もし福島第1原発で事故が避けられていたら?
福島第1原発事故以降、原発に対する信頼度が一気に低下し、世界的にも原発廃止という方向に向かおうとしています。
歴史に「もし」は意味がないということを敢えて無視して書いてみます。
福島第1原発でもし電源同時喪失が起きないような設計がなされていたなら、「福島第1原発では未曾有な大津波に襲われたけれど、原子炉はすべて安全に停止し、大事故が避けられた。」と絶賛され、今頃は安全神話はそのまま生きていると思います。
ここでは今後の原発存廃については議論の対象外として書きますと、これまでの原発の設計と保全は全く不十分なままになっていたという気がしています。
たとえば日本の新幹線ですが、これまで40数年間これだけの運転密度での運行にもかかわらず一度も乗客を含む一般の人に対する危害を及ぼすような事故は一度も起きていません。これができているのは安全に対して真に十分配慮されていたからであると思います。
もし、仮に走行中の列車で車軸が折れるというような事故が起きたとしたら脱線転覆によって多数(下手をすると千名以上)の死傷者が出ることは避けられないでしょう。こういうことが現実に一度も起きていないのは、設計と日常の保守を完璧に行っているからに違いありません。
もし上のような事故が起きたなら、多分新幹線に対する信頼度は一度に失墜することでしょう。
さて、原子力発電ですが、世界に数百基しかない中で、過去4,50年の歴史の中でレベル7の事故が2度、ほかに放射能漏れなど中軽度な事故は数十回起きているのではないでしょうか。
事故が社会に及ぼす影響から考えると、この事故率はどう考えても高すぎるとしか言えないと思っています。レベル7級の事故が数十年に1度ということは、人の一生のうちに複数回起きることになり、それではもうこれでよいと思う人はあまりいないのではないでしょうか。
ところで、この事故率がもし現在の10分の1だったとしたらどうでしょう。クラス7レベルの事故は人の何世代かに対して一度ということになります。この程度の事故率なら原発を許容する人はグンと増えるのではないでしょうか。
この事故率10分の1というのは、「安全について真に真面目に考えて設計、保守する」ならば設計上それほど困難なことではないと思うのですがいかがでしょうか、ご意見を伺いたいと思います。
お礼
ありがとうございます。 ぜひ参考にさせて頂きます(^^)