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「歴史」や「認識」も和製漢語?
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整理します。 ■背景: 中国語に逆輸入された和製漢語も少なからずある。 “中国人が「歴史」も「認識」も和製漢語だ”と言う。 ■質問: 1.“历史” は明の時代には使われていたと思う。 2.“认识” は 日本語の「認識」よりもずっと使用頻度が高く卑近な単語だと思う。 ⇒ 1.2.は正しいか?=和製漢語か否か? -------------------------- ■結論を言うと: A1.“历史” は 和製漢語の流入と考えてよさそうです。 明の頃に存在した例は未見です。 A2.“认识” は 漢語本来の用法と和製漢語の用法が現代漢語に併存する。 a.漢語の本来の用法が日用生活用語に生きている、 b.哲学?用語としての和製漢語が流入し現代漢語に生きている。 典型が毛沢東の有名な論文『実践論』文中での頻出です。 これは私の認識です、本来専門的学者に問うしかないのですが、 問題に関する自分の素養の範囲で可能な範囲で資料に当たるしかありません。 ご参考までに、ネットの範囲で可能な文献を挙げておきます。 -------------------------- ■根拠となりそうな事柄: 中国古典の用例を見る、 《中國哲學書電子化計劃》なるサイトがあります、古典のDBです。 網羅性は完璧でないにせよ主要なものは収録されており、 運営体制や原典出自の点からも信頼性充分です。 時代を《先秦兩漢》と《漢代之後》に大区分しています。 課題の語を当たってみました。 1.“历史” 《先秦兩漢》 ・・・・・・・ 用例なし 《漢代之後-明朝まで》・・・用例なし 高级汉语字典で文字の意味を再確認 歴 過ぎたること 史 官名,記す人(書記官)→ (過去の事象事例を)記したもの に転化. ⇒ 古代では “史”=現代語の“历史” “历史”は陳生保(後出)によると和製漢語。 2.“认识” 《先秦兩漢》 ・・・・・・・ 用例なし 《漢代之後-明朝まで》 ・・ 8例あり http://ctext.org/post-han/zh?searchu=%E8%AE%A4%E8%AF%86 この 8例 は何れも、前出 A2-a.の意味で使用。 即ち A2-b.の意味は歴史的にはなかった? ■和製漢語の現代中国語への輸入は多くの中国人学者自身により論じられています。当然是非については賛否両論あったのですが、反対論は時代の趨勢に消滅しています。現在の一般中国人はその事実を知る人は少なく、たまたま知った若者がネットでまた賛否を戦わせている風景もあります。 Wikiの記事で全容が分かりますが、各論の内日本語訳で分かり易いのを一件: 『中国語の中の日本語(Chinese Borrowings from the Japanese Language)』 陳 生保(Chen Sheng Bao) 上海外国語大学教授 http://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/forum/text/fn091.html 部分転記: 「現代漢語の語彙に対する日本語の影響はたいへん大きい。現代漢語における外来語の主要なるものは日本語から来ている。日本語は漢語外来語の最大の源だといっても過言ではないだろう。おびただしい数にのぼる西洋語のほとんどは、日本語を通じて現代漢語の中に導入されたのである」。その影響を具体的にいうと、次の三点が挙げられる。 •(一)、中国語の語彙の複音化のテンポを早めた。 中国の古代語 (日本でいう漢文) にも、二つまたは二つ以上の文字でできた語彙も少々あることはあるが、非常に少ない。ほとんどは一つの文字が一つの語彙になるのである。語彙の複音化、つまり二つまたは二つ以上の文字で一つの語をつくることは、中国語が古代語から現代語へ脱皮する過程での趨勢だが、日本語をはじめとする外来語の進出によってその脱皮のテンポが早められたといえる。 •(二)、語の複音化によって語義が細くなり、表現がいっそう緻密になり、正確になった。 例えば、「行」 という語は古語では 「行く」 「走る」 「行為」 「行動」 「行進」 などの意を有する多義語だったが、現代漢語では複音化によって、いくつかの語ができ、表現がもっと的確になった。 •(三)、西洋的な表現がたくさん入り、中国語のセンテンスが長くなった。 新語の大量導入、語の複音化と表現の緻密化、長文の活用など、これらはいずれも古代漢語から現代漢語への脱皮であり、中国語の進歩である。こうした中国語の進歩は、世界各国の進んだ文化の吸収、はては中国の現代化実現に役立つものであろう。 ※単に新語が流入したのみならず、現代文明に対する中国語の対応能力を高める起爆効果があった点に興味を覚えます。反対論者が漢語本来の意味を温存[註]しようとして新概念についていけなかったのに対し、社会が和製漢語を選択し発展につながったといえましょう。 註:社会、文学etc.古来の漢語と異なる意味を和製漢語が与えた.等。 ※ネットで和製漢語の記事は多くありますが、出典を明記していない引用が多く つまみ食いとごちゃまぜもあるので注意を。原典は数点に収束します。
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- TANUHACHI
