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モータのパラメータ推定において異なる計測値が得られる理由とは?
- モータのパラメータ推定には電流計測が使用されるが、FETによるHブリッジで駆動する場合、計測1と計測2で異なる値が得られることがある。
- PWM駆動による2つの計測結果を比較すると、電流計測1を使用した場合と計測2を使用した場合で巻線抵抗と逆起電圧定数に違いがある。
- FETには還流用にダイオードが入っており、内側と外側の電流には違いがあり、負荷がかかると電流計測2の値が跳ね上がる傾向がある。
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最初の質問 >私の計測はインダクタンスを考えているか否かということは分かったのですが、FETの >OFF時にGNDからモータに向かって電流が流れ、その後はどこを通ってループするの >でしょうか? これについては、まず、otootootoさんの質問に回路図が添付されてませんでしたので、 こちらで勝手に想像して回路を考えました。そのときに以下に添付した回路図の右側の縦 に接続されたP-chとN-chのFETはそれぞれ、P-chはOFFしっぱなしでN-chはONしっぱなし としてM4とM3は描かずにDCモータの右側を単純にGNDに落として説明しました。 このご質問のFETのOff時、P-chFET(M2)をOffしたときはそれまで電流がVccからM2を 通してモーターへ流れていました。この電流はモータを通ってM3のドレインからソースへ流れ GNDへ流れていました。M2がOffされた直後は今まで電流を供給していたM2の経路が 遮断されますので、M1の内臓の還流ダイオードを通してGNDから電流が供給されます。 このとき、モータにながれる電流の方向はM2がOffされる直前と同じ方向です。そして、 その電流はM2がOffされる前と同じく、M3を通ってGNDへ流れます。 ここで、もし、M3がM2に同期してON-Off制御されている場合はモータを右方向へ流れる電流 (VM端子からVM_minus端子へ)はM1のソース(GND)からM1の還流ダイオードを通ってVM へ流れ、そして、VM_minus端子へ抜け、M3はOffしていて、その還流ダイオードも極性が 逆方向なので極性が順方向のM4の還流ダイオードを経由してVccへ流れます。 >また、よくDCモータのトルクは電流に比例すると言いますが、この場合は巻線を流れる電流は >電流計測2ですので、電流計測2はトルクを表すものと言えるのでしょうか? その通りです。DCモータのトルクは電機子に流れる電流に比例しますので電流計測2の電流 に比例したトルクを発生することになり、"流計測2はトルクを表すものと言える”でしょう。 >電流計測1が充電電流のみを計測し、電流計測2は充電と放電の両方の電流を計測している、 >になるのでということしょうか?すると、2倍になるのかな?と素人考えをしたのですが、 >結果の開きは2倍よりも大きいため疑問が残ります。 まず、電流の測定ですがたとえば電流計測1の電流は添付図のId(M2)のような三角波 (三角の度合いはLの値によるが)になっていると考えられますが実際、どのように測定 されたのでしょうか? 実効値を出すために電流波形を正確に積分されて計算されたんでしょうか?モーターの 電流-I(Ia1)も同様です。きちんと波形を積分して求めた電流どうしで比較すればそんな に大きな電流値のひらきは出ないと思うんですが...。確認ください。 >この時、電流計測1は消費電流にあたると思うのですが、負荷電流>消費電流ということは、 >電圧などが異なることで入力>出力となるような計算があるのでしょうか? 流計測1の値をIin、電源電圧をVcc、モータ端子間電圧をVm、モータ電流をIm、PWMの ヂューティー比をD(D=SWがONの時間/(PWMスイッチング周期))とすれば、モータ電圧 Vmは Vm = Vcc*D (1) で得られます。ここで、モータの消費電力Pd_motorは Pd_motor = Im*Vm = Im*Vcc*D (2) と表されます。また、入力電力をPinとすればPinは Pin = Vcc*Iin (3) で得られますが、ここでPWM駆動回路の損失が小さい場合、 Pin ≒ Pd_motor (4) が成り立ちますので、式(4)に式(3)と式(2)を代入して Vcc*Iin = Im*Vcc*D これを整理して、 Iin = Im*D (5) が得られます。
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- xpopo
