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音楽関係者の方について

gldfishの回答

  • gldfish
  • ベストアンサー率41% (2895/6955)
回答No.2

「全て」というのは現実的に不可能です。その作品や作曲家についての「背景」は、研究者によってもかなり見解が違ってきますし、その時々で発見された記録(書簡や、本人・知人・子孫の発言)によってもどんどん「事実」は変わっていきます。それから、よく知られたネタから、専門家の間でも殆ど知られていないネタまで、認知度にもかなり差があります。デマや謝った事実も大変多いです。専門家でもそれを見抜くことは困難です。 要するに、人1人の人生を語るのに「それが完璧に全てまとめられた本」なんて存在しない訳ですから、当然と言えば当然。 では、プロの音楽家なら「作品・作曲家の背景について、たくさん知っているのか」というと、これも違うと思います。 その大きな理由としてはまず、クラシック音楽といえど「単なる音楽」であることが前提にあると思います。音楽(もしくは表現作品の全て)は「それ1つ」で成り立つべきものであって、それについてのエピソード(解説書)は「おまけ」でしかない、という考え方です。演奏家も、そんなシンプルなものを「シンプルに具現化する」人でしかありません。 そう考えると、「背景」というものを知ることが必ずしも不可欠ではないということに自動的になると思います。例えば日本や米国に比べヨーロッパの演奏コンクールでは個性や革新が尊ばれる傾向にあるようですが、むしろ伝統的・一般的に伝えられている「作曲家・作品の背景」を知ってしまうことが、その演奏者の足かせになることは大いにあると思います。 では、プロ演奏家はなぜ作品・作曲家の背景についてのウンチクを語るのか? それも含めて、演奏家本人が解釈し選択した結果でしかないと思います。 確かに、作品や作曲家の性質上、その時の作曲家の置かれていた状況や思いというのを重視しなければならないものはあります。例えば、「悲愴」というテーマがしっかり掲げられているのに、その意図を無視するというのは難しいでしょう。特に「作曲家の掲げるテーマ・思いに、お行儀良く忠実に演奏すべき」と考えているような作曲家や時代の作品であればなおさらです。ただこれも一作曲家の性格でしかなく、作品によっては即興的な趣や、演奏者のセンスが尊重されるものもあります。一方でラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」のように、タイトルが単なる言葉遊びでしかないものもあります。こういう場合、「昔のスペインのマルガリータ王女のことだと言われている」といった情報はむしろ余計になる場合もあります。 勿論、どんな「作り話」や「デマ」でも演奏家の表現のプラスになることも充分あると思います。 ・・・こうなると「背景」というものがどのくらい重要なものなの?という結論にも行き着くと思います。 それから、演奏者にも好みがあり、勿論評価している芸術家・作品については詳しくなるでしょうが、 モーツァルト嫌いのグールドがそこまでモーツァルトやその作品に詳しかったとは自分は到底思えません。そういった部分で、「知って演奏するか、知らずに演奏するか」にまた差が出てくると思います。 「○○とはこういうもの」という枠にはめ過ぎるのは、それこそ「芸術」といったものに相反する姿勢です。 例え素人であっても、そのジャンルにより深くのめり込みたいなら、「何が正しくて、何が必要か」を自分で判断するくらいの力が必要だと思いますよ。 逆に言うと、「クラシックとはこういうもので、この作品はこれがテーマだと、先生が言うから」等と言われた通りにしかしないのは「芸術」にあらず、単なる「お稽古事」。そんな人はそれこそクラシック業界で一流の「音楽関係者」にはなれないタイプの人です。(なれと言ってるわけではありませんあしからず。)

kirakiraaruku
質問者

お礼

なるほど、回答ありがとうございます。 参考になりました。 (^-^)

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