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泉鏡花の文体について質問です。

3orihsoyの回答

  • 3orihsoy
  • ベストアンサー率33% (3/9)
回答No.2

ogenkideshoukaさん、 暇なので、わたしも「絵本の春」を青空文庫で読んでみました。 確かに、学校で習った文法にあてはめようとすれば、どこが主語なのか述語なのかよくわからないことがしばしばありますね。しかし、前の回答者も言ってみえると思いますが、文法とはもともと言葉を後追いしているにすぎないのです。大多数の人が読んで聞いてわかるように、体系を整えたものですから、それに従えば、大多数の人が読んで聞いてわかる文章を書き、喋ることができるという教則です。大多数の人に理解できれば、それを「正しい」と表現してもいいのかもしれませんね。しかし言葉はこの「絵本の春」に描かれたような一種の魔物です。まして文学ともなれば、読む人はそれを元にどんな想像をしても、どんな絵を見てもかまわないのです。どこからどこまでが現実か夢か、記憶の幕の内か外か、またあざやかな花の色にあふれる春の情景から、その花の色を血の色と見立てて、変な言葉ですが読者を「煙に巻こう」というのが泉鏡花の文学とすれば、すなおに煙に巻かれてその情緒を味わえばいいのではないかと、わたしは思います。言葉は時代につれて変わっていきます。同じ時代にあっても、書き言葉と話し言葉は違います。時代が変わり、今のわたしたちにとって読みなれない文章であっても、「正しくない」と切りすてることなく、その「正しくない」ところに味があるとして、味わっていきたいものと、わたし自身は考えています。 「短編なのに読むのにとても苦労しました」と言ってみえますから、ogennkideshoukaさんはとても几帳面な方とお見受けします。それは長所ではありますが、堅苦しいことも事実です。あまり肩肘はらず、わかったようなわからないようなことを書いているのだから、なんとなくわかればいいのだくらいに、おおようにかまえましょうよ。そのほうがくたびれません。またそのほうが泉鏡花の夢幻の世界の「正しい」味わい方だと思います。

ogenkideshouka
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。 泉鏡花の文章は、正しいとか、正しくないとかを超越した、感覚的で幻想的でとても進んだものなのですね。 泉鏡花は、明治から昭和の初めの頃の作家ということですが、その後に出てきた文豪と呼ばれる人たちの文章の方が、文法的に基礎に忠実な感じがするのが不思議です。このスタイルは踏襲されず鏡花のみで終わったものなのか、またはその後、鏡花ほどの自由な人がいなかったのか…。このあたりは日本文学史の領域になるのかとも思いますが、とても興味深いです。 しかし今のところ御指摘のように、もう少し鏡花の作品をあまり堅苦しく考えず楽しんでみたいと思います。ありがとうございました。

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