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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:OPアンプのオフセット自動調節回路について)

OPアンプのオフセット自動調節回路について

このQ&Aのポイント
  • OPアンプのオフセット自動調節回路は、出力電圧のオフセットを自動的に補正する回路です。
  • この回路では、ゼロ補正アンプを使用し、出力電圧をゲイン分の1にしてOPアンプに加える分圧抵抗を用いて補正を行います。
  • 具体的な補正方法は、増幅器の出力が一定の条件で振れるようにドライブし、OPアンプの出力が最小となるように調整します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • inara1
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回答No.1

ご質問の回路は、「定本 OPアンプ回路の設計」のp.64の図2-25 (a) の回路ですが、この回路は高周波特性を CLC103 が担当し、DCを含む低周波特性を LF356 が担当するという、一種の複合回路のようです。「A1が補正される回路・・・最小になるようにあわせ込む」というのは、CLC103のデータシート(http://www.symmetron.ru/datasheet/ns/CLC103.pdf)の4ページの右上に書かれていますが、なぜこのような調整方法なのかよく分かりません(分かる方のコメントをお願いします)。 オフセット電圧を自動的に調整するには、オーディオアンプによく使われるDCサーボという方法が使われますが、DCサーボは、ご質問の回路の下側を積分器としたものです。DCサーボでは全体のオフセット電圧は積分器のオフセット電圧にまで抑えられますが、直流利得が 0 なので直流信号を扱えません。ご質問の回路では、下側のオペアンプの利得は、DCを含む周波数領域全体で一定なので、直流信号も扱えます。しかし、回路全体のオフセット電圧は、DCサーボと違って、オペアンプ自身のオフセット電圧より大きくなります。 添付図の回路で、入力電圧を Vin、上側と下側のオペアンプのオープンループ利得をそれぞれA1、A2 、入力オフセット電圧をそれぞれ Vos1、Vos2としたとき、出力電圧 Vout は添付図の右上の式で表わされます。A1 と A2 には周波数依存がありますが、DCを含む低周波では A1 も A2 も非常に大きな値なので    A ≒( R3/R2 )*( 1 + Rf/Rs )    B ≒ 0    D ≒ 1 + Rf/Rs と近似できます。したがってDCを含む低周波での出力電圧は    Vout ≒ -( R3/R2 )*Vin + ( 1 + R3/R2 )*Vos2 --- (1) となります。全体のオフセット電圧は Vin = 0 のときの Vout で、その値は ( 1 + R3/R2 )*Vos2 となります。これには Vos1 が含まれないので、上側のオペアンプのオフセット電圧の影響は出力に現われません。上側のオペアンプにオフセット電圧の大きなものを使っても、全体のオフセット電圧は下側のオペアンプのオフセット電圧だけで決まります。したがって、下側のオペアンプにオフセット電圧 Vos2 の小さなものを使えば、回路全体のオフセット電圧を小さくすることができます。しかし、全体のオフセット電圧は ( 1 + R3/R2 )*Vos2 と、オペアンプ自身のオフセット電圧 Vos2 よりも大きくなってしまいます。 式(1)の Vin の係数 -R3/R2 が交流での利得になります。つまり、DCを含む低周波での利得は、上側のオペアンプの帰還抵抗(RsとRf)でなく、下側のオペアンプの帰還抵抗で決まります(下側のオペアンプで全体の特性が決まる)。 下側のオペアンプにオフセット電圧の小さいものを使って、上側のオペアンプに高速のオペアンプを使った場合、高周波では A2 << A1 となります(オフセット電圧の小さいオペアンプは一般に高周波でのオープンループ利得が小さい)。その場合、A2 はもはや非常に大きいとは言えなくなるので、添付回路の右上の式は    A ≒ (1/A2)*( 1 + R4/R1 )*( 1 + R3/R2 )*(Rf/Rs)    D ≒ (1/A2)*( 1 + R4/R1 )*( 1 + R3/R2 ) と近似できます。したがって、高周波での Vout (Vos1とVos2の項を無視したもの)は    Vout = (A/D)*Vin = -Rf/Rs*Vin と、低周波と違って、上側のオペアンプの帰還抵抗(RsとRf)で決まるようになります。低周波から高周波まで平坦な利得とするには、 R3/R2 = Rf/Rs とします(2つのオペアンプの特性によっては中間の周波数で利得が変動するかもしれません)。 添付図の右下の周波数特性は、上側のオペアンプに LM6365(高速オペアンプ)、下側のオペアンプに LM358(低速)を使い、Rs = 1kΩ、Rf = 100kΩ、R1 = 50Ω、R2 = 10kΩ、R3 = 100kΩ、R4 = 1kΩ としたときの、回路シミュレータによる結果です。低周波での利得は R3/R2 (20dB)になり、500kHz以上の高周波での利得は Rf/Rs (40dB) になっていることが分かります。通常は R3/R2 = Rf/Rs にすると思いますが、周波数による利得の違いを示すために、R3/R2 と Rf/Rs を変えてシミュレーションしてみました。

