化学的な「溶ける」の意味合いについて

このQ&Aのポイント
  • 化学における「溶ける」のニュアンスについて疑問があります。
  • 水溶媒中での「電離」と「拡散」は「溶ける」の噛み分け例です。
  • 金属イオンの系統分析において、PbCl2とAgClの「溶ける」特性が異なることを利用します。
回答を見る
  • ベストアンサー

化学的な「溶ける」の意味合い

御世話になっております。 過去質も一応調べましたが、少し細かそうな話なので、質問を立てました。化学に限らず恐らくは理科全般に言えるのかなぁと思うのですが、「溶ける」のニュアンスについての噛分けです。 例えば、ある方の過去質にもあるように (1)水溶媒の中で、「電離」する。 また、生物でしばしば見掛ける (2)水溶媒の中で、単位粒子が「拡散」する。 一方 (3)沈殿を生じる。つまり「溶け」ない (2)と(3)は多分対義だと思います。ただ、これらの噛分けがよく分からない具体例を挙げますと、 金属イオンの系統分析において、同じ呈色沈殿のPbCl2とAgClを見分けるための操作で、「PbCl2は水には溶けにくいが熱水にはよく溶ける」ことを利用する方法がありますが、これは(1)と(2)のどちらに当てはまるのでしょうか。系統分析は特に色が重要ですから、主観では「電離」するか、電離して何かしらのイオンも含む化合物をつくると思うのですが、どうなのでしょうか。 アドバイス下さい。宜しくお願い致します。

  • 化学
  • 回答数4
  • ありがとう数7

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • htms42
  • ベストアンサー率47% (1120/2361)
回答No.4

「溶ける」という言葉には幅があります。 「均一な分散状態が実現している」・・・これは「広い」意味での「溶ける」です。 この分散状態において溶質がどういう形で存在しているかを問題にすると意味が変わってきます。 石膏を水に溶いたとします。白いドロドロの液体が得られます。しばらく放置しても沈澱が出てくるわけではありません。「溶けた」と言います。 濾紙でろ過します。白い固体が濾紙に残ります。 白く見えるのは固体が分散していたからです。ろ液は無色透明です。 このろ液に塩化バリウム水溶液を加えます。さっと白く濁ります。 CaSO4+BaCl2⇒BaSO4↓+CaCl2 硫酸バリウムの沈澱が生じています。無色透明な水の中に濾紙を通過して来た石膏の成分が含まれていることになります。白く見えたのはCaSO4の固体です。濾紙を通り抜けたのはCa^2+とSO4^2-のイオンです。 化学で「溶ける」と言っているのはこの段階のものに対してです。「溶解度」という言葉の対象になるのもこの段階のものです。「溶解度」と「溶解度積」を関連づける時にはこの認識が前提になります。 従って、化学で「溶ける」と言っている時には「溶質を構成している基本構成粒子のレベルまでばらばらになって分散している状態が実現していること」を意味しています。 分子性物質であれば基本構成粒子は分子です。 イオン結合性物質であれば基本構成粒子は成分イオンです。 水の中に水に溶けていない固体があれば沈澱してくるはずだと普通は考えます。 しかし、固体が分散していても沈澱してこない場合があるのです。これが言葉の意味に幅が出てくる理由です。 溶解度という言葉の対象になるような「溶ける」と区別する必要があります。「コロイド」はそういう分散状態に対して使われる言葉です。 均一な溶液が濁って見えるとか、不透明であるというのはサイズの大きな粒子が分散していることを表しています。放置しても分離してこない場合は「コロイド状態」だとしていいでしょう。牛乳もマヨネーズもコロイドです。でも分散している固体のサイズが小さければ透明に見える場合があります。見ただけでは本当に溶けているのか、固体が分散しているのかが分かりません。高校の教科書には「チンダル現象」という言葉が出てきます。強い光のビーム(レーザー光線がよく使われます)をその溶液に当てると光の経路が見えるという現象です。透明なコロイドと真溶液を区別する方法として出てきます。水の中に水の10倍程度以上のサイズのものがあればチンダル現象は観察できるようです。分子のレベルまでばらばらになっているが1つの分子の大きさがチンダル現象が見える範囲にあるという例もあります。タンパク質やデンプンが溶けている場合が当てはまります。溶けているのですがコロイド粒子と同じようなふるまいをすることがあります。「分子コロイド」と呼ばれています。 透明なコロイドと不透明なコロイドの大きさの境い目は光の波長付近にあります。 グラハムのコロイドの定義には大きさの上限があります。「ろかでは分離できない」というものです。濾紙の目の大きさよりもちいさいという事です。 でも安定で均一な分散状態ということであればもっと大きなサイズのものも可能だろうと思いますのでこの定義でのコロイド状態よりも範囲が広い事になります。でも溶けているとはどういう事かについて考える時には参考になるでしょう。 これは全て高校レベルの事です。 石膏のろ過の実験は「溶けるとは」、「溶解度とは」の単元で行って来ました。

