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バイポーラトランジスタ中の少数キャリア

NPN型のバイポーラトランジスタがあり、ベース接地で 動作させるとします。このとき、ベース層幅を Wb、ベース層中の少数キャリア拡散長をLnとしたとき Wb<<Lnとして、再結合を無視するという前提で 式計算を行ったりしますが、逆にWb>>Lnだとすると どうなってしまうのでしょうか。 トランジスタにならないというのは教わったのですが、理由が いまいち分かりません。 よろしくお願いします。

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  • LCR707
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回答No.1

 Wb<<Lnのとき、エミッタから注入された少数キャリアはベース中でほとんど再結合すること無く、コレクタに到達します。このときの電流増幅率αは  α = Ic / Ie で定義され、1よりわずかに小さな値になります。 ここで、ベース電流は  Ib = (1 - α) Ie なので、エミッタ接地における電流増幅率βは  β = α/(1 - α) であり、これはhパラメータ表記におけるhfeと同じなので、普通のトランジスタならば100~300位の値になります。つまり、電流増幅作用がある訳です。  なお、ベース接地の場合、電流の増幅はしませんが、入力インピーダンスと負荷インピーダンスの比により、電圧増幅を行う事はできます。    Wb>>Lnにした場合、注入された少数キャリアがほとんど全てベース中で再結合してしまい、コレクタに到達しない訳ですから、上記のαは0になり、βも0になります。つまり、ベース接地でもエミッタ接地の場合でも、増幅作用はありません。単に2個のPN接合ダイオードのアノードを共通にしただけの素子であり、トランジスタとは言えないだろうと思います。

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