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命題の真偽判定について
たとえば「カラスは黒い」という命題の真偽は、すべてのカラスについてその色を調べることで判定できると思われます。すべて黒であれば真であり、黒以外のものがあれば偽といえるでしょう。しかし、実際には、すべてのカラスを調べることは不可能ですので、この命題の真偽を決定することは不可能だと思われます。 では、「4の倍数は2の倍数である」という命題の真偽はどのように判定すればいいのでしょうか。カラスの色と同じ判定方法でしょうか。それとも、別な判定方法があるのでしょうか。 ご意見お願いします。
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便宜上、話を自然数に限定することにします。 4の倍数は、任意の自然数nを用いて、4nと表わすことができます。 このとき、 4n = 2 × 2n = 2m と表わすことができます。2mとはすなわち2の倍数のことですから、 命題「4の倍数は2の倍数である」は真であることが証明できました。
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- alice_44
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「黒い」を「カラス」の定義に含めた場合、「カラスは黒い」は真となりますが、 それが「A ならば A」の問題かというと、そうでもないように思います。 「黒い」を「カラス」の定義に含めるというのは、 ∀x,「x はカラスである」⇔(「x は黒い」かつ「x はそれ以外の事項も満たす」) という公理を論理系に設ける…ということです。 P⇔Q は (P⇒Q かつ Q⇒P) の略記ですから、 「x はカラスである」から「x は黒い」を導けるか?というのは、 「x はカラスである」と「x はカラスである」⇒(「x は黒い」かつ「x はそれ以外の事項も満たす」) から(「x は黒い」かつ「x はそれ以外の事項も満たす」)を導き、更に (「x は黒い」かつ「x はそれ以外の事項も満たす」)から「x は黒い」を導くのは妥当か? という問題だと言えます。 「A かつ (A ならば B)」から B を導くことと、「A かつ B」から A を導くことは、 たいていの論理系に推論規則として含まれており、当に『数学ではそう仮定する』の 筆頭事項のひとつである訳です。 それを、「ならば」と「かつ」の定義の一部と考えることも出きるでしょう。
お礼
ご意見ありがとうございます。 急に仕事が忙しくなってご返事が遅くなって申し訳ありません。 いちおう結論めいたものが浮かびましたので、ここに記載させていただきます。 「カラスは黒い」も「4の倍数は2の倍数である」もまず明らかに命題であり、この形式の命題の真偽を考えるときは、この命題を「∀x(p(x)⇒q(x))」という命題として捕らえ、ngkdddjkkさんがおっしゃるように、「p(x)の真理集合⊆q(x)の真理集合」が成り立てば「真」、成り立たなければ「偽」とすればよい、ということだと思います。この意味では、真偽の判定の考え方は同じですが、実際にこれを確かめるために、あるものがある集合の要素であるかどうかという判定において個々の命題によって事情が異なるということでしょう。「カラスは黒い」では、実際にすべてのカラスを捕まえてきて、その色を調べなければなりませんが、カラスは無限にいます(時間的に)ので、この作業を完遂することは不可能です。しかし、「4の倍数は2の倍数である」の方は、4の倍数は無限にありますが、asuncionさんやereserve67さんがおっしゃられているように、変数を利用することで、いっきょに2の倍数となることを示すことができ、真であることがわかります。 つまり、真偽の判定方法は同じだが、実際に確かめる場合は、いろいろなケースがあるということで、いちおう解決したことにしたいと思います。 なお、後半は形式的な話になってきて、こちらも面白そうで興味がありますが、とりあえず「真偽」の話からは離れそうなのでまた機会があったらということでお願いします。 皆様ご意見ありがとうございます。ベストアンサーは最初に回答をいただいたasuncionさんにしたいと思います。
- 178-tall
