回転翼機の翼端渦について

このQ&Aのポイント
  • 回転翼機の翼端渦とは何か?
  • なぜ回転翼機では翼端渦を増幅させるのか?
  • プロペラ機でも同様な形状のブレードを使用すると効率的な推進力を得られるのか?
回答を見る
  • ベストアンサー

回転翼機の翼端渦について

いつもお世話になっております。 中途半端な飛行機好きの疑問です。 先日某回転翼機のメンテナンス工場を見学させて頂いた際、 メインローターの先端の形がとても特殊な形をしていました。 質問をすると翼端渦を増幅させるためとだけ説明を受けましたが、 それ以上の詳しいことは教えていただけませんでした。 ここで皆様のご意見を伺いたいのが、 (1)固定翼機の場合は翼端渦を軽減するためにウイングレットやウイングチップという装置がつけられているのに、 どうして回転翼機の場合は逆に増幅させようとしているのか? (2)プロペラ機も同様な形にブレードをすると、効率よく推進力を得ることができるのか? 以上2点お願いいたします。 参考までにウィキペディアにあったブレードの写真を添付しておきます。

  • adgbr
  • お礼率80% (8/10)
  • 科学
  • 回答数3
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • funflier
  • ベストアンサー率80% (375/467)
回答No.1

話題にされているのは恐らくこの「BERP BLADE」の事だと思いますが、 http://en.wikipedia.org/wiki/BERP_rotor 「>それ以上の詳しいことは教えていただけませんでした」のは、これは 説明がどうしても簡単には出来ないからだと思います。正直難しいです。 私も理解した部分だけでも説明しようとすると、相当な量になることに気付き ましたので極力簡単にします。 多分前提として知っていなくてはならない主なこととして、 ・ヘリコプターの前進時の最大迎え角が後退側ブレード先端にある事実と理由。 ・ヘリコプターの前進最大速度が制限される理由。 があります。これらは、ヘリコプターの前進速度を上げるには「前進側ブレード の衝撃波発生を遅らす」ことと「後退側ブレード失速を遅らすこと」が必要で ある理由で今回最も関係することです。 ここで「BERP BLADE」について見ると、どう作用するのかがあります。 http://terpconnect.umd.edu/~leishman/Aero/berp.html (翻訳サイトでは相当無茶苦茶な訳になります。またこの文中、「diskontinuity」 は「discontinuity」のミススペルです。) この中で「渦(vortex)」を積極的に発生させる理由ですが、「デルタ翼の様に (as on a delta wing aircraft)」、安定した渦が形成され、これが前進側 ブレードの圧縮性の影響を減らし(reducing compressibility effects on the advancing blade )、後退側の失速を遅らす( delaying the onset of retreating blade stall)のだそうです。これが起こる理由については文面だけ では私も理解出来ませんので、ここでは「そういうもの」として理解して頂く しかありません。 ご質問の項目については、 >(1)固定翼機の場合は翼端渦を軽減するためにウイングレットやウイング >チップという装置がつけられているのに、どうして回転翼機の場合は逆に >増幅させようとしているのか? 「目的が違う」からということになります。翼端渦の強制発生は決して抗力減 にならない筈ですが、「失速を遅らす」ことには効果があります。例えば前術の デルタ翼の発生する渦です。一般的な主翼よりも大きい失速角を得ます。 http://en.wikipedia.org/wiki/Vortex_lift 揚抗比を犠牲にしてでも他のメリットを取っています。ヘリの場合は前進時の ブレード衝撃波問題と失速問題が先に来ているので、この解決策に「渦発生」を 選んだからということになると考えます。 >(2)プロペラ機も同様な形にブレードをすると、効率よく推進力を得ること >ができるのか? 既にお解かりの様に、ヘリコプター独自の問題解決の為の手段なので、プロペラ にそのまま適用出来るものではありません。もともと、「基本止まった空気」を 相手にするヘリのローターと「空気に速度を持って当たる」プロペラでは考えが 異なります。ローターのねじり下げ(wash-out)とプロペラのねじり(twist) も理由は違います。これは以前回答に書いたことがあります。 http://okwave.jp/qa/q5683030.html http://okwave.jp/qa/q7735479.html プロペラでは衝撃波発生を遅らせるには現在別の形状が用いられています。 http://en.wikipedia.org/wiki/Scimitar_propeller http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3

adgbr
質問者

お礼

funflierさん とても詳しく、またご丁寧にご回答いただきありがとうございました。 自分は固定翼機の方はそれなりに知識はあったのですが、 回転翼機はまったくで、理解するのにそれなりに勉強が必要でした。 少々時間はかかりましたが、仕組みや翼端渦の意外な特性も理解し、 自分でも納得することができ、今はすっきりとした気分です。 どうもありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • funflier
  • ベストアンサー率80% (375/467)
回答No.3

