なぜ韓国は日本を嫌うようになったのでしょうか？

質問

• 韓国が日本を嫌うようになった背景を考えると、歴史的な要因が影響していると言えます。日本の韓国併合や統治に対する反感、侵略の脅威への不安、文化的な違いによる対立などが、韓国の日本への嫌悪感を形成しています。
• また、日本が韓国に対して行った統治や文化的影響も、韓国人の反感を引き起こす要因となりました。韓国が日本のインフラ整備や教育の普及を受けた一方で、それに対する批判や反抗も存在しました。
• さらに、言葉や慣習の違い、地域間の対立、歴史認識の相違なども、韓国と日本の関係を緊張させる要素となっています。これらの要素が重なり合い、韓国が日本を嫌うようになったと考えられます。

回答No.1

phj

可能な限り客観的に書きますが、どうしても日本人としてのバイアスがあることは承知してください。
そして、日本人はあまり知りませんが「隣り合った国同士の仲が悪いのは世界ではごく普通のことだ」ということも覚えて置いてください。

紀元前の時代から、朝鮮は特に中国の影響を受けながら歴史を刻むことになります。まとまった国家としての朝鮮の歴史としては高句麗・新羅・百済の三国時代が揚げられますが、そのうちの最大の国家である高句麗は朝鮮の北半分から現在の中国(満州）の一部にいたる割と広い範囲を領土としていました。ところが5世紀中盤に新羅と中国（唐）の連合軍によって高句麗は滅ばされてしまいます。このころから朝鮮の政治には常に中国の影が写るようになります。
そして新羅は百済や済州島などにある小国（伽耶諸国または任那諸国）も滅ぼして朝鮮に統一王朝を立てます。当然中国の後ろ盾があってのことです。
このころ新羅や伽耶諸国と日本の大和朝廷は何らかの関係があったとされていますが、定説はありません。明治になって日本が朝鮮併合するときにこの時代の日本と朝鮮（新羅など）の関係を取り上げて「日本は元々朝鮮に領土を持っていた」という学説も取り上げられました。これについてはいまだに論争があります。

いずれにしても日本（大和朝廷）と朝鮮にはなんらかのつながりはあったでしょうから、この時代すでに朝鮮は日本を意識していたことも事実です（ただし朝鮮を含む渡来人が渡らないと米や鉄を作れない日本人は後進国と見られていたはずです）

この後、新羅が滅んで後高句麗が出来、モンゴル帝国に侵略されます。
ちょうど元寇のころには、朝鮮だけでなく中国の沿岸部も和寇（日本人の海賊）が猛威をふるっていたため、日本との関係も悪化しました。

その後李氏朝鮮（朝鮮王朝）が成立し、室町幕府と国交を回復するのですが、朝鮮も室町幕府も中国（明）の冊封を受けた同盟国（今と同じように日米同盟・韓米同盟で日韓が準同盟状態）ですので、本心はともかく盛んに交流したようです。

日本に対して朝鮮が決定的に心証を悪くするのは、いわゆる秀吉の朝鮮出兵のためです。朝鮮が戦場になり、非常に多くの損害が出ました。

元々朝鮮は大国の影響を常に受ける場所に存在し、また大国にはどうやってもかなわないため、モンゴルは騎馬民族だから朝鮮とは違うとして排除しつつ、中国を手本として恭順し朝鮮の安全を確保してきました。ところがそこに戦乱をもちこんだのは、自分たちより一段低いと見ていた日本人だったわけです。しかも、自分たちが尊敬している（そして守ってもらっている)中国を攻める、のですから朝鮮人としては「身の程知らず」と思ったことでしょう。

江戸時代になると何とか日朝関係も修復されて通信使往来や貿易も復興します。しかし日本では朝鮮組みやすし、と見て通信使は来貢にやってきている、と朝鮮を軽くみる風潮も生まれると同時に、朝鮮でも日本を下に見ており通信使金仁謙による「日東壮遊歌」などにその一端をみることができます。つまりこの頃、今の日本と朝鮮のお互いを見下す態度は出来ていたといえます。

次の日本と朝鮮の関係の変化は、明治に訪れます。いわずとしれた朝鮮併合です。これが今の日本と韓国・北朝鮮との関係に影響していることは間違いなく、占領された側が恨めしく思うのは当然のことといえます。

しかし歴史的な経緯を見てみると、朝鮮は半島であるがゆえに隣の大国から侵略されることが多く、生き残りのため中国を見習って常に「大国の意向に沿う」ことを強いられていました。そのため、（日本人から見れば）面子を保つために礼節の国、小中華と言って、朝鮮の置かれた立場と歴史を肯定的に見ていたわけです。
日本はそれに比べて、海があったために大陸の影響もありながら、自由に発展し、江戸時代にはかなり発展した国家を作っています。朝鮮から見れば「日本の王は帝と称しているらしい、なんて身の程知らずなことだ、帝は中国皇帝のことなのに」というように、文化の低い国（だから朝鮮は逆に文化の高い国と証明される）だったわけです。

歴史的経緯をみれば、朝鮮は常に日本に対して優位な位置にいたはず、ということです。米も鉄も、その他あらゆる物が（苦労して国を保っている）朝鮮半島から渡来したのに、日本は勝手にやっている、と見えるわけです。だから韓国が日本の歴史は朝鮮が作ったという真意はそういうところから来ているようです。
つまり兄が「俺がいろいろ教えてやったのに」、弟がさも自分ですべて成し遂げたように言うことが気に入らない、ということです。ましてや兄の保護者（朝鮮併合）になるなんて、プライドが許さないわけです。
日本人は自分たちの歴史から見て、朝鮮を兄と見ることはありませんから、結局理解し合えないわけです。

お礼

一番知りたかった事(の流れ)をとても詳しく教えて頂き
本当にありがとうございます。

秀吉の朝鮮出兵、大国と付き合わねば生き残れない地理から来る
国民感情。日本の兄貴分という感覚。
今までメディア等で見てきた様々な情報の違和感に
色々な辻褄が見えてきて、何か１つに繋がる物が見えて来ました。

歴史を見る視点の立場の違いが、お互い全く違うのでしょうね。
韓国の一般の方の意見にわずかな違和感を覚えたのは、
その歴史的な兄貴分という認識から　だったのでしょうか。

これを元にあやふやな歴史の知識の一部と、
そして世界の隣国嫌いの例などについて調べて行こうと思います。

大きな疑問に１つの道筋が浮かび上がりました。
詳しいご回答、本当にありがとうございました。