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>カラスの定義に「黒い」を加えると、悉皆検査からは開放されそう、というのは、調査しなくても真偽が決定されるということですね。つまり、「カラスは黒い」という命題が、「カラスは黒いならばカラスは黒い」という命題に還元できるので、論理的に真だと主張していますか。この根拠は何でしょうか。「AならばA」という主張は無条件に真だということでしょうか。 帰納による真偽決定は不可能らしいから、カラスの定義をいじり、演繹での真偽決定へとすり替えるのは可能か? 残念というか、当然というか、不可能とは断じきれない。もともと、人類の「推論体系」は手前勝手の四文字に尽きます。 定義や推論則を固めて命題群を導き出す論理ないし数理的な「推論体系」でも、定義や推論則を変えてやると、有用な新変種が生まれる可能性がある。「推論体系」に恣意性を潜入させるのは、それほど難事じゃありません。時間の計測を徹底して排除したゼノンの体系は有名な一例です。 残るのは、不倒距離の長短でしょうか? カラスの定義をいじるという「トートロジー作戦」は姑息に過ぎ、他人様が容認してくれそうも無い。スタートのとたんに行き倒れるはず。 これに対し「4 の倍数は偶数」は、当分の間、無条件に真だと信じられ続けそうです。 アホなハナシになりました。 蒙御免 (モウ、御免) 。
お礼
ご意見ありがとうございます。 急に仕事が忙しくなってご返事が遅くなって申し訳ありません。 いちおう結論めいたものが浮かびましたので、No.16のalice_44さんの回答のお礼に記載させていただきました。
- 178-tall
- ベストアンサー率43% (762/1732)
>「カラスの色」も人類固有の「仮想現実」といえなくはありませんが、ここでは一応「現実ベッタリ」という感じで「仮想現実」ではないと強論してました。 あと一歩、「カラス」の定義目録に「羽の色は黒い」を加えれば、「カラスの色」の悉皆検証からは開放されそう。 鳥類学者などが、「羽の色」は黒くなくかつ他の定義目録は「カラス」と同一である新種の鳥を探索するのは、止められませんけど…。
お礼
ご意見ありがとうございます。 カラスの定義に「黒い」を加えると、悉皆検査からは開放されそう、というのは、調査しなくても真偽が決定されるということですね。つまり、「カラスは黒い」という命題が、「カラスは黒いならばカラスは黒い」という命題に還元できるので、論理的に真だと主張していますか。この根拠は何でしょうか。「AならばA」という主張は無条件に真だということでしょうか。
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
"exaustive verification" とか「悉皆検証」とか検索するから、見つからないのでは? 普通に「全数検査」とか「シラミつぶし」とか調べてみると、イイコトあるかも。 英語であれば、"brute force method" とかね。 数学でこれが成功した例と言えば、「四色問題」が有名だと思う。 ←A No.10-11 「仮想現実」でない、真の「現実」の存在こそ、 それこそ「仮想」なのではないかと… (こっちの話は、哲学の祖先みたいな話題だから、そっち系の人が詳しいのでしょうね。)
お礼
ご意見ありがとうございます。 「四色問題」の解決は、全数検査のパターンを示したのですよね。その意味では、「4の倍数...」で、4の倍数を4nと表したのも全数検査のパターンだと思います。このように変数(この場合は、自然数(整数)を表すn)を導入して、無限を一括して認識する、ということで真偽判定できる、というのは、仮想かリアルか、という対立点ではなく、「ことば」の操作でどこまで追えるか、という問題だと思います。
- 178-tall
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>"exaustive verification"を検索してみましたが、どうもぴたっとわかる記事(しかも日本語で)にあたりません。 "exhaustive verification" そのものは、当方も不案内。 かといって、既成の「用語」をうかつに使うと、横道へ引きずり込もうと要らざる因縁をつけられそうなテーマなので、割りと当方の意見を代弁してくれそうな、見慣れぬ「用語」を借用した次第。 「仮想現実」も、未熟な分野では、"Efficient Exhaustive Verification of the Collatz Conjecture ..... " などというタイトルを見ることができます。 この内容も当方にはチンプンカンプンながら、「仮想現実」といえども、いまだに"悉皆検証" の手抜きをできずにいる分野が山盛りなのだ、とは感じさせてくれます。
- 178-tall
- ベストアンサー率43% (762/1732)
>でもその根拠は、「自然数」が「仮想現実」だからではなく、最初に回答をいただいたasuncionさんや、2回目に回答をいただいたereserve67さんの「証明」にあるように、「4の倍数」を変数nを使って4nと表したところにあるように思います。 当方の「仮想現実」は、やや常軌を逸した線引きなのでしょうね。 「カラスの色」も人類固有の「仮想現実」といえなくはありませんが、ここでは一応「現実ベッタリ」という感じで「仮想現実」ではないと強論してました。 「4」とか「4の倍数」になると、レッキとした「仮想現実」だと思ってます。 有無を言わせぬ「証明」は、この「仮想現実」の土俵でしか実行できないのじゃありませんか?