No.1・2です。原型機名称で「UH-60/ブラックホーク」と書いてしまって いましたが、正しくは「SH-60/ シーホーク」、このブレードを採用して いる機体については型式どおり「SH-60K」と呼称すべきでした。 訂正します。

  • funflier
  • ベストアンサー率80% (375/467)
回答No.2

No.1です。判明した事があるので追記します。 ご質問の添付画像はUH-60Kのものなのですね。 http://ja.wikipedia.org/wiki/SH-60K_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#.E9.AB.98.E6.80.A7.E8.83.BD.E3.83.A1.E3.82.A4.E3.83.B3.E3.83.AD.E3.83.BC.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.82.B7.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.A0 写真では「上から見て左回り」なので右回りであるユーロコプターの 騒音軽減のための「BLUE EDGE」では無いので、 http://www.wired.com/autopia/2010/02/eurocopter-moves-one-step-closer-to-whisper-mode/ 「BERP BLADE」の話と思ったのですが、ブラックホークの話でしたらこの名称 ではありませんでした。訂正します。 しかし、この「高性能メインローターシステム」は根本的には同じ技術と 思われます。この「渦」発生によって得られる効果は、 1)衝撃波発生を遅らす。これは前進側ブレードがもっと速く前進出来る。 2)失速を遅らす。これは後退側ブレードが失速しにくくなるので、より  大きい迎え角(ピッチ)を取ることが出来、最大揚力が増す。 端的に言えば「既存ローターよりも速く飛べ、よりペイロードが積める」 ことになります。これを前回のリンクでは「フライトエンベロープの増加」 が得られる、と言っています。 一方冒頭のwikiや三菱の公表するところによると、 http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/425/425208.pdf 同じ効果が得られています。ただリンクスはこれにより高速化も実現した のに比べ、UH-60はペイロードの増加を主眼にした様です。事情は双方 変わらない筈ですが、やはり渦発生は抗力増加であって必要馬力は増す のでエンジン利用馬力がついていかない場合は速度低下になり、UH-60では 返って最大速度が低下する、という結果になっているものと考えます。

関連するQ&A

  • 翼の誘導抵抗について

    誘導抵抗は、三次元翼には発生して、二次元翼には発生しないのはなぜなのでしょうか? 二次元翼の場合は、奥行き方向は無限遠と考えているから、翼の先端が存在しない。つまり、翼端の下面から上面に回り込む渦が存在しないため、吹き降ろし速度が発生しないから、、、という考えでよろしいのでしょうか? いまいちイメージが掴みにくいです; どなたか教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

  • 誘導抵抗が少ない翼端形状は?

    旅客機などでは、ウイングレットやレイクド・ウイングチップが誘導抵抗を減らせるということでもてはやされています。 古くは、楕円翼が効率が良いとも言われています。 ウイングレットや戦闘機の翼端の増装タンクが誘導抵抗を減らす効果があるとも言われています。 多分、圧力の高い翼下面から、翼上面への流れをせき止める効果があるのではと思いますが。 1)レイクド・ウイングチップは、どのような理由で誘導抵抗が減るのでしょうか? 2)カモメやあほうどりのような海鳥は高アスペクトレシオと翼端が尖った形状(燕もそうですね)で、いかにも誘導抵抗が少なそうですが、おなじように滑空を得意とする鷲、コンドル、鳶などでは、風切羽を開いたような翼端をもっていますが、これも同じような効果があるのでしょうか? あるとすればどのような理由でしょうか? 3)旅客機のような高速度ではなく、模型飛行機のように低レイノルズ指数の飛行体で、最も誘導抵抗が減るのは、どのような翼端形状なのでしょうか? 特に3)についての回答を得られると嬉しいです。 よろしくお願いします。

  • B777にウィングレットが装着されていない理由

    B747-400、MD11、A330、A340など、現在の国際線旅客機のほとんどにウイングレットが装着されています。ウィングレットは翼端に発生する渦を無くして抵抗を少なくし、航空機の燃費向上に効果があると聞いております。しかしながら、B777にはウイングレットは装着されていません。何故なのでしょうか? 以前、同様な質問があり、長距離タイプのB777-200LR、B777-300ERにはレイクドウイングチップが装着されていることは分かりました。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3563743.html でも、LRやERでないB777-200(←よく乗ります)やB777-300に装着されて無い理由が分かりません。ウイングレットは短距離飛行の場合はあまり効果がないと聞いていますが、B777-200、-300は航続距離が10000Kmぐらいあり、ウイングレット装着の効果があるのではないかと思います。 航空機に詳しい方、もしご存知でしたら、教えてください。

  • 単発プロペラ機の回転トルク

    今迄何の疑問も持たなかったのですが、フッと疑問が湧いてきました。 単発プロペラ機の場合、機体に対してプロペラの回転と逆方向に力が働く(反作用)はずですよね? 慣性モーメントが桁違いですから、最初は機体はほとんど動かないでしょうが、時間が経つに従って(たとえ弱い力でも)機体はプロペラと逆方向に徐々に回転し始めるはずではないですか? ヘリコプタの場合も同じことが考えられるのですが、ヘリでは機尾にメインロータと直角方向に回転するペラがあるので、この遠心力により機体の回転は止められています。 単発プロペラ機はどういう力で(機体の)回転が抑えられているのでしょう? わかりやすく説明していただけると有難いです。

  • 飛行機の翼の端っこが曲がってる?

