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ナノテクによる作成法は?

こんにちは。 ナノテクノロジーについてですが、分子・原子レベルの世界を電子顕微鏡で観察しながら物を作っていくと聞きました。 トップダウンとボトムアップの方法があるそうですね。それぞれの意味はわかりましたが、具体的にどんな方法で作製するのでしょうか? その分野のホームページを読んでもよく理解できませんでした。 なにぶん素人ですので、恐縮ですがわかりやすく説明していただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • kenojisan
  • ベストアンサー率59% (117/196)
回答No.3

 一応ナノテクノロジーと呼ばれている分野の端くれに居るものです。ご質問の件ですが、実はこの種の用語には必ずしも厳密な定義は無いのですが、  「トップダウン」これは、これまでの主流的なナノテクノロジー技術、半導体加工などで使われるリソグラフィーと呼ばれる加工技術などをイメージしています。巨大な加工前の材料を、ナノレベル(実際には10-100nmサイズですが)の精度でデバイス加工していく技術なので、大きな物から始めて微細化していくという意味でトップダウンと呼んでいます。  「ボトムアップ」これは、もともと分子や原子、あるいはその集合体であるクラスターと呼ばれるような非常に小さい物を、上手い工夫で組み上げて役に立つ材料に構築する技術を指しています。特に、最近「自己組織化」と呼ばれる、分子や原子が特定の条件のもとで一定の組織に勝手に組上がっていく技術が進んできており、その方面の研究者のアピール用語になっています。  しかし、実はどちらも従来から有る材料作製技術なんですよ。ただ、以前は高額で高度な装置を使った微細加工の手法ばかりが注目されて、フラスコや粉混ぜで作る手法が時代遅れのような扱いを受けていたのに対し、「いや、こういう手法こそエネルギー効率も良く、人や環境に優しいボトムアップ的な手法なんだ!」と巻き返した宣伝文句のようなものです。科学技術の世界でも、そうそう急に画期的な技術が産まれるわけではなくて、予算獲得のためには上手なキャッチフレーズが必要になってくるわけです。  また、ナノテクノロジーにそのものも、今から10年ぐらい前に走査型トンネル顕微鏡(STM)と呼ばれる道具を使って、原子一つ一つを好きな場所へ動かすことが出来る、これこそ究極の材料設計技術だ、ということで「アトムテクノロジー」ともてはやされたのですが。実際には、原子一つ一つを丁寧に動かしていたのではとても実用材料は作れません。そこで、従来技術の連中が、「アトムテクノロジーはオングストローム(0.1ナノメーター)のサイズの技術だが、実際の材料設計はナノメーターのレベルが重要なんだ」ってことでナノテクノロジーを対抗に出してきた経緯が有るんです。  蛇足ですが、回答1の方の「SOR」はSynchrotron-Optical-Radiationの略で、シンクロトロンと呼ばれる加速器から非常に強度が強くて位相が揃ってエネルギーの高い(波長が短い)光(電磁波と光は同じです)が得られるので、上記のリソグラフィーを行う場合に位相が揃った短い波長の光を使うほど高精度な加工が出来ることから、現在使われている可視光より微細な加工が出来るとされています。ただ、原理的には既に半導体加工で実用化されているフォトリソグラフィーと同じ技術ですし、量産性を無視すれば加工精度も現在の電子線リソグラフィーと変わらないようですよ。

ken_jp
質問者

お礼

ナノテクの世界がより理解できました。 ご回答いただいた3人の方にお礼申し上げます。 これからも宜しくお願いいたします。

その他の回答 (2)

  • neKo_deux
  • ベストアンサー率44% (5541/12319)
回答No.2

ナノテクから少し離れて説明してみますと、 トップダウン: 例えば、音楽CD。CDの記録面には微細な穴(?)が空いていて、これにレーザーを当て、その反射によって信号を読み取ります。この穴は当然ながら人間の手では開けられないので、穴をあける装置を作成します。またその装置で使用する部品が複雑な場合、その部品を作成する専用の装置が必要になります。 このように、その製品を作成する装置を作成、実はその装置は別の装置で作成…と、最終的に人間が手作業で作れる装置から、更に細かい装置を逐次作成していくような方法がトップダウンと呼ばれる方法です。 電子顕微鏡や分子、原子を扱う装置もこちらのカテゴリに入るかも知れません。 ただし、工業的には装置を作成するのは主に大量生産のためですが。 ボトムアップ: 雪の結晶を氷から彫刻刀で削りだすのは難しいです。 しかし、この複雑な形を規定するのはH2Oというシンプルな水の分子構造です。(なんか、六角形になりやすい) 一粒の砂鉄の持つ性質は、磁石にくっつくとかその程度ですが、砂鉄を集めて磁石に近づけると模様が出来ます。その模様を感光紙(日光写真)なんかに焼き付けると、手描きでは面倒なデザインが完成します。 自己組織化の場合は良い例が浮かびませんが、単純な構造のものがたくさん集まった時の性質を利用して、物を作り上げる手法です。 極端な例ですと、精子と卵子から生物を作るとか。 -- ナノテクの話だと、 ある分子ロボットAを作るのに、その分子ロボットAを作る分子ロボットBを作る、分子ロボットBを作る装置Cを作る… まず最初に作るのは、装置Xからというのがトップダウン。 ある分子ロボットAには部品abcが必要、 (abcは一箇所に集めて薬品なり電場、磁場をかけるとAが出来るような仕組み。bbcやbbbなんかが混ざっても、一部でもAが出来ればOKだったりするのがミソ。) 部品cを作るには… というのがボトムアップ。 …だったはず。

  • apple-man
  • ベストアンサー率31% (923/2913)
回答No.1

>分子・原子レベルの世界を電子顕微鏡で観察しながら物を作っていくと聞きました。 トンネル型電子顕微鏡というのを使って 原子を1つづつ移動させる方法があります。 >具体的にどんな方法で作製するのでしょうか?  SORを使った方法のことでしょうか? エッチングによる半導体の回路の作成 方法をご存知だといいのですが。  光を使わず、SOR(Scattering Orbitral Radiation)という方法で、波長の非常に 短い電磁波を発生させ、これでパタ-ン の焼き付けを行い、エッチングで 部品をつくります。

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