noname#234574
質問者

お礼

非常に詳しい解説ありがとうございました!! とても分かりやすかったです。 文献まで調べてくださり、感謝しきれません。 この本には「オフセット自動調節回路」の例として、 この回路が取り上げられていますが、 irana1さんの回答を見ていると、 これはオフセット調節回路ではなくて、 周波数の低域と高域で利得を変えるための回路に見えてしまいますが、 どうなんでしょうか。。。 あと、高周波での Vout の式には、irana1さんの回答では Vos1とVos2の項が無視されていますが、 実際にはVos1とVos2の項は存在しますよね。 低周波でのVoutの式にもVos2の項が残っていますし、 オフセット調節はできていないようにますます見えますが、 どうなんでしょうか…

その他の回答 (2)

  • inara1
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回答No.3

>波数の低域と高域で利得を変えるための回路に見える 私もそう思います。 オフセットの自動調節は添付図のようなサーボ回路が一般的です(周波数特性はシミュレーション結果)。この回路は書籍 [1], [2] に出ているのですが現在絶版となっています。ヘッドホンアンプでの使用例が [3] にあります。 [1] OPアンプによる回路設計入門 p.105 http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/31/31891.htm [2] 実用電子回路設計マニュアル p.8 http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/32/32241.htm [3] 非反転増幅回路でのオフセット補正(点線の部分) http://www.geocities.co.jp/Colt_Python_KingCobra/audio/Non-Inverting-OPAMP-DC-Servo.gif >低周波でのVoutの式にもVos2の項が残っています Vos は時間変化しないので、低周波(交流)では Vos の項はないと考えていいです。DC と低周波を分けるなら   DC    Vout = ( 1 + R3/R2 )*Vos2   低周波  Vout = -R3/R2*Vin となります。実際の Vout の波形は、上の低周波成分にDC成分が重畳したものになります。

noname#234574
質問者

お礼

素早いお返事ありがとうございます。 添付図のようなサーボ回路は、 「定本 OPアンプ回路設計」のP65にも載っていました。 ”スイッチで切り替える方式”という項に書いてありました。 この回路も勉強してみようと思います。 確かに、Vosは時間変化しないので、 交流を考えるときは無視してよいですよね。 ありがとうございました。

  • inara1
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回答No.2

ANo.1では文字数制限のために書けませんでしたが、「定本 OPアンプ回路の設計」の図2-25 の下に書かれている Rc の式は間違ってます( (a) と (b) の式を入れ替えれば正しい)。CLC103データシート(4ページ)のFigure 3 と Figure 4 に正しい式が出ています。この Rc は オペアンプの入力バイアス電流による誤差を補正しているものと思われます。入力バイアス電流の小さいオペアンプを使った場合は、入力端子につながっている 10kΩ と Rc は特に入れなくてもいいと思います(ANo.1の回路ではこれらの抵抗を無視しています)。

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