    どこのカテゴリに投稿するべきか迷ったので、場違いでしたらすみません; 先日、羽田⇔松山の往復で飛行機に乗りました。 JALの飛行機で、行き帰りどちらとも翼がよく見える位置に乗ったのですが ふと翼の先端を見ると、垂直に近いくらいに反り返っていて。 ちょうど、紙飛行機を遠くに飛ばしたい時に折る、みたいな感じになっていて、飛行機に乗るのは久しぶりだったこともあり 「へえー最近の飛行機はこんな風になってるんだなあ」と他の飛行機も見てみたのですが、他の飛行機は先端までまっすぐな翼でした。 じゃあ珍しい飛行機に乗ったのかな、とも思ったのですが、往復共に同じ形の翼でしたし 帰りは二日も後に乗っているので、行きと同じ機体とは思えないし、けれども羽田に到着して周りの飛行機を見ると、やはり見た限りではまっすぐな翼ばかりでした。 …と、ちょっと言葉で説明するのが下手なのでわかりにくいかもしれないのですが 飛行機の翼の形状は、結構色々あるのでしょうか?それとも、反り返っているのは珍しく、私はたまたま行き帰り同じ機体に乗ったのでしょうか? はたまた、羽田⇔松山間は何か特別な事情があって、わざわざ反り返っている翼なのでしょうか? そして、反り返っているのはやはり何か意味があって…?それとも単なるファッションなのでしょうか…? 下らない質問で恐縮です;子供電話相談室みたいになってしまいました; どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらお教え頂けましたら幸いです。

  • この飛行機について教えてください!

    こんにちは。 この飛行機はなんという形でどこの所属でしょうか。 知っている方は是非教えてください。 ちょっと小さいので見にくくてすみません。 翼の先端が折れているように見えます。 よろしくお願いします_(_^_)_

  • アメリカの小型前進翼機longezなどについて

    アメリカ人でたぶんボイジャー?世界一周の飛行機を設計したrutanなる人がいるのですが彼の設計した全身翼機1~4人乗りまである小型機ですがカナード型で胴体後ろにエンジンとプロペラをつけた形なのですが、私はこれがかなり気に入ってるのですが、いわゆる自作機でFAAの単発機として耐空証明を受けてないような感じなのですが、なにかできない理由があるのでしょうか?わかる方いたら教えてください。またそのた購入費用等詳しいかたがいたらお願いいたします。

  • 第二次大戦中の飛行機の翼型について。

    かなり古いものですが航空機の図鑑を見ていて、ちょっと不思議に思ったので質問させていただきます。 表題にあるように第二次大戦ごろの飛行機の翼の形なんですが、主翼・水平尾翼・垂直尾翼のどれもが、どこの機体でも申し合わせたように翼端が大きな円弧を描くように丸くなっているのはなぜでしょうか?作るうえでは明らかに製造過程が複雑になりそうですし、亜音速にも達しない速度で衝撃波対策でもないでしょうし、翼の付け根を丸くするのなら応力の集中を防ぐとか空気抵抗の減少とかある程度の想像も付きますが、翼端となるとちょっと考え付きません。一部の例外はあるものの、戦闘機でも輸送機でも申し合わせたように丸めてあるのは不思議です。現在の航空機ではほとんど見ないところを見るとあまり有効ではなかったのかもしれませんが、何か理由があったと思うのですが、ご存知方がいらしたら教えていただけると幸いです。

  • 安い飛行機のラジコン

    こんばんは! おもちゃ屋さんに行くと発泡スチロールみたいな素材で出来たラジコンがあるのですが、知っている人は居ますか?飛行機やヘリコプターの形をした。 このラジコンには「プロペラが一つ」のやつと、「左右の翼に一つずつ計2つ」のプロペラのタイプがあるのですがどっちの方が操縦が簡単なのでしょうか?

  • ヘリコプターについて

    ヘリコプターについて質問させて下さいませ。プロペラが回転することによって上昇・・これはわかります。後部ローターによって、機体そのものがクルクル回転するのを防いでいるのもわかります。。上に上昇する仕組みはわかるのですが、ヘリコプターがなぜ前進できるのかがわかりません(>_<) なにか、前に進むための推進装置のようなものがついているのでしょうか??無知な質問ですみません!どうかよろしくお願いします!!