• 締切済み

よろしければ、採点いただけないでしょうか?

【問】経済学では需要に対して供給が不足している点で希少な資源が特別な収益、レントを生むと考えられている。例えば、土地自体の供給に限りがある、つまり需要の増加に対して非弾力的であるため、その所有者にレンド(ここでは地代)をもたらす。 経営戦略論ではレントは標準以上の利益率であり、戦略とはレントの絶え間ない探索だと言える。1970~1980年代半ばまで経営戦略論も経済学と同様にレントの源泉を市場に求めていた。当時の経営戦略論は経済学の影響を強く受けており、企業間の違いを企業が直面している市場価値の違いで説明する経済学的分析のアプローチがそのままナイーブに経営戦略論に持ち込まれたのである。  しかしやがて研究者たちはレントの源泉は必ずしも市場とは限らないことに気づく。市場環境の分析では、どの企業もほとんど同じ一般に利用可能な分析方法、概念的フレームワークを利用して市場環境を分析する。そのため、同じ市場環境に対しては同じ情報を収集することになり同じ情報を用いている以上、 戦略的可能性についても似た結論が導き出されてしまう。つまり市場環境分析では同じ市場に属する複数の企業はどれもが同じ戦略を採用することになってしまい、その戦略に必要な資源を要素市場から調達(購入)し、戦略を遂行すれば結果もほとんど同じになる。これでは平均以上の利益を生む源泉になどならないのだ。 それに対して、組織の分析では企業がすでにコントロールしている資源についての情報を分析するために、他の企業にとっては利用可能でない情報にアクセスすることができる。もしこれらの資源が勝ちのある製品市場戦略の遂行に使われ類似の資源が多くの企業にとってコントロールされないのであれば、その資源は競争優位の源泉になる。このタイプの組織的資産の例としては、特殊な製造ノウハウ、企業内での事業経験のユニークな組み合わせ、企業内でのマネージャーのチームワークなどがすでに指摘されていた。企業が保有しているユニークな資源によって同じ市場環境でも異なる戦略を追求する可能性があり、それが競争優位の源泉になりうる。このように市場の競争環境の分析よりむしろユニークなスキルと能力の分析から戦略的な選択が行われなければ、平均以上の利益は産めない。  すなわち当初はレントの源泉を[ ]に求めていたものが、しだいにレントの源泉を企業自身に求めるようになったのだ。本来、経営学では企業間の違いこそが本質的だったわけだから経営学の原点に回帰したとも考えられる。 (1)経営学について述べられているのはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。 【ウ】 ア 現在は平均以上の利益を生む源泉を企業自身に求めるようになってきている。 イ 企業間の違いを直面している市場環境の違いで説明するのが本質的である。 ウ 1970~1980年代半ばまでは経済学の影響をうけた戦略論を展開していた。 (2) 市場環境分析について述べられているのはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。【イ】 ア 企業がすでにコントロールしている資源についての情報を分析する。 イ 同じ市場に属する企業はどれもが同じ戦略を採用することになる。 ウ 戦略の遂行に必要な資源を調達できればレントを得る事ができる。 (3) [ ]に入れる適切な語句をア~オのからひとつ選べ。【ア】 ア 市場 イ 土地 ウ 資源 エ 組織 オ 情報 (4) 文中で述べられているものと合致するものはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。【ウ】 ア 組織の分析は市場環境分析に比べると戦略的可能性の幅が広い。 イ 戦略とは同じ市場に属する企業の中で最大の利益を探索することである。 ウ 企業が保有しているユニークなスキルや能力は競争優位の源泉になりうる

みんなの回答

  • Glory_777
  • ベストアンサー率50% (105/208)
回答No.2

たしかに、設問まぎらわしいですね。 細かい表現を見落として、何度も考え直しました。 内容を要約して追うと、 ・「企業の間の違い」に本質を見出す、経営学の中で、  経済学に影響され、戦略論を展開する人たちが、出てきた ・経済学は、市場に本質を求めるので、市場環境分析から、  経営学を考え、分析手法も安易に導入してしまった ・広まったはいいが、  各企業が、  おなじ市場を、  おなじ手法で、  分析するため、  結果も同じになり、  戦略すら同じになった (そのため、それぞれの企業にとっては、  経営戦略論、そのものの貢献価値が無くなった) ・結局、各企業の中にある、秘訣や個性から、  企業ごとに異なる戦略を見出すことが、  大事だとわかってきた。  これは「企業の間の違い」に重きを置く、  経営学の本質にもそっている。 となりますでしょうか。 (1)経営学について述べられているのはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。    【ア】【ウ】    ただし、【ア】の表現が少し気になりますね。    【ア」表現は、「現在は平均以上の利益を生む源泉を企業自身に求めるようになってきている」     文中は、「しだいにレントの源泉を企業自身に求めるようになった」     「レントは標準以上の利益率」とありますので、他文中にある「平均以上の利益を生む」と     同義として捉えるべきか、こだわるべきか。        【イ】は、文中では、経済学についての言及のようです。 (2)市場環境分析について述べられているのはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。    【イ】      【ア】は、分析対象が企業内なので、違います    【ウ】も、市場環境分析について、述べていないようです。 (3)[ ]に入れる適切な語句をア~オのからひとつ選べ    【ア】     市場の分析か、企業の分析かという対比がテーマかと。 (4)文中で述べられているものと合致するものはア~ウのどれか。複数正しい場合はすべて答えよ。    【ア】(【ウ】)      合致と言う部分で神経質になりますね。    【ア】では、「戦略的可能性の幅が広い」とされています、     「同じ市場環境でも異なる戦略を追求する可能性があり」、と記述があり、     趣旨に該当するので選びました。      【イ】では、「企業の中で最大の利益探索」とのべています。     文中では、”標準以上の利益率”の探索と述べているため、     違う話になっています。    【ウ】は、文中をよく読むと     「異なる戦略を追求する可能性があり、それが競争優位の源泉」     と続いているため、”異なる戦略の追求”が、競争優位の源泉のようです。     論説全体で、おなじ戦略ならば平均に収束するとあり、     違う戦略なら可能性あり、という論法かと。     「組織内にユニークさがあるので、違う戦略になる可能性がある」     この中で、競争優位を見つけ出す、戦略があるかもしれない。         これを、ユニーク、スキルと能力が競争優位になりえる、     としちゃっても、良いように思えますが、あくまでも説得材料であって、     明言じゃない、と言うニュアンスを感じます。

回答No.1

(1)アとウ ア、「現在は」と本文に書かれていないが 付け足してよいかどうかと考え、よいだろうと思いました。 (4)アとウ ア、市場環境分析では「同じ戦略を採用することになってしまい」、 組織の分析は「同じ市場環境でも異なる戦略を追求する可能性があり」 とあることから、後者は戦略的可能性の幅が広いと言えるだろうと思います。 他は正解しているのではないでしょうか。

関連するQ&A

専門家に質問してみよう