dormitory
質問者

お礼

なるほど! コロイドですか。化学IIで習う内容ですね 非常に解りやすいアドバイスありがとうございました

その他の回答 (3)

  • ORUKA1951
  • ベストアンサー率45% (5062/11036)
回答No.3

溶けているということは、混合物ですが、それは不均一なものとは違います。 化学の一番最初に、混合物、純物質・・を学んだとき、抑えようが足りなかった?  水の中で、すべて電離しているわけではありません。強電解質と呼ばれる一部の物質だけで、多くはまったく電離していないもの、一部電離しています。ショ糖は電離してませんし、炭酸水や酢酸でも一部しか電離していない。  溶液中の溶質はもこのように、イオンであったり分子であったりします。そして、溶ける量も、温度に依存するものやほとんど依存しないものがあります。まあ、水分子と相性がよいものは、水分子にくるまれてよく溶けます。強酸、強塩基に由来するイオンだったり、構造に水分子に近い形を持っていたり(ショ糖やPVA)。

dormitory
質問者

お礼

混合物と純物質の噛分けは十二分に出来ていると自負しております。牛乳=混合物でしたね。ただ、牛乳=混合物などは答えから、そういうものだとただ暗記しただけでした。では、乳糖ラクトースが水に散らばっているのか、あるいは組成を変えているのか、この辺を問われるとよく解らない……というのが現状です。 スクロースが水に一部しか「電離」しないのはその電離度に寄与するのはよくわかります。特に酸と塩基単元でこれについて深く学びますから… 自分なりによく解らないな、と思うのが、酸性下であれ塩基性下であれ、はたまた高温下であれ水溶液中のある化合物が、どのように反応するのが、一般に使われる「溶ける」に当たるのか、という点です。 アドバイスありがとうございました

noname#160321
noname#160321
回答No.2

イオン結晶は初めからイオン対ですので「溶解する」≡「電離する」です。 溶解の定義は、 「充分な時間ののち、媒体のどの部分を取ってもそこに後から加えた物質が存在する」 です。 ですから、溶けていない部分があっても溶解していることと矛盾しません。 溶液はあくまで液体で、固相と平衡関係にあっても構わないのです。 このことは固溶体の相図と対応しています。

dormitory
質問者

お礼

唸りました。丁寧且つ簡潔というか、すごく勉強になりました。 独学故にすっとこどっこいな質問をしてしまうかもしれませんが、今後もアドバイス下されば有り難いです。

  • coirn
  • ベストアンサー率57% (26/45)
回答No.1

塩化鉛(II)は、熱水中で以下のように電離して溶解します。 PbCl2 → Pb^2+ + 2 Cl^-

dormitory
質問者

お礼

溶解して電離する ではないのですか?

