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砲撃に遭った会津城は何故燃えなかった?
現存する写真から想像するに、戊辰戦争(会津戦争)で、会津城は大量の砲撃に遭いながら、火災を起こさなかったように見えるのですが、当時の大砲はただ鉛玉を遠くに飛ばすだけで爆発はしなかったのでしょうか?
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砲弾マニアがお答えします。 当時の一般的な砲弾は3種類ありますが、ほとんどが内部に火薬を詰めた炸裂弾です。 火災が起きなかったのは城の建物が土と石と漆喰で固められ防火対策されていたこと。 また当時の火薬が黒色火薬で燃焼温度が低く城郭の太い木材に直接着火するほどの高温を 出せなかった為のようです。 以下に当時使われた3種類の砲弾について説明しておきます。 一つ目は球形の弾です。これはライフル溝の無い旧式の、ただの青銅の筒みたいな 大砲で発射されます。砲弾の内部は空洞で火薬や金属片が詰められています。 一か所に穴があって、そこに火縄が仕込まれた木の筒が押し込まれ 大砲を撃った時の発射火薬の燃焼で火縄に火が付いて燃えながら飛んでいきます。 命中したあとはゴロンと転がり火縄が燃えつきて砲弾の中の火薬に火が移るとドカン! まあ言ってみれば鉄で作った打ち上げ花火の玉みたいなものです。 二つ目は少し細長い椎の実型の砲弾で表面には鉛や黄銅のイボが付いています。 これは四斤砲(ナポレオン3世が使ったことからナポレオン砲とも呼ばれ、 弾が低い弾道で飛ぶカノン砲に近いものです。) それと弥助砲(薩摩の大山弥助が制作した大砲で弾が高い弾道で飛ぶ 榴弾砲に近いものです。)この2種類の大砲で使われました。 四斤砲は両軍ともに持っていて、当時の主力火砲でした。 この砲弾を打ち出す大砲は施錠式前装砲といわれます。 砲弾は大砲の弾が出ていく砲口から、砲弾のイボイボを 砲身のライフル溝(螺旋状の溝)に合わせ回しながら押し込みます。 砲弾と砲身の間には隙間があり、そこから発射ガスが漏れてしまうので あまり遠くまで飛ばすのは無理です。 この砲弾も中空で中に火薬と金属片が詰められています。 砲弾の先端には木栓と鉄釘と雷管で作られた初期の信管が付いていて 命中すると鉄釘が雷管を叩き火薬に点火されドカン! まあ言ってみれば鉄で作ったどでかい癇癪玉ですね。 最後の一種類がアームストロング砲の弾です。この弾は他の弾の 6分目くらいの大きさでや火薬の量も半分くらいですから威力は少ないのですが やはり火薬と金属片が込められていて先端には信管が付いてます。当たればドカン! これが遠くまで飛ぶんです。 この大砲は後装式と言って大砲の根元の蓋を開けてそこから弾を込めます。 砲弾には鉛が巻かれていて、この鉛が砲身のライフルに食い込みます。 前装式のように砲身と砲弾の隙間からガスが漏れないので 遠くまで飛びます。こちらが撃った砲弾が届かないところから撃ってきますから 困った存在です。最新式だったので随分有名ですが数も少なく それほど活躍していないようです。 つまり当時はどの種類の大砲の弾にもや火薬と金属片が込められ命中したときか あるいはドスンと落ちて火縄が燃えてからか、ドカンと爆発したんです。 もちろん特別な用途で城の門を打ち抜くとか防護壁を崩すときは 火薬の無い無垢の金属弾を使いました、それは一部です。 アメリカでは南北戦争が終わり、ヨーロッパでは普仏戦争が間近です。 時代はもはや爆発しない鉛弾を撃ちあうほど長閑ではありませんでした。
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- pri_tama
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篭城した女性たちが「焼玉押さえ」と言われた、未爆発の砲弾に濡れた布団や着物で砲弾を冷やして爆発や火事を防いだなんて話しが有ったと思うのですが…。 (当時の砲弾の信管はまだ未熟だったので着弾後しばらくしないと爆発しない物が多かった…。) 後に大山巌(砲弾を撃ち込んでいた当事者)の妻になる捨松も当時、この作業に従事して大怪我したそうです。
お礼
ご回答ありがとうございます、確かにそのようなシーンがありましたね。ただ、その方法が失敗した場合、どのような状態になるのか、が想像がつかず、質問させて頂きました。
- PopoAmin
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すみません追記です。 火災はですね、実は何度か発生しているらしいですが 消し止められたとのことです。 幸運にも火災発生場所がそれほど消火困難な場所では なかったということでしょうか。 火災原因としては焼き玉が原因だったと言われますが不確実です No.3の回答者が触れておられるとおり、 4斤砲や弥助砲アームストロング砲の砲弾が 城の壁で炸裂してしまったというのはその通りです。 今に会津戦争終結後の鶴ヶ城の写真を見ても 砲弾が城の壁面で炸裂してしまったことがよくわかります。傷が浅いんです。 砲弾は壁にめり込んでから爆発しないと堅固な防壁を崩すのが難しいのですが これらの砲弾は火縄式の球形弾以外は瞬発信管ですから壁面に命中したら ただちに爆発してしまったんですね。 球形弾は壁にめり込む貫通力が足りません。 かなりの量のアームストロング砲弾が無垢の弾であったというのも うなづけます。と言うのは4斤砲弾で無垢の弾はあまり残っていないのですが アームストロング弾は無垢のものが相当数残っているんです。 パロット砲については浅学にしてお答えできません。
お礼
追記ありがとうございます。
- PENPENMAKKY
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小田山の砲台から会津の城って射程ギリギリなんですよ そもそも砲弾がほとんど届きません 特に炸裂弾である四斤山砲は貫通力に乏しくて届いても壁で爆発してしまったんです 貫通力のあったアームストロング砲は6ポンドの徹甲弾貫通するだけ(小さな穴が開いた程度) 最後に持ち込んだパロットライフルで大きな破壊に至ります 大砲の弾は鉄製ですよ 焼玉という方法があるのですが、それは臼砲という大砲を用います ですが、会津戦争には間に合いませんでした
お礼
鉄製、ですね、大変失礼を致しました。城という戦国時代の要塞と、大砲という近代的な武器の攻防が何とも噛み合わない感じがして、変な質問をしてしまいました。ご回答ありがとうございました。
鉄の玉を打ち込んでるだけなので、着弾した場所に火の気がない限り燃えません。 テレビで燃えたり爆発してるのは、ただの演出です。
お礼
ありがとうございます、実際の様子を想像するのはなかなか難しいことだと改めて思いました。
- jkpawapuro
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爆発はしますが、焼夷弾ではなく榴弾ですので、基本的に鉄の破片(破片というか殺傷目的の鉄片ですが)をまわりに吹き飛ばすだけです。 延焼を起こす効果はありません。 あと城の表面って瓦やしっくいですし、中では人が消火に回ってますし、そう簡単に燃えませんよ。
お礼
ありがとうございました、漆喰は意外と強いのですね。
お礼
詳しい御説明ありがとうございます!