物理の問題.92
一般に、電気素量eのa倍の電荷をもつ粒子がVの電位差で加速されるとき、( a )eVの運動エネルギーを得る。
また、電荷Q,質量m,運動エネルギーEをもつ粒子は、その8ん同方向に垂直で一様な磁界(磁束密度B)のなかでは、半径( b )の円周上を、角速度( c )で回転する。
(1)図のように、紙面に垂直で一様な磁界のなかで、金網でつくられた2つの電極P_1,P_2が十分接近して平行に置かれている。電極P_2を設置し、電極P_1に最大電圧V、周波数fの交流電圧をかけ、極板間に電界をつくる。ただし、電極アkん以外には電界が生じないように工夫されている。図のSはイオン源であって、ここで用紙をつくる。そのために、水素の気体を電離するのであるが、その際、陽子以外に水素分子の1価の陽イオンも同時につくられる。
イオン源の外部は真空であって、イオン源を出た陽子は電界で加速され、電極を通り抜けて極板間の外側にでる。そして、陽子は円軌道を描いて再び電極間に入ってくる。陽子の角速度ω、交流電圧の周波数f,および正の整数nとの間にf=( d )の関係があれば、陽子は加速し続けられる。このとき、陽子は1回転ごとに、最大( e )eVの運動エネルギーを得て、その軌道半径は( f )なる。
なお、1価の水素イオンを加速し続けるためには、交流電圧の周波数を陽子の場合の1/2倍にしなければならない。ただし、電子の質量は陽子の質量に比べて無視できるほど小さい。
軌道半径0.2(m)のところで、1.0・10^6(eV)の運動エネルギーをもつ陽子は、加速されて半径( g )のところで、4.0×10^6(eV)に達する。この加速された陽子を外に引きだして、装置から十分離れたところにある原子番号Z=100の原子核に正面衝突させる。
この原子核を点電荷とみなすとき、陽子はその原子核との間に働くクーロン力に抗して、( h )まで接近し、その後、反対方向にはね消される。
ただし、点電荷のまわりの電位は、その電荷量に比例し、そこからの距離に反比例する。そして、電荷量が電気素量の場合、電位は電荷から1(m)離れた点で1.4・10^(-9) (V)である。また、この原子核の質量は陽子の質量に比べて十分大きいので、衝突の過程で原子核は動かないものとする。
この問題で答えは順番に
a)aV
b)r_0=√2mE/B|Q|
c)ω_0=B|Q|/m
d)円運動の半周期が交流電圧半周期の奇数倍であれば、陽子は加速し続けられる。
よってf=ω(2n-1)/2π
e)1回転で2回加速されるので、2V(eV)
f)大きく
g)円運動の半径は粒子の運動エネルギーの平方根に比例する。r_1=0.4(m)
h)クーロン力の比例定数をkとすると、題意よりke/1=1.4×10^(-9) ∴ke=1.4×10^(-9)
求める距離をxとし、加速された陽子のエネルギーをE_1(=4.0×10^6 eV) とすると、力学的エネルギー保存則より
eE_1+0=0+kZe^2/x
ここから答えを求めていっていますが、疑問なのが、まずdについてですが、なぜそのような答えになるのでしょうか。
なぜ、円運動の半周期が交流電圧の半周期の奇数倍ならよいのですか?
偶数倍とか整数倍ではだめなのでしょうか。
また問題では、電極から陽子が飛び出すとありますが、飛び出した後になぜ円軌道を描くのですか?
また円軌道を描いた後戻ってくるとありますが、どのようにして戻ってくるのでしょうか。
またhについて、ke=1.4×10^(-9)とありますが、問題にはクーロン定数をかけたものとは書いてありませんよね。
点電荷のまわりの電位は、電荷量に比例し、距離に反比例する。そしてその電荷量が電子素量の場合1.4×10^(-9)となる。
これだとe/1=1.4×10^(-9)と読み取ってしまいそうなのですが、なぜkをここで用いたのでしょうか。
またエネルギー保存則からeE_1=kZe^2/xが成り立っていますが、eE_1のE_1は運動エネルギーですよね?
運動エネルギーに電荷をかけたら何のエネルギーになるのでしょうか。
またkZe^2/xは何のエネルギーなのでしょうか…。これらの式が成り立つ理由がよくわかりません。
詳しく教えていただけると助かります。
よろしくお願い致します。