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酸化銅の炭による還元
酸化銅を炭で還元できるのは イオン結合である酸化銅に比べ、共有結合である二酸化炭素のほうが結合が強いからですか? 先日実験があってなぜ結びつきやすさに違いがあるのか気になって調べていたので 質問させていただきます。
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結構前のご質問なので、もう解決なさっていると思いますが、補足程度まで。 イオン結合と共有結合で結合の強さが違うというのは間違いです。 強いイオン結合もあれば、弱い共有結合もあります。 たとえば、食塩の結合は非常に強いです。塩化ナトリウムの融点は1400度程度です。水に簡単に溶けるじゃないか?と言われるかもしれませんが、あれはイオンの水和による極端に大きな安定化エネルギーの作用が効いています。イオン結晶の結合エネルギーの議論にはなりません。 一方、室温付近の熱エネルギーで切れてしまう共有結合もあります。非常に特殊な例ですが、ある種の炭素ー炭素結合は平衡的にホモリシスしてラジカルを与えます。もっとよくある例だと、高周期元素になると共有結合のエネルギーが数十キロカロリーしかないものが頻繁にあります。 質問者さんのお考え(結合の強さが重要)というのは正しいのですが、それが結合の種類に依存しているというのは間違いです。 なお、CO2のC-O結合は極めて強い結合ですので、これが生じることが反応のドライビングフォースではないか?というお考えには賛同します。ただ、同時に生じる単体銅の金属結合エネルギーがけっこう強いこと、および銅がそもそも貴な金属で還元されやすいことも忘れてはいけないでしょう。 さらに言うと、反応の前後での結合の強さや安定性の議論と、実際に反応が進みうるかということは全く別の議論です。 よく知られている例として、水素と酸素から水ができる反応は極めて大きな発熱反応なので進んで良いのですが、混ぜただけでは何も起こりません。 反応の熱力学と、反応の速度論を誤解している議論をたまにみかけますが、注意が必要です。
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- LesAdieux
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単純に結合エネルギーだけでは言えないのですよ。 C=Oは804kJ/molありますから強い結合といえますが、 O-Hは463kJ/molですが、CuO + H2 → Cu + H2Oで銅を還元できます。 Cuはイオン化傾向が比較的小さいので還元しやすいということもあります。 活性化エネルギーがそれほど大きく無いので加熱程度で還元可能だとも言えます。 このあたりは理由が単純ではないのでなかなか難しいのです。
お礼
分かりやすくありがとうございます。勉強していきます。
お礼
結合の種類と強さは違うのですね。 ありがとうございます。