高密度・高速度路線での架線方式(直流)

このQ&Aのポイント
  • 高密度・高速度路線での架線方式(直流)にはコンパウンドカテナリー方式とダブルシンプルカテナリーがあります。
  • 首都圏のJRでは東海道線はコンパウンドカテナリーで、東北線はダブルシンプルカテナリーで電化されています。
  • 関西の大手私鉄はほとんどがコンパウンドカテナリーを採用していますが、関東の私鉄ではあまり見られません。新方式の架線も開発されていますが、従来型の架線はいずれ取り換えられる可能性があります。
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高密度・高速度路線での架線方式(直流)

直流電化区間の高密度で尚且つ高速度区間での従来からの電化方式として、コンパウンドカテナリー方式とダブルシンプルカテナリー(ツインシンプルカテナリー)があるようですが、例えば首都圏のJRでは秋葉原を境にして南側(東海道線)はコンパウンドカテナリーに対して北側(東北線)はダブルシンプルカテナリーで電化されています。この両方式のどちらかを採用するかは、どのような評価点によってどちらかを採用するか判断しているのでしょうか。設計者のセンスなのでしょうか。 また、関西の大手私鉄のほとんどが採用しているコンパウンドカテナリーが、関東の私鉄では、相鉄の一部区間や成田スカイアクセス線の一部区間を除くとあまり見られないのはなぜなのでしょうか。 また、最近ではダブルメッセンジャーシンプルカテナリーや饋電吊架式といった新方式の架線も開発されているようですが、従来型の架線はいずれ取り換えられるのでしょうか。 勝手で大変恐縮ですが、ご教示いただければ幸いです。

noname#231574
noname#231574

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  • FEX2053
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回答No.2

ダブルシンプルカテナリーは、主に集電容量の増大を狙いにして 設計されたものなんですが、2本の吊架線の平行を保つのにメンテ コストがかかります。 一方、最近の電車は制御方式の変更から「瞬間的な大電力」を 必要としなくなっているだけでなく、饋電吊架線など、シンプル カテナリーのままで十分な電力供給ができる設計になっています。 ですので、新しい路線ではダブルシンプルカテナリーは使われなく なってきています。 JR東は、新しい「インテグレート架線」に徐々に切り替えて いますので、ダブルカテナリーが残っているのは「更新前」の 状態でしかない、と理解して差し支えないと思います。 もとも、JR西の東海道本線では、特急や貨物が走る外側線が ダブルカテナリー、普通や快速電車が走る内側線がシンプル カテナリーですけどね。「中の人」に言わせると、起動時に 大電流を使い、かつ、この区間で高速運転が必要な貨物列車に 対応するのが目的なので、当面はそのまま・・・ということ らしいですが。ま、JR西らしく「昔からの設備をそのまま 使ってるだけ」と言えないことも・・・とかの話もありますが。 コンパウンドカテナリーは、高速運転時に架線の水平を確実に 保つためのものです。関東の民鉄ではそれほど高速運転をしない という発想なので、架線にコストをかけてないんですね。 つか、関西民鉄の架線とレールに掛けるコストの高さは、阪急 に乗るとよくわかりますよ。コイルバネ台車の電車が100km/h 走行をしても、全然揺れないんですもの。 とはいえ、コンパウンドカテナリーもやっぱりメンテナンス コストがそれなりにかかるので、相当な高速走行が必要な 新幹線以外では、徐々に単なるシンプルカテナリーに変わる 傾向にありますねぇ・・・。実際、速度が必要ない駅構内は 新幹線でもシンプルカテナリーだったりしますから。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E9%9B%BB%E8%BB%8A%E7%B7%9A%E6%96%B9%E5%BC%8F

noname#231574
質問者

お礼

なるほど! 丁寧・詳細且つ明快にご教示いただきまして、ありがとうございました。

その他の回答 (1)

回答No.1

求められる性能の他にメンテナンスを含めたトータルコストによって採用される方式が決まりますので、更新時期によって材料価格、人件費、技術革新などの変動要因があります。 設計者にはそれらを緻密に比較計算する能力が求められます。

noname#231574
質問者

お礼

なるほど! 早速にご回答いただき、ありがとうございました。

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