OPアンプのオフセット調整について

このQ&Aのポイント
  • オフセット電流とは、内部の不平衡によるもので、入力換算で表されます。しかし、一部の文献では入力端子からの電流がオフセット電流とされています。
  • オフセット電圧の測定には、モトローラ社の技術資料などで紹介されている測定回路が使用されます。しかし、その測定原理については情報が限られています。
  • オフセットの原理や調整法について学ぶための参考URLなどは現時点では特定されていません。
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OPアンプのオフセット調整

OPアンプのオフセット調整 オフセット調整について勉強してます。 1.オフセット電流について オフセットが発生する理由は内部の不平衡によるもので、表現方法としては入力換算で表すようです。ただ、文献によっては「本来は入力だけの端子から電流が流れ出す」ことがオフセット電流と呼ばれているということでした。表現方法としての入力換算に過ぎないのか、それとも実際に入力端子に電流が流れていてそれがオフセットになっているのかどちらですか? 2.オフセット電圧の測定について 「定本OPアンプ回路設計」では測定回路は記載されてます。ソースはモトローラ社の技術資料のようですが。この回路でどうして測定が出来るのかがわかりません。測定原理を教えてください。 3.オフセットの原理、調整法について勉強のためのURL等があれば教えて下さい。

noname#135375
noname#135375

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  • inara1
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回答No.1

1.オフセット電流について バイアス電流は、実際に入力端子に流れる電流のことです。微小電流を測定できる電流計があれば直接測定できます。オペアンプの2つの入力端子のバイアス電流の差をオフセット電流といいます。入力換算が使われるのは入力オフセット電圧のほうだと思います。オペアンプで増幅回路を構成したとき、入力オフセット電圧も増幅されて出力に出てくるので、入力換算(出力/利得)という言い方があるのだと思いますが、これも反転入力端子と非反転入力端子間の電圧差をテスターで直接測定できます。 2.オフセット電圧の測定について >この回路でどうして測定が出来るのかがわかりません 41ページですね。添付図に式の導き方を書きました。 オペアンプの反転端子(-)についている電池記号は 入力オフセット電圧 Vos です。空色のオペアンプ記号は、入力オフセット電圧がゼロですが、入力バイアス電流はゼロでないとします。反転入力端子のバイアス電流を Ib、非反転入力端子のバイアス電流を Ib - Ios とします。Ios がバイアス電流のオフセット電流になります(Iosは、反転入力バイアス電流 - 非反転入力バイアス電流 と定義します)。 まず、2つのスイッチがOFFである場合を考えると、図の右上にあるような6個の関係式を導くことができます。これをV3(オペアンプの出力電圧)について解いて、A0(オペアンプの開ループ利得)が非常に大きいとすれば、V3 は式(1)のように近似できます。このときの V3 を、「定本OPアンプ回路設計」の定義に従って E1 とおきます。次にスイッチがONのときの V3 を E2 とすれば、E2 は式(1) で R3 = 0 としたときの V3 ですから、E2 は式(2)のようになります。この式(2)を Vos について解くと式(3)のようになります。これを式(1)に代入して Ios について解くと式(4)のようになります。式(4)は「定本OPアンプ回路設計」に出ている式と同じです。本に出ている式には絶対値の記号(| |)がついていますが、添付図の計算方法では、Ios の符号を定義していいるので絶対値はつきません。つまり、E2 > E1 なら、Ios > 0 、つまり反転入力のバイアス電流 >非反転入力バイアス電流 となります(ただし Ib の符号が-なら、電流の大きさは 反転<非反転 になります)。 一方、「定本OPアンプ回路設計」では、Vos = E1/(R2/R1) となっていますが、これは以下のように近似したものと思われます。   (A) 式(3)の第2項と第3項が第1項より十分小さいとして Vos = E2/( 1 + R2/R1 ) - R1*Ib/( 1 + R2/R1 ) + R1*Ios ≒ E2/( 1 + R2/R1 ) と近似した   (B) さらに、R2/R1 が 1 より十分大きいとして E2/( 1 + R2/R1 )≒ E2/( R2/R1 ) と近似した しかし、(A) の近似は少し乱暴だと思います。 同じ回路を用いて、もっと正確に求める方法があります(Vos と Ios だけでなく、Ib も計算できます)。これは2つのスイッチを両方ON/OFFするだけでなく、図の下側のスイッチだけONにしたときの V3 も測定する方法です。このときの V3 を E3 とすれば    Ios = ( E2 - E1 )/{ R3*( 1 + R2/R1 ) }    Ib = ( E3 - E1 )/{ R3*( 1 + R2/R1 ) }    Vos = { ( R1 + R2 + R3 + R2*R3/R1 )*E2 - R1*E3 - R2*E1 }/{ R3*( 1 + R2/R1 )^2 } となります。これは A0 >> 1 以外の近似は入っていません。 3.オフセットの原理、調整法について勉強のためのURL等 調整法は「定本OPアンプ回路設計」の53ページから67ページに出ています。この書籍(http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/36/36101.htm)の163ページから212ページに、オペアンプの基本特性の測定法が出ています。オフセット電圧の原因については、入力部分の差動アンプのトランジスタ特性ばらつき(ミスマッチ)が直接の要因です。これはデバイス物理を勉強しないと理解できませんが、この書籍(http://www.amazon.co.jp/dp/4563067245)の201ページから212ページが参考になるかもしれません。

noname#135375
質問者

お礼

大変詳細な回答をありがとうございます。 テキストの計算では未知数Ibを削除するために、R1<<R2,R1Ib<<E1となるように抵抗を定めて測定せよということでしょうね。 調整の方はもう少し勉強してみます。

その他の回答 (1)

  • inara1
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回答No.2

ANo.1に間違いがありました。 【誤】 図の下側のスイッチだけONにしたときの V3 も測定する 【正】 図の上側のスイッチだけONにしたときの V3 も測定する 後半の測定方法についてまとめたものを添付します。

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