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ミトコンドリアDNAの進化速度は、速い?遅い?

「生と死の自然史」(東海大学出版会)という本に、 「進化速度が速いおかげで、ミトコンドリアDNAを用いて、何千年も昔に分岐した民族を識別することができる。」(p416) という一文があるのですが、これはおかしくないでしょうか。 逆の、「進化速度が"遅い"」なら「識別することができる」、だと思うのですが。 そこで、実際ミトコンドリアDNAの進化速度は速いのか遅いのかをネットで調べてみたのですが、 http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/kouenkai/koza/62koza_3.html 「ミトコンドリアの遺伝子は核の遺伝子よりも約10倍も進化速度が速いことが知られています。」 …のように「速い」と述べられているものが多い一方、 http://www.yodoriver.org/kaigi/kidu/3rd/pdf/kizu_3rd_h02.pdf 「ミトコンドリアDNA は母系で進化速度が遅いため、種の地理的、歴史的変遷を知るにはよいが、個体群の遺伝的多様性を知るには十分ではない」 …のと記述もあります。 いったい、ミトコンドリアDNAの進化速度は速い/遅い、どちらなんでしょうか? 私は「分岐した民族を識別」したり、「種の地理的、歴史的変遷を知る」ことができるからには、ミトコンドリアDNAの進化速度は"遅い"のだと思うのですが。 ※まことに失礼かつ申し訳ありませんが、生物・化学系の大卒以上の学歴の方以外のお返事は御遠慮ください。 以前、同様の分野の質問をして、素人の方(ご本人も認めていました)からお返事をいただいたのですが、その方はご自分の考えが絶対正しいと譲らず、多大な時間と労力を浪費したことがありまして。 学歴偏重と思われるかも知れませんが、これ以外に回避策を思いつかないので、どうかご了承ください。

みんなの回答

  • E-gis_hc
  • ベストアンサー率29% (42/141)
回答No.2

ミトコンドリアDNAを使って民族の系統を調べる際に、 遺伝子をコードしていないDループ領域を用いた研究があります。 遺伝子をコードしている領域の場合、変異が保存されないことが多いので、 変異が保存されやすい領域を使ったというわけです。 変異が早いか遅いか何を調べるかによると思います。 変異が速い=近い過去を細かく推定できる 変異が遅い=おおざっぱに遠い過去を推定できる >「ミトコンドリアDNA は母系で進化速度が遅いため、種の地理的、歴史的変遷を知るにはよいが、個体群の遺伝的多様性を知るには十分ではない」 Y染色体と比較した場合の話ではないでしょうか。 Y染色体の方が広い領域の塩基配列を調べられるので、差を認識しやすく、 多様性があるということでしょう。 また、ミトコンドリアDNAは母系、Y染色体は父系なので、 両者の特性にも注意が必要です。 男は何百人も子どもを作ることがかのうですが、女はそうはいきません。 また、その男の地位にもよって、分布の仕方が違います。 一説にはチンギスハーンのY染色体を引き継いだ人間は 1600万人いるとも言われています。 したがって、人類を研究する上で、Y染色体、mtDNAいずれにしても一長一短です。

nyankovitti
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 「進化速度が速いおかげで、ミトコンドリアDNAを用いて、何千年も昔に分岐した民族を識別することができる。」というのは、 ミトコンドリアDNAの進化速度は、進化論的に短期間内の民族の分岐を識別できるほど速い、ということだと理解しました。 よく考えてみれば、短期間に進化速度が"遅い"と、私の当初の考えとは逆に、確かに分岐を識別できませんね。 本当にありがとうございました。

noname#143207
noname#143207
回答No.1

 こんばんは、ひどっち と申します。  mtDNAの場合ですと、一般に約2万年程度に一回の頻度の変異が起こるとされています。  そうなりますと、 ・「分岐した民族を識別」、「種の地理的、歴史的変遷を知る」  以下のサイトのように、約12万年前の分岐を調べることが可能となります。また、ミトコンドリア・イブから始まる人類の移動の調査にも貢献しえるかもしれません。  もしこれが、核DNAだとしますと、おそらく、”12万年”の特定は不可能と考えられます。 参考:http://www.geocities.jp/ikoh12/kennkyuuno_to/002_1mtDNA_1.html  ・「個体群の遺伝的多様性を知るには十分ではない」  その後に、以下の文言が見られます。だいたい、5から10倍程度ミトコンドリアの方が早いとされています。 「次に核 DNA の中では比較的進化速度の速い後者についてですが、イントロン、偽遺伝子の進化速度は、ミトコンドリア DNA 全体と比べて、進化速度はやや遅いかほぼ同じくらいであることが知られています。」 http://www.yodoriver.org/kaigi/kidu/3rd/pdf/kizu_3rd_h02.pdf
   つまり、ある程度早いことにより(厳密には、”そこそこ調査するのに適切な早さ”)、「種の地理的、歴史的変遷をある程度」、を細かく調査可能だと思われます。  ご参考になれば、幸いです。

nyankovitti
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 「進化速度が速いおかげで、ミトコンドリアDNAを用いて、何千年も昔に分岐した民族を識別することができる。」というのは、 ミトコンドリアDNAの進化速度は、進化論的に短期間内の民族の分岐を識別できるほど速い、ということだと理解しました。 よく考えてみれば、短期間に進化速度が"遅い"と、私の当初の考えとは逆に、確かに分岐を識別できませんね。 紹介していただいた資料、大変参考になりました。 ありがとうございました。

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