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>OFF時に、充電(回生)で電源へ電流を戻すのと、Hブリッジ内で電流を回すのとは、 >一般にどのような挙動の違いがあるのでしょうか?後者は投入した電力がほぼ >すべてモータで消費されるであろうこと、前者は投入した一部が電源へ戻るので >出力の調整が難しそうな印象があります。 両者は原理的には同じ現象です。OFF時の電流はその直前までモータのインダクタンス に流れていた電流エネルギーがOFF時に回路的に一番通りやすい経路を通って流される 電流です。OFF時にその電流がGND→下側FETのソース→還流ダイオード経由でその下側 FTのドレイン→モータ→OFF状態の上側FETのドレイン→還流ダイオード→その上側FET のソース→電源のプラス側と流れます。モータ自体に流れるOFF後の電流はOFF時に 「Hブリッジ内で電流を回す」場合でも同じOFF直前に流れていた電流と同じ電流が OFF後にはモータに流れますのでモータに流れる電流で見れば同じです。 OFF後に電源側へ電流が流れる場合は、電源のインピーダンスが大きいと電源電圧 がその流れ込む電流によって上昇してしまいます。しかし、通常大きなデカップ コンデンサを電源-GND間に接続しますので、このコンデンサである程度吸収してくれます。 それから、otootootoさんは質問においてこれまで実際実験されている正確な回路 を提示されてません。電気は目に見えないものです。その世界での問題を論じるのに 回路図は基本です。回路図を開示しないで質問されると、回答者は回路が完璧に出来ている 事を前提に回答します。また、回答で説明しにくい場合は、あえて回路を想像して 想定し、その回路で説明をすることもあります(今回はこのケースですが)。しかし、 問題が今回のご質問のように理屈に合わない状況の場合、回路が関係している可能性が 出てきます。正確な回路図が初めから提示されていれば、もっと回答がし易いですし。 問題の本質に早く到達できます。 正確な回路図を提示してください。
お礼
ありがとうございました。私の提示内容が不十分だったにも関わらず、手取り足取り御教授いただけて、大変勉強になりました。 今後は、自分の中で話が通らないことを質問する際には、なるべく詳細に回路図を提示したいと思います。 本当に、ありがとうございました。
- xpopo
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こんばんわ。 >「もし、M3がM2に同期してON-Off制御されている場合GND→モータ→VCCへ電流が流れる」 >ということですが、これは電池への充電(回生)を意味するのでしょうか? 電流がVccへ流れ込みますので電源が電池の場合は"充電(回生)を意味する"ってことに なると思います。 >私が以前行った実験では、対角のFETをON→全FETをOFFとする制御では、ほとんどモータを >回転させられず、結局は対角のFETをON→上側か下側のFETをONとすることにした経緯があります。 >そのとき考えていたのは、「電池の電圧を超えることが出来ず、OFF時に電流が流れないので >上手く回らないのだろう。。。」ということだったのですが、誤りなのでしょうか? 上の文章でよく分からないのは2行目の”結局は対角のFETをON→上側か下側のFETをONと することにした"という部分です。対角のFETをON状態の次の動作の時には今までONしていた 対角のFETのうち電源側のFETはOFFさせないのでしょうか? 次に、”対角のFETをON→全FETをOFFとする制御"ではモータが回転しなかったというのは 変ですね。そのときの条件が良くわかりませんので原因はなんともいえませんが...。 「電池の電圧を超えることが出来ず、OFF時に電流が流れない という事は考えにくいです。 モータ電機子のインダクタンスに流れていた電流はインダクタンスの鎖交磁束不変の法則から 電流が遮断された瞬間に今まで流れていた電流を維持しようとして高い誘導性逆起電力を 発生して何とか電流経路を確保します。ですからOFF時に電流が流れないことは考えにくいです。 >再度計りなおしたのですが、下記のようになりました。 >・Vcc=12[V]、D=0.5(Vm=6[V])、Iin=0.15[A]、Im=0.25[A]、3550[rpm] >・Vcc=12[V]、D=1.0(Vm=12[V])、Iin=0.26[A]、Im=0.18[A]、7180[rpm] >これだと、上でPin=1.8[W]、Pd_motor=1.482[W]と >上でPin=3.12[W]、Pd_motor=2.16[W]として不一致になってしまいました。 