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行列の正体がわかりません

noname#221368の回答

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noname#221368
noname#221368
回答No.8

 行列の理論の当初の目的は、連立1次方程式を系統的に解くためのものでした(100元でも1000元でも同じように)。で、出てきた結果を眺めると、行列は線形関数として理解すれば良いのではないか?、という話になりました。  線形関数とは何か?ですが、とりあえず1番簡単な行列、y=axを考えます。y=axの傾きaは、1行1列の行列とみなせます。y=axを関数y=f(x)と表したとき、f(x+z)=f(x)+f(z),f(kx)=kf(x)という性質は明らかですよね?。  同じように、Aを行列,yとxをベクトルとして、y=Axを考え、y=Axを一種の関数と思って、y=f(x)で表してやれば、やはりf(x+z)=f(x)+f(z),f(kx)=kf(x)を満たします。だってそうですよね・・・、   f(x+z)=A(x+z)=Ax+Az=f(x)+f(z)   (1)   f(kx)=A(kx)=kAx=kf(x)           (2) ですから。  (1)(2)を満たす、一般化された関数(大学では写像という言葉を使います)は全て、線形写像と言われます。なので行列とは、1次関数、それも原点を通る1次関数の、多次元への拡張になります。線形写像と行列は、厳密には同じではありませんが、ここでは同じと考えてOKです。  線形写像が何故重要かと言えば、1次関数は人間が厳密に計算でき、直感的にも理解できる数少ない関数だからです。なのでこれはがっちり理論化しとくべきだと、線形代数になります。  ところで、1次関数は直感的に理解できる、と書きました。y=axは確かにそうです。2次元平面に直線を1本引けば、その意味は明瞭です。そうなんですよ、直感的に理解できるのは、グラフを書けるからです。  y=Axはどうでしょう?。Aは2行2列でかまいません。xとyは2次元のベクトルです。まともにグラフを書こうとしたら、xの2次元とyは2次元分の、4次元の座標を想像する必要があります。その中に2次元の図形として埋め込まれた、y=Axの形を判断する必要に迫られます。・・・無理ですよね?。  そこで出てきた考えが、y=Axを、x→yという「点の移動」とみなそうという「ものの見方」です。これなら3次元まで絵に描けますし、4次元以上でも、Aの挙動がなんとか想像可能です。この「ものの見方」がじつは、線形代数の構築に非常に役に立ちました。  高校数学には、大学の見慣れぬ「概念」や「ものの見方」に、高校生を慣らすという目的は、確かにあると思います。そこで全体の関連は伏せておいて、トピックだけを語るという傾向も、確かにあると思います。だからわかりにくいのかも知れません。  個人的に重要と思えるのは、線形代数と大学の微積の関係です。微分って、関数を1点で1次関数化(線形化)する事だと思いませんか?。微分可能なら接線を引けますから。関数の極大,極小を調べるとき、導関数の符号を頼りに、傾き0で極大,極小を判断しますが、結局これは、接線の情報から引き出される結果です。ぐにゃぐにゃ曲がらない1次関数は、「理解できる」んですよ。  そうすると次のような手順が想像可能です。関数y=f(x)(もちろん多変数)を微分して1次関数化し、線形代数の(1次関数理論の)全面的なバックアップのもと、導関数を行列とベクトルで表して調べる。  このような意識を持っていると、陰関数定理の内容などがピンと来ます。陰関数定理は、大学の微分の山場で、「意味良くわからん」でも有名な定理です。  このような事を語ってくれたのは、森毅先生の本でした。

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