関連するQ&A

  • 大学で無機定性の化学実験で与えられた課題について

    実験内容 0.05MのAgNO3溶液と0.05MのPb(NO3)2溶液を0.3mLずつとり、全量が1mLになるように水を加え、それぞれの無機イオンの混合溶液を作る。 試料液に6MのHClを沈殿が完結するまで(試料を静置してできた上澄み液に試薬を加えたときに、新たな沈殿が生じなくなるまで)1滴ずつよくかき混ぜながら加える。   課題 このとき、AgClおよびPbCl2それぞれの沈殿の完結に必要とされるHClの濃度と、6MのHClを試薬として用いるとき必要とされる滴下するHClの滴下数を推定せよ。ただし、Ksp(AgCl)=8.2×10^-11 ,Ksp(PbCl2)=1.7×10^-5、HClの1滴あたりの体積=0..053mL とする。 大学で無機定性の化学実験でこの実験を行い(私が行った際はは沈殿の完結までに5滴HClを滴下しました。)、課題が与えられたのですが、課題の答えの導出過程がわかりません。 沈殿の完結というとAg+とPb2+が完全にCl-と反応して、AgCl,PbCl2の沈殿が生じるまでHClを加えたときだと考えましたが、その沈殿が溶媒に溶解することを考えたらごちゃごちゃになってしまいました。 あと、AgClおよびPbCl2それぞれの沈殿の完結に必要とされるHClの濃度を求める際にはHClの濃度と滴下した体積の2つの未知数が生じてしまい導出できませんでした。 どうか導出課程を教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 陽イオン分析についての質問です

    陽イオン分析の基礎的な問題ですが、質問があります。 問題は添付した画像にあります。 操作1において、HClで沈殿が生じているので、沈殿IはAgClとPbCl2。そして、ここに熱湯を注いで溶けたのがPbCl2。つまりろ紙に残った沈殿IIがAgClで、ろ液IIにはPbCl2が溶けて多分Pb2+(イオン)状態で溶けていると考えました。 そのろ液IIにKCrO4溶液を加えると、PbCrO4の黄色沈殿ができる・・と思ったのですが、操作1の最後に「クロム酸カリウムによる着色以外、新たな沈殿の生成はなかった」となっております。 これは、もともと希硝酸溶液で、ろ液IIは酸性状態だから、クロム酸イオンが二クロム酸イオンになっているから、鉛イオンとは反応せず沈殿しないのでしょうか・・。 また、問2で、(ちなみに問2の答えは鉛イオンですが、)「ろ液IIにクロム酸カリウムイオン水溶液を加えたのは何イオンの有無の確認を目的としたものか」、とありますが、黄色沈殿ができていればたしかに「鉛イオンだ」とはっきりわかると思うのですが、沈殿生成しないのなら、何故ゆえこの操作をしたんだろう・・と思ってしまいました。 わかりにくい説明で申し訳ありませんが、ご回答頂けると非常に助かります。

  • 化学

    イオン結合性化合物は水には溶けるが、有機溶媒には溶けないのはなぜでしょう??

  • 溶解度。

    有機溶媒(トルエン)に溶けない有機化合物って、どういったものなのですか? そもそも有機溶媒に溶けるということが良く分かりません。溶媒が水なら、化合物が電離して溶ける…みたいな。 有機溶媒中でも電離しているのですか?けど極性が無いような…。

  • 銀イオン

    定性分析実験でAg+についてですが,AgClの沈殿を生じさせた後,アンモニア水を入れて錯イオンにしてさらに硝酸を加えて再びAgClを生じさせますよね? これは,最初の沈殿がAgClかどうか分からないためわざわざ2度でまみたいなことをするのでしょうか?それとも他に理由があるのでしょうか?

  • 化学の質問

    自分なりに酸・塩基について解釈してみました。 間違いがあったらご指摘お願いします。 まず、水素イオンH+を与える物質が酸である。    水素イオンH+を受け取る物質が塩基である。 酸・塩基を一対一対応で考えられるものは、その物質の水溶液として考えられるものだけである。それ以外(水、イオンなど)は何が酸・塩基なのかを一対一対応で考えることはできない。 疑問 1アレーニウスの定義は正しいと言われているが、正しいように思えない。 なぜなら水溶液中で水酸化物イオンを放出する物質が塩基である。というのがおかしいからである。 つまりそう考えるならばNH3+H2O⇔NH4++OH-のNH3はおかしいと思います。 NH3は塩基と考えられています。しかし、NH3は別にOH-を放出していない。  ここで質問です。 ここでの放出するとは物質が電離することによって発生するOH-という意味ですよね。 HCL→H++CLーことになるとは電離と呼ばれますが、 電離とは、H+とCL-に分かれることではなく、 物質が水に入って必ず水と化合して、その化合物質が分かれることを電離というのが適切ではないでしょうか?? そう解釈すれば、NH3は水と化合しOH-を放出しているといえます。 誤解が多々あると思いますが、その誤解を直すために質問しています。 詳しくご指摘していただけると幸いです。

