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中性子照射による炭化物から窒化物への核反応
N(n,p)Cという反応があります。 (知らない方、ごめんなさい) この反応を用いると、非放射性同位体のNから放射性同位体のC-14を作ることができます。 ところで、窒化珪素(Si3N4)を中性子照射して、N(n,p)Cとした場合、Cはどのような状態でSiと結合しているのでしょうか。 炭化珪素(SiC)とは、互いに結合する原子の数が異なるので、単純な話ではないと思うのですが、ご存知の方、あるいは推論が出来る方、宜しくお願いします。
- specialtroupe
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> C-14の生成反応としては最もポピュラーなものです。 自分でも調べてみましたが,確かに仰るとおりでした。これって,大気中の窒素ガスが上空で宇宙線に晒され,14C の二酸化炭素ができる反応の素反応のひとつですね。 さて,改めて Si3N4 の核反応を推測してみます。N(n,p)C 反応を省略せずに書くと「14N + n → 14C + p」ですが,もし生成するプロトンの運動エネルギーが小さければ,即座に C 原子にトラップされて化学結合を作り,結局「14N + n → 14C-H」という素反応になると思います。この推定が正しいかどうかは,大気上空で「N2 + n → HCN」や「HCN + n → H2C2」という反応が実際にあるかどうかを検索してみればよいでしょう(星間物質に H2C2 があるという話なら聞いたことがありますが…)。 次に Si3N4 について。仮に上記の反応をそのまま適用すれば「Si3N4 + 4n → Si3(CH)4」となります。Si3N4 の N の結合性軌道がすべて sp3 軌道であることから,この核反応では N のローンペアの位置の水素原子が発生するだけということになります。発生した水素原子とケイ素原子との間に大きな斥力が生じるとは考えにくいため,この核反応によって結晶構造が劇的に不安定になることはないと思います。また既存の結合数も減らないので,著しく脆くなることなども考えにくいです。もし試料が高温下にあるなら相転移や後続化学反応を起こすかもしれませんが,室温ならこの Si3(CH)4 が最終生成物だと思います。 ところで Si3(CH)4 という組成式は,化学的に高度に還元された状態です。外気との接触が無いバルクはそのまま変化が無いと思いますが,酸素に晒されている表面は酸化され SiO2 皮膜に変化し易いのではないかと思います(多少の加熱が必要かもしれません)。あくまで予想ですが。
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- 38endoh
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中性子線を照射によって 14N から 14C を得たいのでしょうか? 14N に中性子線を照射すると,まずは安定同位体の 15N になり,続いて 16N になります。16N は放射性同位体でベータ崩壊し 16O になります。160 も安定同位体のため 17O になり…,とてもとても遠い反応な感じがしますよ。そうこうしているうちに,Si の方が放射化して崩壊してしまいそうです。また,仮に 14C ができたとしても,これはベータ崩壊によって自然に 14N に戻ってしまいます。あまり良い方法とは思えません。 有機化合物のラジカル反応を起こすためにガンマ線を照射するという話なら聞いたことがありますが,無機材料を作るのに中性子線を照射するという話はあまり聞きません。 > Cはどのような状態でSiと結合しているのでしょうか。 N の一部を C に置換したいだけなら,例えば一酸化炭素中で焼成するなど,いくらでも方法はあります。詳しくはセラミックスの本を読んでください。こういったドーパントの影響についても既知です。通常は,欠陥を生じるか,原子の価数が変化するかのどちらかです。もし XPS をお持ちなら,こういった価数の変化を実際にモニターすることもできると思いますよ。
お礼
中性子照射によるN(n,p)Cという反応は、通常起こり得る反応として認識されています。 C-14の生成反応としては最もポピュラーなものです。 ところで、ドーパントに関する情報は始めて伺いました。参考にさせて頂きます。 ありがとうございました。
- nabla
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下のURLをご覧下さい。 どうやら窒化ケイ素は不完全ながらもほぼ炭化ケイ素に近い構造をとっているらしいです。
お礼
こんなに早く、ご意見が頂けるとは思ってもいませんでした。 早速、参考URLを見てみます。 ありがとうございました。
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お礼
だいぶ間隔があいてしまい、申し訳ありません。 回答を読ませて頂きましたが、自分も、改めて勉強すべきことが沢山ありそうです。 単純な反応機構ではなさそうなので、根拠を押さえることで理解を深めようと思います。 ありがとうございました。