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両手が空くバッグはやっている?

 「東日本大震災後、テレビや雑誌などで徒歩帰宅を想定し、両手の空くリュックタイプのビジネスバッグやトートバッグが売れているとの特集を目にしましたが、実際に見かけることはあまりありません。本当にはやっているのでしょうか?」=東京都江東区の男性会社員(51)

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  • SANKEI1
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回答No.1

 ■リュックタイプの関心高まる  「背負えるタイプはないですか?」  東京都三鷹市の「鞄の専門店ヒロセ」には、3月11日の震災後、リュックタイプのビジネスバッグを買い求める客が徐々に増えたという。同店では「仕事場にもリュックで」をコンセプトに、6、7年前から手提げと肩掛けに加え、リュックひもが付いた「3ウェイ」のビジネスバッグの品ぞろえに力を入れてきたという。  広瀬充弘社長(46)は「体のバランスが良くなり腰痛や肩こりの改善にもつながるとのことで、ようやく市民権を得てきたと思っていたところに大震災が起きた」と語る。  大震災では、JR東日本や私鉄が運休するなど首都圏の交通機関はマヒした。東京都によると約9万4000人が帰宅困難者となる一方、徒歩で帰宅することを決心し、自宅を目指すビジネスマンが続出した現象は記憶に新しい。  「何時間もかけて徒歩で自宅に帰るためには、多くの人がリュックタイプのバッグが楽だと感じたのでは」と広瀬社長。客層は30代後半から50代くらいで、撥水加工が施されたタイプが売れているという。震災から半年たった今も好調というが、広瀬社長は「全体から見れば、まだまだマイノリティー」と分析する。  東急ハンズ新宿店でも震災後、リュックタイプのビジネスバッグへの問い合わせが急増。担当者は「震災前から売り上げは伸びていたが、やはりいざというときに両手を空けたいという需要が増えた」と話す。  一方、比較的、若者向けのバッグを多く取り扱う渋谷ロフトでは、震災後もリュックタイプのビジネスバッグの売れ行きに、大きな変化はないという。  一概には言えないが、中高年のビジネスマンの間で、震災後にリュックタイプのビジネスバッグへの関心が急速に高まっている状況がうかがえる。  ■女性はバッグより歩きやすさ重視  女性の間ではどうか。女性用バッグを多く取り扱う通販大手、ディノス(東京都中野区)の担当者は「震災後、バッグについてはほとんど変化はないが、震災直後に徒歩での帰宅を強いられた経験からなのか、疲れにくく歩きやすい靴が伸びている」と話す。  もともと美容や健康につながるようなコンフォートシューズの売れ行きの上昇はみられたというが、震災後は特に歩きやすさにポイントを置いた靴の動きがよくなったといい、かかとが低いタイプやクッション性に富んだタイプに人気が集まっているという。  ただ「防災グッズほど顕著な売れ行きではない」という。  「防災グッズは、防災の日(9月1日)直前の1週間で売り込む商品群だったが、今年は夏のお盆前から9月中旬まで好調で、例年の8倍ペースで売れた」。全国でグループ約420店舗を展開するイオン(千葉市)の担当者は驚きを隠せない。「いざというときに押し入れから引っ張り出す余裕はない」との声を受け、ベッドの下に収納できる四角タイプのリュックにランタンやラジオ、カンパンなど19点が入った防災セット(1万2800円)が一番の売れ筋という。  機能性だけでなく、デザインにこだわったタイプも人気だ。ディノスでは「玄関に置いてもおしゃれ」と、ピンク、黄、白、黒の4色から選べる「お洒落な防災グッズセット」(1万9900円)を7月末から売り出し、半年間の販売目標を1カ月で達成した。  震災直後と半年後では、売れ筋にも変化が生じてきている。渋谷ロフトによると、3月の売り上げトップ5は、ビスケットやカンパンなどすべて保存食だったが、9月1日以降は、携帯ストラップ付きのホイッスルが上位にランクイン。  担当者は「身動きが取れないときに自分の居場所を知らせられるほか、節電による暗い夜道での防犯対策としてもよく売れている」と人気の原因を話す。  防災グッズではないが、ディノスでは、夏にかけ、室内物干しの売れ行きが一時的に良くなったという。断定はできないが、東京電力福島第1原発事故の放射能漏れで、洗濯物を外に干したくないというニーズを反映したともいえそうだ。(河合龍一)      ◇  「社会部オンデマンド」の窓口は、MSN相談箱(http://questionbox.jp.msn.com/)内に設けられた「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメール news@sankei.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

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