでしょう。アルミの上に光沢ニッケルめっきをして、その後にクロムめっきをしていると思います。よく、クロムめっきと勘違いされますが、本当はニッケルークロムめっきといいます。しかし、ニッケルは0.51ミクロンの非常に薄い膜です。めっきのピンホールから腐食電位が進行しアルミが錆びたためだと思います。アルミの錆びは白です。(白さびといいます)電位的な関係からニッケルやクロムよりアルミのほうが先に錆びます。 3.これはよくわかりませんが、接触抵抗や電気抵抗の関係でめっきしてるかも知れませんね 4.緑色、黄色、黒色、白色等クロメートと名が付くものはすべて6価クロムを含んでいます。クロムめっきはめっき液には6価クロムが入っていますが、めっきされたものは還元されて金属となっているために金属クロムしか含まれていません。 5.基本的に電気めっきであっているので良いと思います。私はめっき業ですが、意外とクロメートのことなどわかっていない業者さんも多いです。黄色いめっきをしてくれ!と頼まれることもざらです。ただ、物を設計するにあたって、もう少し設計やは表面処理のことを勉強すればいいのになと思うことも多いのは確かです。 以上
お礼
回答ありがとうございます。(お礼が遅くなり申し訳ありません。) 質問を追記いたしますので、もう少しお付き合いください。 >1.ブスバーですか? そのとおりです。 >4.に関連 有色クロメートの虹色の輝きは、太陽光が6価クロムに反射して出る色で... という説明をなにがしらでチラッと見たような記憶があります。本当ですか? これに関して説明ください。 また、「金属クロム」という言葉に戸惑いがあります。クロメート処理された製品の3価・6価クロムは金属クロムではないのですか。 >5.基本的に電気めっきであっているので良いと思います。 確認ですが、より正確な答えとしては「電気めっき」よりも、やはり「化成処理」のほうが適しているのでしょうか。 お忙しいところ、再度教えてください。 よろしくお願いします。
お礼
回答ありがとうございます。 >黄銅では合金化した亜鉛が優先的に腐食して白錆びを生じ 保守していて、これも謎のひとつでした。すごいです。ホントに勉強になります。 気持ちを改めてから、数十冊の腐食やめっきの文献を閲覧いたしましたが、鉄の腐食か よくても亜鉛の犠牲防食止まりで、どれも同じ内容。それ以外の金属の特性・腐食のことはあまり書かれていません。講習会にいってもやはり同じで、謎が深まるばかり。いき詰まっていました。 今回、お教えいただき、感謝のしだいです。 大変ありがとうございました。