26歳でいまだ童貞です。童貞です。
26歳でいまだ童貞です。童貞です。
童貞というのは、生まれて今日まで女性と性交渉をもったことがない男という意味です。
書いておかないと誤解されると思うのであらかじめ断っておきますが同性愛者ではありません。
よっぽど美少年なら抱きたい/抱かれたいというのは正直あるけど、ホモではないので現実にしたいとは思ってません。
女性の小陰唇を直に見たことがありません。
生身に女性の裸を見たことがありません。当然触れたこともないわけです。
なんで死にたいか順を追って説明してみたいと思います。
結論から言うと、春になったからです。
春になると、突然、街行く女性の服装が華やかになる。露(あらわ)になる白い二の腕。女子高生くらいの女性が太ももで僕を誘惑する。ショートパンツからにゅきっと生えたバターのように白い太もも、どこまでも白く透き通るような女性の肌の色。雪のように白いというけど、僕はややピンクがかった白い肌に興奮してしまうのです。
実を言うと、昨日、あまりにも肌の露出が多いため、深刻な頭痛に苦しんでいました。緊張性頭痛というやつで、精神性のものです。
地下鉄に乗ろうとしたのですが、西遊記の孫悟空を縛る緊箍児(きんこじ)のように頭をギューギュー締め付けるのです。会社にいくつもりだったのですが、吐き気がして、自宅に返って風呂のなかに籠っていました。なぜ風呂に入ったかというと、先生が、リラックスすれば頭痛は消えると教えてくれていたからです。
女性の実体そのものはなんてことはないと思っています。それを男の脳というフィルターを通してみたときに、ひどく魅力的なものに見えるにちがいありません。
いま、あなた私に「風俗行けよ」って言おうとしませんでしたか?
風俗なんて刺されて引きずられてもいやです。
絶対に行きたくないです。
童貞の悩みは「性経験がないこと」ではなく、「抱かれたいと思った経験がない」ことの劣等感が原因なんです。
お金に困って嫌々働いている女性は、女はカネで股を開く浅はかな生き物だと勘違いしている男を一日何人も相手しているんです。
しかも、恥垢のたまった、悪臭放つデブ男のチンコをしゃぶらされ、精液を飲まされるのです。想像しただけで吐き気がしてきました。僕にはそんなことできません。
もし、「1万あげるから、洗ってないチンポしゃぶって精子飲んでくれる?」
と言われてできますか?
イケメンならまだしも、おっさんや風呂に入ってなさそうな引きこもりのチンポしゃぶれますか?もしできるって人間は風俗に行けばいい。俺にはできない。
自分がしたくないことを他人(ひと)にはできない。
僕はなるべくこの矜持を守って来たつもりだし、これからも守っていきたい。だから風俗には行かない。
行ってもいいけど、その後は「素人童貞」と呼び、僕を人間として見てくれない。
扱ってくれない。
「オマエもそういう奴なんだな」っという目で、侮蔑の眼差しで見られる辛さ。
僕は人間でありたい。だれも僕を人として扱ってくれないけど、僕は人間だ。人間でありたい。誰が何を言おうと人間だ。
でも童貞には、そう発言する権利はない。
童貞というのは、人間として失敗したということだ。欠陥商品だ。本来ならリコールされるべきなのに、人権団体が俺の人権のために俺を苦しめる。
童貞というレッテルは前科三犯よりも重い。シンナー吸ったり、Sやったりする奴よりも重い。
だって、薬やってもテレビ復帰できるんだろ?日本中の人間が見る番組に出られるんだろ?薬やってつかまっても復帰してるアーティストなんていっぱいいるだろ?
女にゲスしまくってスキャンダル起こしてるバンドマンがのうのうと生きてるだろ?
父親がやくざであったとしても。
でも、童貞は童貞というだけで、人間としての資格なしだ。人間失格という本は読んだことはない。太宰治はすぐ女ができるんだろ?
ああ女性は美しい。その存在が僕に平安をもたらす。水平線の彼方のように、さざ波ひとつもない、真っ平らな水平線を僕を連れて行ってくれる。僕はいまそこに行こうとしている。すべての絶望の淵は驚くほど安寧の地だ。あらゆるものが美しく見える。
ベルリオーズの音楽が聴こえる。もうそろそろMBAの電源が切れそうだ。
できるなら女性がいかにすばらしいそんざいであるか、僕自身の言葉で書いてみたかった。
彼女たちは天使だが、天使という言葉では決して語り得ない。
でも童貞と言う呪縛から解放されない上そんなことも夢のまた夢。