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2段式すっとびボールの最適質量比
- すっとびボールというおもちゃがあります。スーパーボールをお団子のように重ねて,一緒に落とすと一番上だけとんでもなく跳ね上がるというものです。
- 下のボールが上のボールの3倍の重さの時がもっとも効率がよいという議論があります。
- 初歩的な解析では,大小のボールの質量比が大きいほど(効率はともあれ)跳ね上がるという結果が得られると思いますが,はねかえり時間が有限であることを考えると,実験的に最適比が存在することは推測できます。一般に3倍で最適効率…という理屈をご存知でしたら,教えていただけませんか?
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>「下のボールが上のボールの3倍の重さの時がもっとも効率がよい」という議論があります。 これは質問文に挙げられている2つ目のサイトの中に書かれていることですね。 これは「効率」という言葉の意味にポイントがあります。 衝突が起こると大きいボールAと小さいボールBの間でエネルギーの移動が起こります。 落下開始の時の高さと同じ高さのところまでBが上がればエネルギーは同じです。 今は落下開始の時の高さよりも高いところまで上がることを考えていますから衝突によってエネルギーが増加していなければいけません。Bのエネルギーが増加していればAのエネルギーは減少しています。エネルギーが保存する場合であればAのエネルギーの減少量がBのエネルギーの増加量に等しくなります。(これは反発係数が1の場合です。) Bの貰うエネルギーの値は質量の比が変われば変化します。 衝突後の速度は上向きを正とすると Va/Vo=(M-3m)/(M+m) Vb/Vo=(3M-m)/(M+m) M/mを大きくするとVb/Voが大きくなります。最大値はVb/Vo=3です。 いくらM/mを大きくしてもこれ以上大きな速さで飛びあがるということはないのです。 速さは3倍になれば運動エネルギーは9倍になります。飛び上がる高さの最大値は落下開始の時の高さの9倍が最大です。 でも質量をものすごく大きくするというのは現実的ではありませんね。 M/m=100であれば衝突前に持っていた運動エネルギーの比率はEa/Eb=100です。でも衝突でBのエネルギーは9倍にしか増えていないのです。Aは元のエネルギーの9割ほどを持ったままなのです。 効率よくBにエネルギーを移すということを考えます。 それは初めにAが持っていたエネルギーが全部Bに移るということではないでしょうか。 (「効率」をこのように考えましょうという立場が無ければ3倍という結果は出てきません。) 衝突後のAのエネルギーがゼロになるのですからAは止まるはずです。 Va=0は M=3m の時に成り立ちます。 その時、Vb/Vo=2です。 直径が3倍異なる時というのはどこにも出てきません。 直径が2倍違うとすればM/m=8,直径が3倍違うとすればM/m=27です。 M/m=8であればVb/Vo=2.6 M/m=27とすればVb/Vo=2.86 です。 直径が3倍違えばほとんど最大の速さに近いものが得られます。 でも写真に写っているボールであれば直径の比は2倍よりも小さいです。 手元にあるスーパーボールでも直径が2倍違うというのはかなり大きな違いです。 普通は2倍以下でしょう。 質量が5倍違うとするとVb/Vo=2.3 反発係数が1よりも少し小さいだろうということを考慮してVb/Vo≒2というのが妥当な値ではないでしょうか。これでも高さは4倍になりますから見た人は驚きます。大きい方のボールがほとんど止まってしまいますから2つのボールの挙動に大きな違いがありますので余計に印象深いものになります。 私はただ2つのボールを縦に重ねて手に持って落下させていました。 どこに飛んでいくか分からないので教室でやると探すのに大騒動でした。 でもよく飛ぶことは分かります。
お礼
質量比3:1のよく知られた弾性衝突ですね? 初め,3:1が最もよく跳ぶ…という議論であると勘違いしたものですから,あとから「効率」という言葉をかみしめて,ああ,そういうことなら…とうすうす感づいたのですが,その意味をはっきり示していただきました。 大変明快な回答をありがとうございました。