この測定結果は変ですね。特に、D=1の時の結果です。 D=1とはデューチィー100%ですからPWMのスイッチングは行われず、常に電源 のVccがモータに印加されている状態ですね。この場合は当然モータ電圧Vm はVccに等しくなります。これは測定結果もそうなってます。 この場合、IinとImはスイッチングしてませんから同じはずですが、測定結果は 異なってます。これは明らかにおかしいですね。電流の測定が変です。 >また、モータパラメータの同定も出来なさそうな状況となってしまいました。。。 モータのパラメータの測定をPWM駆動状態でわざわざ行う必要は無いと思いますが。 まず、電機子抵抗Raですが、これはモータ端子間の抵抗をモータの回転角を何箇所 か変えて測定すれば簡単に分かります。 また、逆起電力電圧定数Ke(V/rpm)はモータを無負荷で一定の電圧VMを加えて、そのときの 回転数No(rpm)とモータ電流Imを測定します。モータの電圧VMと電流Imと回転数Nmの関係は VM = Im*Ra + Nm*Ke で求められますから、上の式を変形して、 Ke(V/rpm) = (VM - Im*Ra)/No で計算できます。
補足
こんばんは。何度と無く、大変ありがとうございます。 充電(回生)は起こるはずなのですね。ここでも、不十分な実験をしてしまっていました。現在の動かし方について、分かりづらくすいません。対角のみON→上のみON(あるいは下のみON、対角でONだったうち一方はOFFへです。) OFF時に、充電(回生)で電源へ電流を戻すのと、Hブリッジ内で電流を回すのとは、一般にどのような挙動の違いがあるのでしょうか?後者は投入した電力がほぼすべてモータで消費されるであろうこと、前者は投入した一部が電源へ戻るので出力の調整が難しそうな印象があります。 測定結果がおかしいということも御指摘いただけて、安心しました。さらにしっかりと確認してみたところ、いくつか気づいたことがありました。1つ目は、電源電圧×計測1と(Vmは計測できておらず無負荷時の電源電圧×D)×計測2では、いくつかの実験結果のほとんどで0.5~0.7W程度の差があるということです。計測1のラインにはFETのゲートドライバ電流も含まれており、ここが見落としとなっていたと考えています。また、2つ目としてそれを裏付ける一因となり得そうなのが、PWMを0→100%へ10秒間で徐々に上げていった際のみ、100%到達の1秒前後では差がV字でゼロに近づき再び0.5~0.7W程度に戻ることを確認しました。 PWMが24kHz、ゲート電流1A程度、1回あたり200ns、スイッチ2箇所より、平均9.6mA(平均0.1152W)くらいになると思って無視して忘れていたので若干合わない印象なのと、2箇所の計測差の変化がPWMの100%到達前後で計2秒も掛けて変化するのが不思議です。まだ完全には追えていないので、これからしっかり見直してみます。 パラメータの推定については、自動化手順を実装してみたいという思いがあり、PWMを変化させたりしながら最小二乗法などで計算できれば良いなと考えております。
- xpopo
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今日は、 >電流計測1を用いると巻線抵抗=1.7Ω、逆起電圧定数=612rpm/Vとなり、それらしい値です。 >電流計測2を用いると巻線抵抗=0.2Ω、逆起電圧定数=595rpm/Vとなり、巻線抵抗が異常です。 電流計1を用いてもいい場合は、モータの電機子インダクタンスLaが無視しうるくらい小さい 事が条件になります。インダクタンスLaが大きいと、上側のFETがOnからOffに変化した直後 からしばらく、下側のCutOffしているFETのソース(GND)からモータに向かってインダクタンス の放電電流が流れます。 しかし、この電流は電流計測1を流れませんので、電流計測1で測定される電流は実際に モータに流れる電流より少なく測定されてしまいます。 結果、電流が実際より少なく測定されるので測定結果から計算で求められる電機子抵抗は 実際の値より大きくなります。(誤差が大きい) >FETには還流用にダイオードが入っていることになりますが、 >還流ダイオードの内側と外側の電流ではどういった意味の違いがあるのでしょうか? ご質問の還流ダイオードの内側と外側とはどういう意味でしょうか?ダイオードはn-chFET の場合、ソースからドレインの方向に内蔵されていますが、これには内側も外側もありません。 >なお、モータに負荷を掛けると、電流計測2の値が1と比べて跳ね上がる傾向にありました。 この結果から、モータのインダクタンスが無視できないほどの値あると予測されます。 負荷が増えるとモータ内部の逆起電力電圧は回転数が下がるため下がり電流が増えます。 