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風の当たる角度による力の分力
1×1mの薄い板に正面からの風荷重が、100kgかかった場合板には100kgの荷重がかかりますが横方向に45・60度と変化した場合板は横方向へも荷重がかかりますがどの角度で最も横方向に荷重がかかるのでしょうか? 角度が変わると面積が変化しますが? 計算方法が教えてください。 単純にベクトル計算で宜しいのでしょうか?
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単純計算は出来ず、なかなか難しいと思います。題意を言い換えると、 「1m四方、即ちアスペクトレシオ1で1m^2の平板翼がある。これの 最大揚力係数を得る迎え角は何度か」 という航空力学・流体力学の問題になります。 この問題、解こうとすれば揚力及び抗力の式を使うことになります。 今、左から右に風が吹く中に、板の厚み方向/真横から見ており、この板 は左上→右下に斜めに風に当たっているとします。風方向と板が平行な時、 迎え角=α=0°であり、真正面から受けているとα=90°です。 そして風下に押される力が「抗力」で、これと直角(横方向)に作用するの が「揚力」です。 ここで使うのが以下の2本の式です。 揚力 L=1/2・ρ・V^2・S・CL 抗力 D=1/2・ρ・V^2・S・CD ρ:空気密度、海面上では 1/8kg・s^2/m^4 (重力単位系) あるいは1.225kg/m^3 (SI)として計算。(標準大気とした際) V:相対風の速度 m/s S:翼面積 m^2 CL/CD:揚力/抗力係数、翼形状と迎え角αで決まる。 ところがここで解らないことが出ます。CLとCD、及びレイノルズ数です。 飛行機の翼の場合は「あるレイノルズ数下での実験結果」として示されるの ですが、この問題ではまず流速が不明でレイノルズ数が不明です。 (レイノルズ数 Re=(V・L)/1.46 x 10^5、Lは物体の代表長さ) そして肝心のCL・CD数値が解りません。これは板厚でも違ってきますし、 実験で求められるものなので、この問題はこれらが与えられないと解けないのです。 浅いαのときはCL≒2πα(αはrad)という近似式もあるのですが、今回の 角度では使えません。一応、これが結論です。 何か近似でも解けないかと探すと、レイノルズ数10^4オーダーでの実験 があったのでこれで無理に解いてみます。よって正答ではありません。 また以下の計算はすべて重力単位系で行っておりSIではありません。 http://akita-nct.jp/libra/report/44/44042.pdf ここを見ると、「AR=1の矩形翼」が今回の四角い板に相当します。 そうしますと、横方向の力、即ち揚力は「表 1 主要な 3 次元翼特性値」 の「最大揚力係数、矩形翼、AR=1」を見ると「CLmax=1.26 、α38deg」 とあります。ここでさかのぼって最初の流速を類推します。α=90°で 受ける抗力D=100kgなのですから、同表からCDmax=1.36 を得れば D=100kg=1/2・ρ・V^2・S・CD=1/2・1/8・V^2・1・1.36 100=0.085V^2 ∴ V≒34.3m/s これを揚力に当てて計算すると、 L=1/2・ρ・V^2・S・CL=1/2・1/8・34.3^2・1・1.26 =92.64... ≒92.6 kg ですので、この実験条件下と同じであれば、 >どの角度で最も横方向に荷重がかかるのでしょうか? 言い換えると最大揚力係数の得られる角度ですので38°で92.6kgです。 >角度が変わると面積が変化しますが? 「面積」変化でなく、各係数の変化で計算します。 ただしこの計算、レイノルズ数は(34.3・1)/1.46 x10^5≒2.35x10^6 と参考にした実験とオーダーが違っていますので正しくはありません。ただ、 揚力係数はレイノルズ数ではあまり変化しないものなので、当たらずとも遠から ずとは思います。レイノルズ数が大きい程、同じαでは抗力係数が減る、即ち揚抗比 が大きくなる傾向になります。
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- funflier
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No.1です。補足を受けましたので。 >質問の意図は、図(平面図)のように板は固定して風の向きが変わった場合です。 >単純に60度で板の見付け面積が半分になりますので、(2)は60度のの向きで50kg >と考えて宜しいでしょうか? 1点確認します。一つは「相対風」(板の角度でも、風の向きの変化でも「板に対 する」風と考えます。)の向きは始め板を0°として60°に倒した向きですね? そうでないと「風から見た」面積が半分ではありませんので。 と、いうことは相対風に対しては30°の迎え角(α)ということになります。 (0°の解釈を入れ替えただけです。迎え角では始め90°です。もっとも 題意を取り違えたとしても角度数値を入れ替えれば済むのですが。) 前の回答でも使った揚力・抗力係数のグラフから、一旦α=30°での揚力と 抗力の数値を出します。(CL=1.2、CD=0.7 と読みました。) L=1/2・ρ・V^2・S・CL=1/2・1/8・34.3^2・1・1.2≒88.2kg D=1/2・ρ・V^2・S・CD=1/2・1/8・34.3^2・1・0.7≒51.5kg ここまでで、相対風から見て面積が半分となる角度、α=30°のときに 「風下に押される力」は D=51.5kgであり、「風に直角に押される力」 は88.2kgになります。確かに風下側方向には「面積半分で50kg」という 推測値と近いですが、これでは「板が平面に直角に押される力が半分」に なったとは言えません。 この場合、前回答に使った「揚力と抗力」という空気合力の分解の方法でなく、 「法線分力と接線分力」というベクトルに分解する必要があります。 ここでこのサイトを参照します。 http://fnorio.com/0113flight_to_the_sky0/flight_to_the_sky0.html (「(2)リリエンタールの測定とデータ」から) 揚力L・抗力D・法線分力Nには「N= Lcosα + Dsinα 」の関係 があるので、上記結果から、 N=88.2cos30°+51.5sin30°=88.2・√3/2 +51.5・1/2 ≒102kg となりますので、この場合板に直角に働く力は最初の半分どころか増えて いることになります。おかしな様ですが、平板翼の場合に最大になる揚力 係数の得られるα=38°で同様計算をすると L=92.6kg、D=73.5kg で N=118.2kgと2割増しにもなります。 「横方向」が接線分力のことであれば、α=30°のとき 接線分力 T=-Lsin30°+Dcos30°=-88.2・1/2+51.5・√3/2=0.5kg になります。(プラスなので風下側で板に平行な成分)これが何処で最大値に なるかは係数に法則性が無く数値をサンプリングするので難しいです。 一例ではα=15°で1.0kg、α=45°で0kg、α=60°で5.9kg、 α=75°で1.5kg、という試算は出来ました。 ただし、元にした係数データ等が実際の寸法・流速と領域が違いますし、 板の表面状態や側面厚や側面形状、風圧による変形でも変わってくる事です。 あくまで仮定の計算を行ってみただけのものとお考え下さい。また今回のもの は航空力学を基にした計算であり、建築分野でどうやってこの種の計算をしている のかは私は解っておりません。
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。基本的に計算で求められないのですね。 周りの環境に依って、風力係数が異なりますので風洞実験に頼るのが現状みたいですね。
補足
大変詳しい説明ありがとうございます。それにしても難しいですね。 申し訳ございません。質問の意図は、図(平面図)のように板は固定して風の向きが変わった場合です。 単純に60度で板の見付け面積が半分になりますので、(2)は60度のの向きで50kgと考えて宜しいでしょうか? 1m ------------------ → (2)の場合横方向にかかる荷重 (1)の場合0kg / ↑ / ↑ / ↑ (2) (1) 100kgの風荷重