  • Ag、Cd、Baの陽イオンの分析

    Ag、Cd、Baの陽イオンの分析 化学の実験でこれらのイオンが含まれている試料溶液の分析を行ったのですが 反応式が分かりません><; 自分なりに調べてみたのですが、僅かにしか分かりませんでした; お答え頂けると助かります><; Agイオンの分析 1.試料溶液5mlを試験管にとり、3NのHClを2~3ml加えて酸性にし、AgClとして沈殿させる ・Ag^+ + HCl → AgCl↓ + H^+ 2.この沈殿を濾過し、少量の水で3~4回洗う 3.濾過したら、5mlの2NのNH4OHを加えてAgClを溶かし、濾過する ・AgCl + NH4OH → (AgCl + NH3aq.) → [Ag(NH3)2]^+ + Cl^- 4.濾液に3NのHNO3を2~3ml加え僅かに酸性にして白色の塩化銀を沈殿させる ・[Ag(NH3)2]^+ + Cl^- + HNO3 → AgCl↓ + NH4NO3 + NH3↑ Cdイオンの分析 5.試料溶液を弱酸性にし温めてNa2S溶液を加えCdSとして沈殿させる ・Cd^2+ + Na2S → CdS + Na^+ 6.この沈殿に2NのHNO3を加え温める 7.次に2NのNH4OHを過剰に(10ml)加えると、Cd(NH3)4SO4として溶ける 8.この溶液にNa2Sを加える Baイオンの分析 9.試料溶液に2N(NH4)2CO3を5~10ml加え2~3分熱して炭酸塩として沈殿させる 10.確認反応として沈殿を5NのCH3COOH約10mlで溶かし、水30mlで薄める 11.1NのK2CrO4を3ml加えて黄色のBaCrO4を沈殿させてBaの存在を確認する 書いてある反応式は自分なりに出したものです。 間違っていればご指摘をお願いします。 他にも「~番の操作のところではこういう反応が起こってるよ~」と言って 頂けると助かります。

  • 塩化物の沈殿について

    塩化物の沈殿について 定性分析において、AgClなどの塩化物の沈殿を水ではなく塩酸を少し加えた水でないと洗ってはいけないのはなぜですか?

  • 溶解度積の問題なんですが…

    答えが付いていない問題だったので、他の方の答えも聞いて解答を確かめたいです。(それ以前にわからない部分があるんですが…) 【問題】K2CrO4とKClがそれぞれ0.001Mである1.0lの溶液に0.001M AgNO3溶液を一滴一滴加え攪拌する。最初に沈殿する物質は?また第二の化合物が沈殿し始めるとき溶液中のすべてのイオン濃度を計算せよ(AgClのpKsp=9.70 Ag2CrO4のpKsp=11.49) 私がやってみたのは、 (溶解度積から銀イオン濃度を比較して)最初に沈殿するのはAgCl 第二の化合物が沈殿し始めるとき溶液中のすべてのイオン濃度は [Ag+]=5.69*10^-5M [K+]=0.003M [Cl-]=0?と [CrO4 2-]=0.001M?は計算の仕方がわかりませんでした… 塩化銀は沈殿しきっている・クロム酸銀は沈殿しはじめた瞬間でまだゼロと考えてもいいのでしょうか??? こんな単純に答えを出していいのかと思い自信がありません

  • イメージできない

    HCLが電離するときはまずHCL自体が水中にかたまった状態から拡散します。(水に溶けます) その後、H20の水和によりクーロン力が働き、電離します。 電離した後、電離した物質は水と化合し、電離しなかったものはそのまま残ります。 NH3が電離するときはまず、かたまった状態から水中に拡散します。 その後がうまくイメージできずわかりません。