電流が増えれば上側FETがOnからOffになる直前のインダクタンスに流れている充電電流 も大きくなります。 したがって、上側FETがOnからOffになった瞬間から下側のFET(n-ch)の還流ダイオードを 介してソース(GND)から流れるインダクタンスの放電電流も大きくなってゆきます。 しかしこの放電電流は電流計測1には流れません。結果として電流計測2の値の増加の方が 電流計測1の増加より大きくなります。 このインダクタンスが大きい場合のモータの電圧Vm、電機子電流Ia、上側FETのソース電流Is(M2)、 下側FETのドレイン電流Id(M1)をPWMスイッチング周波数fsw=4kHzの場合の波形を添付しておきます。 図-1はモータ電流が0になる区間が存在する電流不連続モードを、図-2はモータ電流が0になる 区間がちょうど無くなる臨界の状態を示してあります。 図-1ではモータの電圧V(Vm)は上側のFETがOnからOffに切り替わりその後、FET(M1)の ドレインからの放電電流Id(M1)がゼロになると0Vから逆起電力電圧V1_Eaの5Vが現れます。 この状態になると、モータの両端の電圧は逆起電力電圧がそのまま現れます。 なお、両方の図でId(M1)が還流ダイオードに流れる放電電流になります。
補足
非常に詳細にご説明いただき、ありがとうございます。 まだ分からない点がありますので、お時間があれば御回答いただければ助かります。 私の計測はインダクタンスを考えているか否かということは分かったのですが、FETのOFF時にGNDからモータに向かって電流が流れ、その後はどこを通ってループするのでしょうか? また、GNDからモータに向かって流れるということは、GNDの電位が不安定になったりするのでしょうか? てっきり、ONが継続する側の上側FETと、モータと、ON/OFFを切り替えた側の上側FETの内部ダイオードのラインでインダクタンスによる電流を流し続ける効果が生じるものと思っていました。 「内側、外側」という表現はHブリッジの内側と外側で用いていました。分かりづらい書き方となってしまい、申し訳ございません。 電流計測1が充電電流のみを計測し、電流計測2は充電と放電の両方の電流を計測している、ということになるのでしょうか?すると、2倍になるのかな?と素人考えをしたのですが、結果の開きは2倍よりも大きいため疑問が残ります。 また、よくDCモータのトルクは電流に比例すると言いますが、この場合は巻線を流れる電流は電流計測2ですので、電流計測2はトルクを表すものと言えるのでしょうか? この時、電流計測1は消費電流にあたると思うのですが、負荷電流>消費電流ということは、電圧などが異なることで入力>出力となるような計算があるのでしょうか? 質問が多くてすいません。自分の中で辻褄があっておらず、次から次へと疑問が生じてしまいました。
補足
たびたび丁寧に御説明いただき、ありがとうございます。 実は、私のPCでは本来FLASH画像の箇所が広告画像になってしまっており、添付いただいた画像が見れておりませんでした。 申し訳ありませんが、まだ分からないことがあります。 「もし、M3がM2に同期してON-Off制御されている場合GND→モータ→VCCへ電流が流れる」ということですが、これは電池への充電(回生)を意味するのでしょうか? 私が以前行った実験では、対角のFETをON→全FETをOFFとする制御では、ほとんどモータを回転させられず、結局は対角のFETをON→上側か下側のFETをONとすることにした経緯があります。 そのとき考えていたのは、「電池の電圧を超えることが出来ず、OFF時に電流が流れないので上手く回らないのだろう。。。」ということだったのですが、誤りなのでしょうか? 電流の計測は、間にコンデンサを入れてるため?か、専用ICの出力で見ているのですが、ほぼフラットな形状に見えました。 Iin = Im*Dという関係を見落としていました。 しかし、電流計測になんらかのミスが無いとは言い切れませんが、計算はまだ合わないように感じるのです。 再度計りなおしたのですが、下記のようになりました。 ・Vcc=12[V]、D=0.5(Vm=6[V])、Iin=0.15[A]、Im=0.25[A]、3550[rpm] ・Vcc=12[V]、D=1.0(Vm=12[V])、Iin=0.26[A]、Im=0.18[A]、7180[rpm] これだと、上でPin=1.8[W]、Pd_motor=1.482[W]と 上でPin=3.12[W]、Pd_motor=2.16[W]として不一致になってしまいました。 また、モータパラメータの同定も出来なさそうな状況となってしまいました。。。 電流の計測に問題がありそうですよね。。。