- 178-tall
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検索エンジンからの反問。 >"exhaustive verification" ではありませんか? ハイ、はい。
- 178-tall
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>「4の倍数は2の倍数である」という命題の真偽はどのように判定すればいいのでしょうか。 この例に限れば、「悉皆検証」の手抜きが可能。 …というより、手抜きの悉皆検証しかできない。 (10 進表示にかぎられるけど) 最右一桁の数字が 4 で整除可なら全体も 4 の倍数。 最右一桁が 2 で整除可なら全体も 2 の倍数。 を知っておれば、カラスの場合には避けられそうもない「悉皆検証」に挑戦する必要なく、命題の真偽を判定できている。 カラスの場合は、個別のカラスとその色を悉皆調査するしか、命題の真偽を確かめようが無い。 4 と 2 の倍数の場合、それこそ無数の対象から抽出した「自然数」という一種の「仮想現実」の体系 (完全か不完全か、という疑惑は残るだろうが…) を構築し、その中にて矛盾無く判定できているようです。 "exaustive verification" というのは、コンピュータ・ソフト業界の願望をこめたターゲット、という代物らしく、真の実現例は未達成の模様。ソフトも「仮想現実」の一体系なので、いい線行けるのかもしれませんが…。
お礼
引き続きご意見ありがとうございます。 「4の倍数...」の場合は、すべての4の倍数を調べなくてもOKということですね。確かにそう思います。でもその根拠は、「自然数」が「仮想現実」だからではなく、最初に回答をいただいたasuncionさんや、2回目に回答をいただいたereserve67さんの「証明」にあるように、「4の倍数」を変数nを使って4nと表したところにあるように思います。つまり、変数という手段によって、無数にある4の倍数が一挙にとらえられ、「4は2の倍数」、「8は2の倍数」、「12は2の倍数」、...という無数の個別の場合がいっせいに正しいことが示されたからだと思います。カラスの場合はそのような変数がないのでうまくいかないようです。 "exaustive verification"を検索してみましたが、どうもぴたっとわかる記事(しかも日本語で)にあたりません。
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
(補足への応答) 後半は、「証明されれば真」であるということは その「証明」を行う論理系自身の上では証明できない: 証明できないことがキチンと証明されている…という話です。 だから、前述のように「仮定」するしかない。 興味があれば、ゲーデルの業績について 調べてみればよいのですが、たいへん難解な代物です。 スマリヤンの書いた一般向け解説書(数種類ある) が、比較的読みやすいかも知れません。 哲学系の人が書いている本は、著者自身が 理解していないことが多く、注意が必要です。
お礼
引き続きご意見ありがとうございます。 「証明されれば真」である、の中の「証明」は多分、一定の条件をみたす命題の列のことだと思いますが、「真」は何でしょう。何かここに回答の鍵があるような気がしてきたのですが。 ゲーデルの業績についてですが、岩波文庫の「不完全性定理」を一回だけ途中まで読みましたが、何がなんだかさっぱりわからないところです。機会があったらまた読んでみます。
- graphaffine
- ベストアンサー率23% (55/232)
#5で回答したものです。 はじめにご質問に対する回答を書いておきますと、「カラス・・・」は謂わば生物学的命題(私は生物学は詳しくないが、一応命題としておきます)、「4の倍数・・・」は数学的命題というように異なる範疇の概念ですから、真偽判定が異なるのは当然です。 さらに、数学とそれ以外との大きな違いとして現実をきちんと反映しているかどうかが挙げられます。数学は飽く迄概念的体系であって現実には立脚していません。従って、「全ての4の倍数」という架空のものを意識として共有できますが、「全てのカラス」はそういうわけにはいかないことはご質問に書かれた通りです。 >「黒い」という状態は特に他の言い方をしなくても、多くの人がわかると思います。 目の不自由な人にとっても明確でしょうか。 >最後にはこれ以上説明できない言葉に到達すると思います。 その通りです。そのような言葉を無定義用語と言います。但し、インターネットでこの言葉を確認しようとしたら誤解を招く説明が多かったので注意喚起のため以下簡単に纏めます。 無定義用語の例として、点や直線などが挙げられます。が、これらが無定義(学校では説明しませんよね。或いは、簡単なイメージで済ませるでしょう)なのは、定義できないのではなく、定義していないだけです。要するに高校以下の数学では定義できるレベルに達していないということです。 大学レベルでは勿論きちんと定義します。点の定義は、「点とは・・・という条件を満たすもののことを言う」のような形になります。そして、・・・という条件の部分は1通りとは限りません。そして、この条件の異なる定義がいろいろあり、それらからいろいろな幾何学が生まれます。 従って、大学レベルで、「点は・・・のような性質を持ちますか?」などの質問は、「それはどの幾何学の話ですか」という応答が返ることになります。
お礼
引き続きご意見ありがとうございます。 異なる範疇の概念だと、真偽判定の方法が異なるということですね。まさに、その違いについて質問したつもりだったのですが。 たしかに、「黒い」という状態は、目の不自由な人にとっては明確ではないかもしれません。でも、このようにことばの意味を追求していくと、命題というのは成立しないような気がします。ほとんどすべての言明は、0歳児から3歳児ぐらいには理解できないでしょうから。 定義は説明なのでしょうか。もし、説明だとしたら、やはり、定義にあらわれていることばをさらに説明することばも必要になってきて、結局は、無意味にたどりつくような気がします。
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お礼
補足に書いたことは、実は、「お礼」ですよね。はじめての投稿で要領がよくわからなくてすみません。 あらためてお礼いたします。
補足
さっそくご意見ありがとうございます。 つまり、この命題の真偽の判定方法は、「証明できるかどうか」ということですね。 カラスの場合の真偽の判定方法とは異なるように思いますが、 「証明できる」ということが、なぜ、真であるということになるのでしょうか。