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こんにちは。「歴史」の話ですが、「史」で先ず思い浮かんだのは司馬遷の「史記」と「太史公」の2つの言葉です。司馬氏は元々公式文書の管理を職掌とした家柄であるとされていますので、その末裔にあたる司馬遷がその職を継承していたと考えても不自然ではありません。 これに対し日本での文書管理や公式記録を扱う職掌は奈良時代の律令を待つ以外にはありません。この律令のシステムも中国の制度を移植した形ですから、オリジナルは中国にあることになります。こうした点を踏まえるならば、「歴史」を和製漢語とするには無理があると考える方が自然でしょう。 日本での近代歴史学の誕生は明治時代にまで遡ることになりますが、これは西洋史学のスタイルに準拠する形式です。そしてこの「歴史」にもギリシア語のHistoriaとドイツ語のGeshihiteの2種類の要素があります。簡単に言うならばHistorieは「史実としての事象」Geshihiteは「歴史叙述」にあたります。 中国の史書には紀伝体と編年体の2つのスタイルがあって、前者の代表格が人物の事跡や王朝の来歴、後者は年表形式で事象を綴るとの違いもあります。 一方の「認識」ですが、こちらは明治以後に日本に入ってきた西洋哲学に裏付けられた概念です。「認」は「みとめる」であり、「識」は「しる」ですから、こうした精神の営みを表す表記としてこの2つの文字が宛てられたとも考えられます。認めるも識るも共に人間の行為ですから、中国の伝統的な考え方(天命などの人間とは別の要素によって決定づけられるとの運命論的な発想)とは真っ向から対立することにもなります。ですので、こちらは和製漢語であるといえるでしょう。 因みに歴史の「歴」は「暦」と同じく、年を経る、積み重ねるなどの意味があり、「史」には「ふみ」として書物を指すとの意味もあり、多くの書物とそこに記された経緯などの意味があります。 「経済」の文字は江戸時代の儒学者太宰春台による『経済録』が初見とされ、そこには「凡そ天下國家を治むるを經濟と云、世を經め民を濟ふ義なり」の文言が見えますが、これは現在のeconomyとは異なり、政治・社会のあり方とそれに対する為政者の心構えや徳目などを示すものとされています。これも元は儒教ですからオリジナルは中国となります(economyとは違う意味)。 いずれにせよ、近代以前と以後では「言葉の意味や内容、使い方」も異なりますので、これが和製漢語であるとは一概にいえない問題もあります。 このあたりの問題をお知りになりたければ、岩波新書の『翻訳と日本の近代』丸山眞男・加藤周一共著をお読みになることをお勧めします。
- nebnab
- ベストアンサー率34% (795/2317)
”认识”について、中国のネット辞書「漢典」で調べてみました。 http://www.zdic.net/cd/ci/4/ZdicE8ZdicAEZdicA4337179.htm 「知っている」という現代中国語で常用する意味の文例が3点挙げられていますが、そのうちの”儿女英雄传”が一番古くて1878年(これより古い可能性も十分にありますが)発行だそうです。 http://baike.baidu.com/view/425233.htm これだけで断定するわけにはいきませんが、「認識」は和製漢語である可能性が高いと思います。 なお、日本語でも使用頻度が非常に高く卑近な単語だがその発生は新しい単語はあります。 例えば「勉強(する)」。 現在の通常の意味である「学習(する)」という意味で使われるようになったのは明治以降のはずです。 中国語の”认识”もこれと同じように考えればいいのではないでしょうか。 ちなみに、「勉強」という語は和製漢語ではなくてれっきとした本家の漢語で、現代中国語でもふつうに使います。中国語では「学習(する)」という意味はありません。「無理やり(~する)」という意味です。 http://www.zdic.net/cd/ci/9/ZdicE5Zdic8BZdic8952017.htm 質問者様にとっては蛇足であり失礼なこととは思いますが、他の閲覧者の方のために念のため付け加えておきます。どうかご容赦くださいませ。
お礼
ありがとうございます。
- kirigirios
- ベストアンサー率31% (45/144)
答になってませんが、「和製漢語」でネット検索するといろいろな情報が得られます。 「认识」は確かに現代中国語で「知る」程度の意味で頻繁に使われますよね。 「社会」は正確には和製ではなく、日本人が「society」を翻訳する際に、中国の古典にあった「社会」(「社(やしろ)の周りに人々が集まる」という意味)を当てたということを本で読んだ記憶があります。 ご参考まで。
お礼
ありがとうございます。
- poomen
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どちらも和製漢字ですね。中国人の方の「認識」は正しいですよ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E8%A3%BD%E6%BC%A2%E8%AA%9E history=歴史については「史」という一文字で表していまた。唐史や正史、史記という中国の用法を見れば明らかです。 認識は上記の例にはありませんが、哲学用語ですので間違いなく和製漢字です。
お礼
ありがとうございます。 中国語はご存知でしょうか? 「認識」については疑問です。日本語の「認識」は日本の小さい子供には難しい言葉ですが、中国語では「知っている」という小さい子供が最初に覚えるようなごく易しい基本語です。もし、フランス語をご存知なら connaîtreにほぼ対応し、savoirにほぼ対応するのは「知道」です。 それで、日本語の「認識」の意味が 中国語の「认识」にも取り入れられたという可能性は考えませんか? 英語でも globalという単語はフランス語に由来し、もともとの意味は「総括的な」という意味ですが、近年になってフランス語のglobalにも「グローバルな」という意味が取り入れられたようです。
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お礼
ありがとうございます。 >中国の古代語 (日本でいう漢文) にも、二つまたは二つ以上の文字でできた語彙も少々あることはあるが、非常に少ない。ほとんどは一つの文字が一つの語彙になるのである。 昔の中国語は声調も多かったようですね。現代の普通话では音節の最後の音を表す子音(韓国語で言うところのパッチム)が消失したために二つ以上の文字でできた語彙が増加したのと関係があるかもしれません。