- ベストアンサー
家の解体と隣の家
- 市の道路拡張に伴う用地買収で、長年住み慣れた親の代からの家を市に買い上げてもらい別の場所に新築移転しました。
- しかし、解体する段階で問題が発生しました。隣の家が古く傾斜しており、当方の建物を壊すと耐久性に影響が出る可能性があります。
- 市は前の建物は壊しても隣に影響がないため、とりあえず後の木造は残したままでもよいと承諾しましたが、建物が残っていると敷地部分の売却や駐車場経営ができない問題があります。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
状況が十分に理解できていないのですが,単純そうで厄介な問題だと思われます。 まず,市が介入してくれないのは当然のことで,市としては,更地になった土地を引き渡すという契約をしていますから,更地になるところまでは売主の責任範囲ということになります。 隣の家が古くて,古いがために傾いてきているということであれば,こちらの家を解体したために支えがなくなって傾きがひどくなったとしても,それは隣の家が古いがためで,こちらの家の解体とは関係がないとして突っぱねることも可能です。「可能です」というのは,あとで裁判で争った上で,裁判所からそういう判断がされることもあるという意味に受け取ってください。 しかし,そうではなくて,家を解体したために,解体工事の振動のためや,解体したために地盤が緩んだために家の傾きがひどくなったとして,あなたに責任が生じる可能性もあります。 さらに,そのようなことがなくても,隣の家があなたの家に寄りかかっている状態があれば,支えを取り除いたというだけの理由で責任が生じることもないとはいえません。例えば,電車の中で隣に立っていた人が気分が悪くなって寄りかかってきた場合に,勝手に寄りかかってきたからということで,そのまま身を引いて地面に倒してしまい,けがをさせた,というようなことがあると,寄りかかってきたのが他人の責任だからといって自分の責任を免れるかどうかは,微妙なところです。 いずれにしても,隣の家が傾いたりして耐久性に問題が生じた場合には,何らかのトラブルの発生が避けられないところです。 そうなると,やはり解体工事の際に,隣の家に何らかの補強工事をしておく必要がありそうです。補強工事自体については,本来隣の家がすべきことなので,話し合いをしなければなりません。問題は家主のことですので,隣の家の家主は誰なのでしょうか。土地はアメリカにいる兄弟のものということですが,家も同じでしょうか。まずは,借家人から家賃を取っている不動産屋か管理人がいるはずですから,そのような人を通じて,コンタクトをとるようにしてはどうかと思います。 壊れそうな家の補強工事は,法律上は「保存行為」というものに当たりますので,最小限,共有者の一人の了解を取って,その人から委託を受ける形で実行することができます。その費用は,家の所有者から支払ってもらえますし,いざとなれば,家の売却代金や,極端にいえば,家賃からも,優先的に取ること(不動産保存の先取特権)ができます。 また,話し合いがつかない場合にも,それが所有者の意思に反する場合であっても必要があれば,補強工事をすることができます。これを法律上は事務管理といいます。この場合にも,所有者から,かかった費用を払い戻してもらうことができますが,全額とはいかない(特に意思に反して補強工事をした場合)ようです。 市の話で,こちらが補償する必要があるというのは,その可能性もあるという意味で,常に補償する必要があるものではありません。上に書いたように,その判断は,解体したから傾いたのか,もっぱら古いから傾いたのであって解体とは無関係なのかという点や,もっぱら古いから傾いた場合でもそれをこちらが支えてやる義務があったのかどうかという点で,微妙です。
お礼
詳しい回答と助言をありがとうございます。隣の家の家主も土地の持ち主と一緒です。隣の家主の責任において、補強工事をしてもらうよう主張できることは知りませんでした。その方向で話を進めてみます。